第21話

 マイの射殺すかのような視線に俺の頬は引き攣るが、今はそれどころじゃない。


 おそらく、このおっぱいを強調した服を着ているエロい姉ちゃんが【鮮血】のレイラだろう。


 涎を垂らした笑顔で出迎えてくれている。とても怖い……。


「私は『円卓の闇騎士ブラックナイトラウンズ』のレイラです」


 キリッとした表情で自己紹介をしてきた。


「俺はエルクだ」


 とりあえず、俺も名乗る事にした。


「さぁ、もう夕飯時です。積もるお話は食事をしてからにしましょう♪」


 そして、食事をする事になった。



 全員がテーブルに座って食事を開始する。



 子供達もいるから、いきなり戦闘にはならないだろう。


 だって──



 このレイラが男の子を見ている目はなんかヤバい。



 おそらくショタコンというやつだろう……男の子を愛でるのに必死だ。



 とりあえず、ここは最近バグってる『鑑定』で情報を探るべきだろう。きっと何か教えてくれると信じたい。



 よし、行くぞ〜『鑑定』──



 名前:レイラ


【絆】にて最近『円卓の闇騎士ブラックナイトラウンズ』になった実力者。戦い終わると辺り一面が血の海になっている事から【鮮血】と呼ばれている。

 特筆するべきは『』と呼ばれる亜人で、種族特性は。魔力が尽きない限り、死ぬ事は無い。血を飲む事で中に含まれる魔力を吸収する事が出来る。

 吸血鬼は本来であれば太陽の下で生きる事は出来ない。しかし、レイラは人と吸血鬼のの為、太陽を克服している。種族特性も純血種よりも低いが、加護【再生】により純血種と変わらない効果を発揮する。

 今回の騒動は彼女がである事から起こっている。



 ……うわぁ……これ最悪じゃん……ハーフだから一瞬、種族特性はそんなに発揮されないと思ったけど、加護のせいで純血種より厄介じゃないか……。


 強い上に不死身とか勘弁してくれ……。


 しかも今回の事件ってショタをこじらせて起こったのか?


 意味がわからねぇよッ!



 ……続きがまだあるのか……なんかインタビューとか書いてあるぞ?





 レイラの心の中をインタビューしてみました!


『少年最高ッ! 【絆】に引き抜かれないような少年達を確保してるから問題ないよね!? もうすぐ私の念願の少年ハーレムが叶うと思うとゾクゾクするわぁ。し・か・も──蜃気楼が私のドストライク過ぎる♡ この少年から青年になりかけの感じが萌える♡ どうせ、蜃気楼がここにいる以上は組織にバレてるだろうし、お持ち帰りして逃亡しよっと♪ 手足ぶった斬ったら抵抗されないでしょ♡ うふふ、どんな声で鳴いてくれるのかしら? 毎晩寝かせないわよぉ〜♡』




 …………うわぁ……ドン引きだよ……少年ハーレムって……犯罪に走った本物のショタがいる……。


 しかも──俺ターゲットにされてるじゃん……この事実は知りたくなかった……冷や汗が止まらねぇよ……。


 とりあえず、拐われた子供達はこいつがどこかに集めているのは予想がつく。おそらく無事だろう……たぶん。


 問題なのは戦闘を避けられない事だ。なんか手足ぶった斬るとか書いてるし、恐怖しかねぇ……。


 マイと2人で勝てるか正直わからんな……って、まだ『鑑定』の続きあるのか?



 追伸:この食事には強力なが入っています。



 俺はその表示を見て、バッとマイを見ると既に


 情報がおせぇよッ!!!! こういうのはもっと早く教えてくれねぇかな!?


 俺1人で戦えってか!? 無理無理、絶対負けるってッ!!!!




 ピコンッ


 追記:『慈愛の誓い』のメンバーが2人接近中。接敵まで約2時間。早く、レイラの躾をしないと手遅れだよ♪


 うおォォォォいッ! 何サラッと煽りながら爆弾落としてくれてるんですかねぇッ!?


 マジかよ!? 悠長にしてる暇ないじゃん!?


 いや、これはチャンスか?


 あいつらなら確実に勝てるだろう──


 いや、ダメだ。もし仮にレイラを倒しても逃げれる気がしないッ!


 やはり、レイラ達をさっさと捕縛して街からさっさと去らねばッ!




 周りを見渡すと──



 俺、レイラ、シスター以外は全員が寝ていた。


 ……強力な睡眠薬だな。効果は抜群だ……。


 しれっと、シスターは子供達を部屋へ運んでいる。



 そして、レイラは俺に話しかけて来る──


「さて、これでお話が出来ますね?」


 笑顔が怖いな……。


「そう、だな……睡眠薬か……」

「えぇ、出来れば貴方も寝ていてくれたら助かったのですが」


 俺が弱い事はバレていない。ここはハッタリが1番だろう。弱気な所は見せてはダメだ。


「俺にこんな手は通じない。組織には既にバレている。大人しく捕まれば──罰則無しにするように俺が手配するが、どうだ?」


 ここはもう自首を促すしかないな……。


「お断──「更にだ」──り? 更に? 何かおまけがついてくるとか?」


 その通り。神様が俺に渡した祝福ログインボーナスはこの時の為にあったはずだ。


「そうだ。今ならこのがついてくるぞッ!」


 俺はドヤ顔でテーブルいっぱいにお菓子を並べる。


 どうだ!?


「……いらない」


 な、なんだと!? 馬鹿な!?


「まだ足りないとなッ! 強欲な奴め。──ほれ、まだあるぞ!?」


「……いらない」


 ……神さんよぉ……お菓子は本当にハズレなんだな……実は交渉用で用意してくれたと思って作戦に練り込んだのに……。


「遠慮するなッ!」


 俺はしつこくお菓子を勧めてみる。


「どうせなら──を食べたいわね♪ 遅いわ♪ ほらぁ〜動くから怪我したじゃない?」


「──ちッ」


 俺はレイラがナイフを振り抜く姿が見えたので回避しようとするが、


 俺はそのまま戦闘態勢を取る──



 はぁ……ため息しか出ねぇよ。


 戦闘になっちまったじゃねぇか……しかも避けきれないとはな……エリクサーが1番の当たりなのも頷ける。


 ぶっちゃけこれの相手とか無理だろ……。


 まぁ、とは思ってたけどな……これも作戦の内だ。



 予想外なのはマイが戦力外という事ぐらいだな……。



 こうなったら──



 どこまで通用するかわかんねぇけど、俺の苦し紛れに考えたを見せてやるよッ!



 それに最悪は『幻影魔法』と『分身』で2時間粘ればこいつに蹂躙される事はないだろうしなッ!



 出来れば、腕輪をこいつらに嵌めて早く街から去りてぇな……。

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