第14話 生理用品とトイレットペーパー

朝起きるとサナが、オムツの様な物をしていた。


実際にはオムツでは無いが、厚手のふんどしのような物をつけて上からオムツみたいなパンツを履いている。



「サナ...おはよう!っていうか何...それ!」


「どわっ! 礼二はデリカシー無さすぎ! 私女の子の日が来ちゃったから...というか恥ずかしいから見ないで!」


成程...生理だ。


しかし、何だあれっ! 厚手のふんどしみたいなのをベルトに装着して、上から厚手のオムツみたいな物をつけている。


しかも、悩ましい事に、良く見ると血液が染み出している。


「あのさぁ...それ蒸れて暑苦しくない?」



「暑苦しいし、この時期汗疹も出来るけど仕方ないよ...流石に...というか何見ているのか! 恥ずかしいから見ないでよ!」


「あっゴメン...だけど、今日は後で薬品店に行ってみようか?」


「薬品店? 体調が悪いの? まぁ良いけど!」



僕は男だから詳しくないけど...これが暑苦しくて辛そうなのが解る。



僕たちは日本人だから多分ある筈だ。



「いらっしゃいませ!」


えーと、此処は一体なんなんだ!


サナは僕以上に驚いている。


だって此処、殆どドラックストアみたいな品揃えなんだから。


何が基準で、此処の世界の物で我慢するのか日本の物が手に入るのか解らない。


「凄いね!」


「はい、礼二様達日本人は衛生基準がこちらと違いますし、薬も違いますので日本の物をご用意してあります」


サナが起動した。


「礼二これ何?」


「うん、日本人向けの薬屋さんだね...どう、凄いでしょう?」


「何が何だか解らないけど、凄いのだけは解るよ!」



お目当ての物は「生理用ナプキン」と「生理用ショーツ」だ。


他に生理痛用の薬も買って置いた方が良いだろう...あっトイレットペーパーもある。


これも買って置かないとな。


他に風邪薬や包帯、消毒液など、救急箱に入っていそうな物を一式買った。



部屋に戻って、「生理用ナプキン」と「生理用ショーツ」を渡した。


「えーと何かな? これ!」


流石に説明するのはちょっと恥ずかしい。


「それは、女の子の日...生理の日に日本で使う物なんだよ! 流石に恥ずかしいから説明書読んで」


「礼二...私日本語読めないんだけど?」



僕は赤くなりながら読んで説明した。



「本当かな? こんな小さい物で大丈夫なの?」


「大丈夫だと思うよ!」


サナはトイレに入って着替えてきた。



「凄いね、これ全然違うよ、凄く快適」


「そう? 良かったね...だけど態々見せないでも良いよ!」



「そう?だけどこのショーツだっけ...凄く可愛くない?」


「確かにそうだね」



ついでだから、トイレについても説明した方が良いかも知れない。


此処のトイレは、貴族用の建物なので水洗だ。


日本の水洗、程では無く、横にバケツがありその水に水を貯めて置いて、用をたした後バケツで流すと流れていく。


そんな感じ。


食堂や他の場所がボットン便所なのを考えると高級な部屋だからの特別装備ともいえる。


ただ、問題なのは紙が無かった。


宿を借りた時は完全日本仕様なのかトイレットペーパーとウオシュレットがついていたが、流石に賃貸には無い。


サナにさり気なく聞いたら、この世界の人間の多くは都心部を除いて「外で普通にするらしい」そして葉っぱで拭いたり、尖っていない石で拭くのだそうだ、ボットン便所でもある事自体が凄いらしい。


都心部では桶にして纏まったら捨てるらしい...拭くのは手で拭いて洗うか、木のヘラを使うのがオーソドックス。


僕は昨日は食堂で済まして、紙を使った。


ただ、この紙は一生懸命くしゃくしゃにして拭くのだが、ぢになるんじゃないかって言う位固い。


拭いたらお尻が痛かった。


これからはトイレットペーパーが使えるかと思うとちょっと嬉しい。


サナにトイレが終わった後は「これで拭くんだ」と恥ずかしいけど説明した。



「嘘だよ、こんな高級な物で拭けないよ...これ絶対に王族でも使わないよ!」



「サナ、拭き残しがあると汚いから、絶対つかってね」


「そう言われると使わざる得ないけどさぁ、こんな白くて綺麗な紙をお尻拭くのに使うなんて日本人って凄いね」


僕は本当は+ウオシュレットが欲しいんだけどね...これは手に入らないだろうな。



だけど、皆は大丈夫なのかな...あのオムツみたいな生理用品とか女子が絶対に怒りそうな気がする。


まぁ、考えても仕方ないんだけどね!




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