第56話

 分身1号から2人がこっちに向かったと連絡されたので『マップ』で確認すると凄まじい速度で反応がこちらへ来ていた。


 その時、ロッテは寝ているが、寝相が悪く俺の頭を抱きしめているため──顔がおっぱいに埋もれていた。


 見られるとヤバい気がしたから引き剥がそうとおっぱいを掴むと、今度は足を絡ませてきた。


 起きる気配は無く──


「んん、もっと強く揉んで──いっぱい愛して下さい……」


 そんな寝言を呟いていた。


 本当は寝かせてやりたいが、この状況を見られたらマイ達が怒るのは目に見えている。


 だって、俺のが濡れてるしな……パンツを履き替えたい……。


 濡れているのは別にお漏らしをしたわけじゃない。ロッテの猛襲に我慢していたら勝手に液体が出てきたのだ……。


 だから俺はロッテの希望通りにおっぱいを揉んで起こす事にした。


「ひゃん…ンンッ、あぁん──もっと……──んはッ!? アァァァッ、はぁん♡」


 強弱をつけ、おっぱいの頂点も弄るが──


 全然起きる気配はなく、揉み方の強弱がそのまま声に反映されていただけだった。


 俺の股間は暴発寸前だ。



 ピコンッ


『墓穴掘っとるやん。見られたら修羅場♪』


 修羅場だけは避けねばならんッ!


 出来ればは使いたくなかったが──


 仕方ない。


 許せ、ロッテ──



 その後、ロッテは果てた声と共に起きた。


 俺は2人が来る前にパンツとズボンを履き替える事に成功した──




 しばらくして、マイとティナが到着する。何故かアリアも帰ってきた。


 3人とも鬼の形相で俺の目の前にいる。


 視線はロッテに固定されていた。


 3人は俺の目の前に来ると名前を呼ぶ──


「「エルク様?」」

「エル兄?」


 間に合って良かった……1号の報告によれば──


 何故かわからんが、この感じだと俺がエロい事をしている疑いがかかっているそうだ。


 アリアも何かを感じた可能性があるな……。



 まぁ、実際の所はエロい事はしてたがな!


 あの後、俺のテクを駆使しておっぱいを揉みながら使


 ロッテは体をビクンビクンさせながら声を出して起きてくれた。


 その事があったからか俺に対する視線が熱い気がするが、なんとか乗り切ったッ!


『慈愛の誓い』に鍛えられたのはあそこだけじゃない。なんとか反抗する為にも俺はテクを磨き上げたのだッ!



 ピコンッ


『くっだらねぇ事してんな』


 アホかッ! このテクのお陰で助かった事もあるんだぞ!?



 今はそんな事より目の前の事態を収集せねばならん!



「アリアは情報収集が終わったとして、マイとティナの2人は採取のはずだろ?」


「その人──確かこの間の貴族。何でいる?」

「確かロッテさんでしたよね?」


 強気だ……2人とも採取を放棄したにも関わらず、悪びれもせずに俺に質問してきている。


 まぁ、採取しているのは分身だけどな……。


 ちなみにアリアも凄い真剣な表情でこちらを伺っている。


「俺はこの状況を打破する為に薬師を探していた。ロッテは薬師で俺達の目的の為には必要な人材なのはわかるな?」


「むぅ、確かに……でも──1人だけいても意味ない」

「別にロッテさんでなくても良くないでしょうか? それになぜ、奴隷になっているのですか?」

「エルク様はこの為に行動されていたのですか?」


 3人ともロッテがこの場にいる事に不満があるようだな……まぁ、簡単には事情を知ってるはずだからな……仕方ないだろう。


 ここは真面目に言わなければならない──


「ロッテはとある事情で奴隷に落とされてしまった。今は貴族ではない。今回の件でロッテは罪滅ぼしをしたいと言っていた。俺はチャンスを与えただけだ。例え薬師が1人だけであっても、救える命があるのに変わりはない。それに──ロッテの加護はこの状況をひっくり返してくれる事を確信している」


「「「……」」」


 俺の真剣な雰囲気に飲まれて、3人は押し黙る。



 ピコンッ


『詐欺師のように口が回るな……ロッテの加護はさっき知ったばっかりだろ……』


 詐欺師じゃねぇしッ!


 今回の件にロッテは確実に必要だろ!


 スラムや街の住人に回す薬が少しでも手に入るならと思っていたが、ロッテの加護ならばこの状況を確実にひっくり返してくれる。


 例え、今さっき加護の事を知ったとしても、嘘じゃないぞ!?



