第27話 この世界で手に入りにくい物

「凄いですね、月光草が2人で84本ですか? これは恐らく最高記録かも知れません」


ギルドの受付嬢が驚いている。


まぁ普通に考えたら、物凄く危ない場所だからいけないよな。


「今回はサナと一緒に頑張ったからね」


「かなり頑張ったんですね、月光草が1本3万円で84本で252万円に交通費360円×2=720円、合計252万720円になります」


「有難うございます、それじゃ、20万円降ろして、残りは貯金に回して下さい」


僕とサナは日本に括られているから、異世界なのに快適に暮らせる、その反面日本人の義務である税金を納めないとならない。


だから、ある程度の金額をギルドの口座に入れて置かないと怖くて仕方ない。


しかし、今回は凄い収入だな、《月光草》恐らく違う名前で日本に存在して、恐らく日本でも高額で取引されているんだろうな...


うん、待てよ、もしかしたら...待て、ぬか喜びに終わるかも知れない...今度やってみよう。


「礼二、換金はもう終わったの」


「ああっバッチリと終わったよ」


サナの顔は疲れたし、美味しい物食べたい、と言う様な顔をしている。



「今日は結構頑張ったから、美味しい物でも食べに行こう、その前にはい、お小遣い」


僕は1万円札5枚をサナに渡した。


「えっこれ...ああっ日本のお金だね」


「そうだよ、これでサナも好きな物買ったりすると良いよ」


「ありがとう、えーとこれどの位価値があるの?」


確か、この前サナに買ってあげたアクセサリーが7000円だったよな。


そこから考えると...



「この前、サナに買ってあげたアクセサリーあったじゃない?」


「嘘、このお金であれが買えるの...悪いよ」


「そうだね7個買えるよ!」


「えっ、あれが7個も買えるの? 勿体ないよ貯金に戻そう、うん凄く勿体ない」




この異世界で出会って仲間になったのがサナで良かった、本当にそう思う。


周りにいる人間は見た感じ、肉食系の人間が多い。


冒険者は力やお金が全て、そんな感じの所がある。



多分、世界そのものが日本に比べて貧しく保証が無いから、生きるのに必死なんだろう。


例えば、この世界の女は、《美しくて美形だけど稼ぎが無い男》と《醜いけど稼げる男》なら庶民でいうなら、後者を選ぶ。


何故なら、稼げないというレベルは毎日生きるのに困るレベルだ。


それ程までに稼げないなら悲惨な事になる。


サナが日本人になるまでどれ程過酷か考えれば解るだろう。


皆が生きる為に必死...それがこの世界。



男だって同じだ《美形で生活に苦労する様な女》と《お金が稼げるゴリラみたいな女や貴族の豚の様な女》なら後者を選ぶ者の方が多い。



だからこそ、生きる為に、生活を良くするために肉食系の人間ばかりだ。


きっと今の僕なら、かなりモテルと思う...それは安定した収入があるからに他ならない。


きっと、サナみたいなパートナー探すのは難しい。



「どうしたの礼二?」


「いや、サナは可愛いなと思って」


「そう、礼二ありがとう!」



こういう関係って凄く楽しい。


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