第40話
私はエルドラン王国に住む貴族、ロッテ=マクマリーン。
我が家は男爵で、代々宮廷薬師として王家に仕えています。国へ貢献している為、何度も陞爵の話があったそうですが、薬にしか興味がなく男爵のままで良いと断り続けています。王国貴族から変わり者の一族だと思われています。
私は既に18歳…… 行き遅れになりたくないのですが、エルドラン王国内ではマクマリーン家はあまり良い噂がないので婚約者が見つかりませんでした。
そんな私に、他国とのお見合いの話が上がった時は嬉しくて飛びつきました。そして今回、隣国でお見合いをする為に護衛を引き連れて向かう事になりました。
私は背はそこまで大きくないですが、胸は他の方より大分大きく男性が好きそうな体だと思っています。
お見合い当日、私はあまりの喜びに我を失い──
粗相をしてしまいました。
そして、お見合いは中止になりました。
そして、現在本国に帰っている途中でしたが、帰りに大量の魔物──オークに襲われてしまいます。
オークと言えばゴブリン同様──女の子を犯して、子供を孕ませる魔物です。
既に護衛は戦闘不能状態です。
私はこのまま醜い豚顔の魔物の慰み者になってしまうと思うと涙が溢れてきます。
私の夢は愛する夫に毎日蹂躙される事です。
もう滅茶苦茶にしてほしいですッ!
でも、最後が魔物に蹂躙されるなんてあんまりです……。
誰か……。
誰か助けて下さい──
私の事好きにして良いですからッ!!!!
◆
……なるほど。助けるのは構わないが──
まさか『鑑定』に情報を寄越せと言ったら、こんな結果が出ようとは……。
仲間には絶対欲しくねぇな。ロッテは俺の経験上、危険な臭いがぷんぷんする。『慈愛の誓い』のメンバーであるミゼリーと同じタイプだ。
ロッテは危険人物指定しよう。
何で俺には普通の女性が寄ってこねぇんだ?
普通が良いんだが!?
神様まで俺をそっちの方向に仕向けている気がするのだが?
ピコンッ
『お前の女難の相は呪いレベルだからな』
最悪じゃん……。
というか、お前──万能過ぎんだろ……確かに令嬢の情報をくれとは言ったが──
これ今のロッテの心情そのまんまじゃね?
ピコンッ
『ふっ、これぐらい容易い。早くテンプレのフラグ回収してこい』
ドヤ顔だな。
ピコンッ
『テンプレ♪ テンプレ♪』
さっきから、テンプレって何だよ?!
ピコンッ
『お約束みたいなものです。今回みたいに襲われているのをピンチから助けるのはマイの世界の物語でよくあります』
ふむ、つまり……マイの故郷は襲われたい願望の奴らが多いというわけか。
出来れば俺と代わってやりたいぜ……。
ピコンッ
『誰も犯される事なんか言ってねぇよッ! ちゃんと読めッ! ピンチから助けるって書いてるだろッ! お前みたいな奴が多いわけねぇだろッ!』
俺だって別に襲われたくて襲われてるわけじゃねぇよッ!
そんなやり取りをしながらも向かっていると襲われているロッテが見えてきた。
確かに──
おっぱい超デカいな……顔ぐらいあるんじゃないか?
護衛は既に倒れている。
敵はオークだが多いな……。まぁ、俺達なら普通に倒せるだろう。
問題があるとすれば俺が間に合わない事ぐらいだな。
「エル兄、私が行くよ?」
「おぅ、任せた」
俺は間に合わないが、ティナならば問題ない。
俺に合わせて走っていたティナは速度を一気に上げて助けに向かう──
後は、俺が到着するまで爆乳令嬢が傷物にならないようにサポートぐらいはするか。
俺は『幻影魔法』で令嬢を見えなくする──
その間にティナはあっという間にロッテの周りにいるオークの首を刈り取っていく──
◆
もう駄目だと思った時──
変化が訪れます。
オークが私を見失ったのです。
その直後に次々とオークの首が刎ね飛ばされていきます。
「大丈夫か?」
後ろから声がしたので振り向くと可愛い男の子がいました。
でも、その子の後ろにオークが迫ります──
「危ないッ──」
「知ってる」
「──!?」
私は咄嗟に声を上げますが、気が付けばオークは真っ二つになっていました。
オークはこんな小さな男の子が簡単に真っ二つに出来る魔物ではありません。
なにより、一切振り向かずに攻撃を避けて倒してしまった事に驚きます。
「エルク様ッ! ご令嬢をお願いしますッ! 私達は殲滅します──」
胸に奴隷紋が刻まれた女性がそう言います。
「あぁ、任せた。令嬢は俺が守る」
私の王子様はエルクという名前なんですね。
エルクといえば──
確か、昔話に出てくる英雄の名前ですね。
英雄のように大きく育ってほしいと子供にその名を付ける親が多いと聞きます。
この子の親もきっとそうなのでしょう。
エルクさん──いえ、エル君は黒い髪の毛なびかせながら、鋭い目付きでオークを斬り伏せていきます。
凄く強い……オークが敵になっていません。
ここまで強いと最強パーティと名高い『慈愛の誓い』の影の実力者である『先見』のエルク様を思い浮かべてしまいます。
でも、噂じゃ死んだって聞いたはず……それにエル君の髪の毛は紅くない。
なにより『慈愛の誓い』には奴隷はいないはず。
普通に考えれば別人のはずですが、一度エルドラン王国主催のパーティでお見かけした姿と似ている気がします……。
私のドストライクだったので印象に残っているから間違いはないと思うのですが……。
そんな事を思っていると、オークは全滅していました。
とりあえず、今はオークに犯されずに済む事を喜ばないと。
「2人ともご苦労さん。そのまま怪我人の手当てをしてくれ」
「「はいッ!」」
エル君は女性2人に指示を出します。
なんか男の子が背伸びしてる感じが萌えますッ!
「さて──見たところ、貴族の令嬢のようだな。怪我はないか?」
「あ、はい、ありがとうございますぅ────」
「うおッ?!」
私はエル君に抱きついてお礼を言います。
本当にエル君可愛いなぁ……『先見』のエルク様は高嶺の花でしたが、この子なら私の婚約者になってくれませんかね?
今も私の胸に埋もれて気持ちよさそうにしていますし、ワンチャンあるかも?!
あぁ、エル君に滅茶苦茶にされたい──
あ、そうだ。助けてもらったお礼に私の体を差し出せば既成事実も作れるし、エル君も喜ぶからいいかも?
私はエル君に提案します──
「お礼を──」
「いらん」
エル君は片方のおっぱいを掴んで持ち上げ、顔を出して断ってきました。
お礼がいらないなんて慎ましい所も好印象ですッ!
私も諦めませんよッ!
「いえ、助けてもらったのにお礼もしないなんて貴族の沽券に関わります」
「だから、いらんて」
今度はおっぱいを両方を掴み上げて、断られます。
むむ、エル君そんな事言いながら揉んでるじゃないですか♡
テクニシャンですね〜♡
ベットで千切れるぐるい揉んでほしい──
「今は渡せる物がないので──」
「いや、だからいらんってッ!」
んんッ、んはッ……その強く揉みしだく感じ……最高…ッ、です……。
負けませんよ♡
「──私の体でどうしょう? このおっぱいでサービスもしちゃいます♡」
「話聞けよッ!!!!」
「アッ、アアッ、あぁん…ンン、んふぅ〜もっと……────」
エル君……凄い……おっぱいだけで私を逝かせるなんて──
私の意識はそこで途絶えた──
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