第90話

 あの後、王から褒賞金を貰ってその場を後にした。


【絆】と冒険者ギルドにも多額の褒賞金が支払われる予定だ。


 俺達は教会に行き『贖罪の宝玉』でロッテの解放の許可を得た。


 俺は普通に教会の事は忘れていた。


 本来なら司法の許可を得るのだが、嵌められたロッテには難しいと判断して、直接王から許可を得るために今回ロッテに活躍の場を与えただけだったからな……。


 教会で『贖罪の宝玉』の審査を受けた時に、ロッテは神様から新たな加護を授かったそうだ。おそらく国を救った事が認められたのだろう。


 こんな事は司祭も初めてだと言っていたな。


『薬剤レシピ』という加護で、薬のレシピが頭の中に入ってきたそうだ。


 これからも薬を作って励めという神様からの思し召しだろう。


 とりあえず、加護が複数持つ事が出来る証明にもなったわけだ。


 なんとも羨ましい……。


『贅沢な……お前の方がチートだろうが』


 俺も加護みたいなエクストラスキルもらったけど────『絶倫王』だぜ?


 ネーミングセンス無さ過ぎだろッ!


 せめて、中身のスキルをバラバラにくれよなッ!



 とりあえず、奴隷商に行ってロッテを奴隷から解放した。



 その後に孤児院に戻ってきた。


 そして何故かギルマスもついてきて、現在目の前で平伏している。


 それもそうだろう。


 俺の正体はギルマスにバレてしまっている。


 新人の頃の俺をボコったと本人の目の前で言っていたからな。しかも【絆】との繋がりもあるとわかっている。


 きっと命の心配をしているのだろう。


 さっさと帰らせよう。


「ギルマス、帰っていいぞ」


「宜しいのですか?」


「これで全て終わったからな。帰って仕事しろ」


 そう告げるとギルマスはそそくさと逃げるように帰った。



 その後に孤児院の子供達を集めてお菓子を配る──


 無邪気に笑う子供達を見ていて、これからも元気に育ってほしいと思う。


 今回、俺達の行動で身近な人は誰一人死なせる事なく済んだ。


 復興とかは王がなんとかするだろう。


 今回ミカが助けてくれなかったら、どこかで詰んでいたはずだ。


 正直、助かった。


『お前のせいで永遠と情事を見させられたけどな』


 俺もお前のせいでロッテが仲間になったけどなッ!


 よく思えば今回は散々振り回されたわッ!!!!


 しかも、神様からも絶倫王認定までされるしッ!


『お陰で強くなれたじゃないか。むしろ感謝しろ』


 ありがとよッ!


『さて、次はダンジョン都市『フリューゲル』に向かえ』


 フリューゲルか……『マップ』では『慈愛の誓い』はいないな。


 あそこってダンジョンが複数あったはずだ……未攻略のダンジョンもあると聞いている。


 もしかして、ダンジョンに潜らせるつもりか?


『そうだ。このままじゃ、いつまで経っても私が具現化出来ん。少し強い魔物を狩れ。攻略出来れば加護も貰えて一石二鳥だろ』


 まぁ、確かに戦力の強化は必要だな……俺も直接戦闘が強くなるような加護が欲しいぜ。



 俺はマイ達を集めて告げる──


「次の目的地は──ダンジョン都市『フリューゲル』だ。未攻略のダンジョンを制覇すれば加護を貰えるかもしれない。異論は無いな?」


 皆は頷いてくれる。


 全員で強くなれば──


 爵位持ちの悪魔だって倒せるはずッ!


 俺は自由を掴み取る。必ずだッ!


『目的がエッチで草。はぁ……また見る事になるんだろうな……』


 うっさいッ! 何を見るんだよ!?


『まぁ、お前は気にするな』


 なら、気になる言い方するなよ?!



 とりあえず──


 今日は打ち上げだッ!



 俺達は皆で楽しく食事や酒を飲んで楽しく過ごした──


 ライクさんとの約束も果たしたし、これで思い残す事は無いな。


 そして、俺は寝る前にマイから疲労回復効果のあるを貰った。


 薬が効かない可能性があると思ったが──


『ちゃんと薬の効果が出るように『健康』スキルは発動しないようにしておいてやろう。ぐっすり眠れ』


 そうミカに言われたので勢いよく飲んだら一瞬で意識が飛んだ──



 ◆──マイ視点──



 エルク様は本当に凄いお方です。


 先の方まで見通し、全て丸く収められました。


 これが『先見』と呼ばれるエルク様の真価でしょう。


 とても強かった【深淵】を退け、最後には『慈愛の誓い』のメンバーを死闘の末に説得したとお聞きしています。


 そんなエルク様でも、さすがに複数を相手にするのは無理だと言われていました。


 更に強くなって、必ず足腰立たないように完全勝利をすると意気込んでおられましたね。


 英雄と呼ばれるぐらいなのに、強さに貪欲で惚れ惚れしてしまいます。




 既に


 最近は直ぐに起きそうになるので強力な睡眠薬をロッテさんに作って頂きました。


 ただ、液体ですので飲んで頂かなければなりません──


 エルク様に疲れが取れてよく眠れる睡眠薬があると伝えて飲んで頂きました。


 その時に「俺ってあんまり薬が効かない体質なんだよな〜」と言われていましたが、普通にスヤスヤと眠られています。



 私はティナちゃん、アリアさん、ロッテさんに告げます──


「──これより、『頑張ったエルク様を労ろうカーニバル』を開催致しますッ!」


「この時がやっと来た」


 ティナちゃんも楽しみにしていたようです。


「本番無しなのが残念ですね」


 アリアさんは本番もしたいようですね。私も魔契約が無ければしたいです。


「ドキドキします」


 ロッテさんはそんな事を言いながら涎を垂らしていますね。


「ルールは簡単です。エルク様を喜ばせたら良いだけです。その代わり──絶対に入れてはダメですからね? では、まずはジャンケンで勝った私から行います」


 私は服を全て脱ぎ、エルク様に覆いかぶさるように抱きつきます──


「私のファーストキス──プレゼントしますね♡」


 私の初めてはエルク様に全て差し上げますね?


 触れ合っていると私の体に変化が訪れます。


「 ん、あッ…な、なんか……気持ち…良い……」


 抱きついてるだけなのにとても気持ち良いです。


 段々と顔が熱くなり──


 気が付けば息は荒くなっていました。


 胸を擦り付けると更なる快感が襲ってきます。


 私は胸をエルク様のお口に近付けてみると──


 パクッと吸いつかれました。


「アッ、あぁん──ダメ、ひもちいい──もっと────」


 私は頭が真っ白になります。


 これが逝くという感覚でしょうか?


 今もエルク様は寝ているはずなのに胸を吸い続けています。


 このままではエルク様を満足させられません。


 あそこに入れませんが、本番はこれからです────

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