 2人はまだ納得していないっぽいな……おそらくロッテが俺の奴隷である事が嫌なのかもしれないな……。


 仕方ない──


「……ロッテは今回の件が上手く終わればつもりだ」


「「「なら良い(です)」」」


 3人とも即答だった。


 ロッテから「え? 犯罪奴隷だから解放なんて出来ないんじゃ……」と呟いているのが聞こえてくるな……。


 まぁ、犯罪奴隷は基本的に解放出来ない。


 だが、活躍すれば間違いなく恩賞を貰えるのは確実だろう。


 それにこう言わないとこいつら納得してくれねぇしな……ロッテを解放する方向で動くしかないな……。



 そんな事を考えているとタイミング良く1号が部屋に入ってきた。


「やっと帰ってきたか……」


「本体、とりあえず必要な物買ってきたぞ〜。うおッ、アリアまでいるじゃねぇか!? だが、状況を見る限りは修羅場は回避したっぽいな。頼まれた材料と瓶はわかるが、桶とか何に使うんだ?」


「知るか。ロッテが必要だと言ったから頼んだだけだ。修羅場になるとわかってるなら……なんとかならなかったのか?」


 俺はこの状況を回避出来なかったのか聞く。アリアはもしかしたら普通に帰ってきただけかもしれんからな。


「無理無理。俺は本体の為に動いているから、これが最善だと判断した。本体が俺の立場でも同じ事をしているだろう」


 マジかよ……いったい何があったんだよ……。


「まぁ良い。とりあえず、頼んだ物を出してくれ。これからロッテに薬を作ってもらう。ロッテ──任せたぞ?」


 1号に買わせた物を出させる。


「は、はいッ! ご期待に添えれるように頑張りますッ! 材料は大丈夫ですね……あの……何故エル君が2人いるんですか??」


「俺の加護みたいなものだ」


 説明が面倒臭いのでそういう事にしておく。マイ達にもそう言ってるからな。


「そんな加護があるとは……では作りますね? ──『錬成』────」


「「「──?!」」」


 俺、マイ、ティナは目の前の光景に驚く。



 ロッテが目を瞑り、魔力を込めると──


 目の前で材料が混ざり──


 液体に変わった──


「──完成です」


 桶の中には『石化病』の薬が大量に出来上がっていた。


「凄い……」

「エル兄お手柄」

「これなら……」


 マイ、ティナ、アリアの順で呟く。


 ここまで大量に薬が出来るとは思っていなかったのだろう。その顔には驚きと期待が見え隠れしている。


 正直、俺もここまでとは思っていなかった。


「……あッ」


 ロッテは魔力を限界まで使ったせいか、ふらつき倒れそうになる──


「──大丈夫か?」


 俺は倒れないように抱き抱えてそう言う。


「……エル…君……私、役に立ちましたか?」


「──あぁ、良くやった。お前は間違いなく、この国の英雄となれるだろう」


「えへへ……頑張りますね?」


「あぁ、期待している」


 俺はロッテの頭を撫でると嬉しそうにしていた。


 3人の射殺すような視線が怖い。後で撫でてやったら機嫌は直ったが……。



 ロッテはこの後も、魔力回復ポーションが無くなるまで頑張って薬を錬成し続ける──



 その間に俺達は明日の予定を決めた。


 マイとティナは分身4体と採取。


 ロッテには薬の錬成。


 1号はロッテの護衛。


 他には──【絆】の構成員に貧しい人やスラムの住人を優先して薬の配布を任せる事にした。


 石化病をなんとか出来れば、最悪の事態は避けられるはずだ。


 ただ、『病魔』カインがいる限り他の病が流行る可能性もある。



 必ず探し出さなければならない。


 だから俺はアリアと共に『病魔』カインの捜索だ。



 そして、【深淵】の狙いがロッテなのは変わりがないので、今日からは宿屋ではなく──孤児院に寝泊まりしてロッテの護衛もする。


 まぁ、分身に任せるがな……。



 とりあえず、トラブルもあったが──良い方向に向かっている気がする。


 おみくじのアドバイス通り──即決、即行動をこれからも心掛けるかッ!




 次の日の朝、あそこの暴走は無く──



 とても快適に目が覚めた。



 ただ、凄くエロいを見た気がするが……。


 夢の中でマイ、ティナ、アリア、ロッテの4人は俺の棒を交代しながら咥えていた。


 何度出しても止まらない俺の白い液体を飲まれるという不思議な夢だったな……。


 これは俺の願望なのだろうか?


 やはり相当欲求不満な気がする……。



 だが、夢の中のように絶倫であるならば──『慈愛の誓い』のメンバー1人だけなら勝てる気がするなッ!



 イメトレならぬ、夢トレだなッ!



 ピコンッ


『エロトレの間違いだろ』



 なんと言われようが構わんッ!



 とても気分が良い──



 よし、このまま運試しだッ!



祝福ログインボーナス】を起動する──

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