第31話

 お昼前には、温泉旅館の最寄り駅に列車が到着、ホームを見ると千晴さんと目があい、満面の笑みで手を振ってくれている。


 千晴さんの今日の服装は、薄いグリーンのキュロットに、キャメル色のポロシャツ、靴は、ポロシャツと同じ色のデッキシューズ、髪はいつものポニーテール、モデルのようにスリムな体型だけど、おっぱいはポロシャツの胸を押し上げ、ウェストはキュッと締り、ヒップは小ぶりながら上を向いている。


 きっと、筋トレでさらにプロポーションアップしているんだなと思うと、主に下半身がムラムラしてしまう。


 列車から降り、手をつないで改札を出て、いつもの駐車場に行き車に乗り込むと、さっそく抱き合い、唇を重ね、一息ついたところで、千晴さんは、

「逢いたかったよ。去年なら7月から来てくれたのに、今年は卒論準備で遅くなるということで、指折り数えて待っていたからね。卒論の準備は順調にいったの?」


「おかげ様で、市役所、観光協会に取材し情報収集できたよ。この前までは、人口減少と高齢化について卒論にしよう思ってたけど、あまりに範囲が広すぎるので、ちょっと観光業に絞って、観光業による地域経済の活性化について、書こうと思っているよ。」


「うん。勇樹は自ら観光業に携わっているから、書きやすいかもね。それに、私や両親からも、ちょっとはアドバイスできるかも。その時は言ってね。」


「うん、ありがとう。アルバイトした内容しか知らないし、観光業といっても、いろんな分野があるから、お願いするよ。」


 それから、私たちは千晴さんの運転で、デートの際はいつも利用している、中華料理店に向かった。

 ちなみに、GWのアルバイトが終わってから、千晴さんとは、5月に1回、6月に2回、7月に2回デートしたが、千晴さんの希望で、5月の1回、6月の1回と7月の1回は生理前の、中に出しても大丈夫な日となった。


 そして、嬉しかったのは、5月のデートの時、私が預かっていた千晴さんの下着を、 ジッパーバックごとお返しすると、愛し合った後には、下着を再び私に託してくれたこと。

 ちなみに、私は下着を入れたジッパーバックを保冷剤入のさらに大きなジッパーバックに入れ厳重に管理している。


 千晴さんにお借りした下着も、お返しした下着も保冷剤で冷やして、香りが外に漏れないよう対策をしているのだ。

 千晴さんは、それを見て目を丸くしていたけど、

「やっぱり、勇樹って慎重な性格なのね」

 と、変に感心していた。


 また、動画もあれから、週に1回くらいやりとりしていて、私も千晴さんも演出というか、テクニックが向上していて、もうAV顔負けの出来になったと自負している。


 中華料理店では、私は暑いのに、広東麺と餃子のセットで、最近筋トレの強度も上がり、大食いになったので、広東麺は大盛りにしてもらった。

 千晴さんは、さすがに餡掛けは熱すぎると思ったのか、チャーシュー麺と半チャーハンのセットだ。


「ねえ、私も大盛り注文したら、チャーシュー麺食べるの手伝ってくれる?」

 と聞いてきた。

「うん、最近ものすごく食べるから、楽勝だと思うよ。」

 ということで、千晴さんがチャーシュー麺大盛りを注文し、お裾分けを、してもらえることになった。


 無事完食すると、中華料理店のお姉さんが、いつものように微笑みながら、食器を下げ杏仁豆腐と、コーヒーを持ってきてくれた。


 その後、中華料理店を出て、温泉旅館に向かうことになるが、中華料理店の駐車場で、千晴さんは、

「勇樹、車運転してみる?」

 と聞いてくる。


 私は、夏休みが始まって実家に帰ってから、母の車を借りて市役所や観光協会に行ったから、初心者ながら、都市部での運転もできるつもりだ。

「うん、何度も千晴さんと一緒に車に乗った道だから、大丈夫だと思うよ」

 と言って、私が運転席に乗り込み車を出した。


 千晴さんは、すぐに、私の肩に頭を乗せてきた。

 運転の緊張と、千晴さんの頭の感触に、ドキドキしっぱなしで、かなり慎重に運転したけど、市内を出て郊外の広い道に出る頃には、緊張感がほぐれ運転にも慣れてきた。


 千晴さんの車は、ホンダの軽自動車で、とてもフロントガラスが広く視界良好、

 ちょっと上から見下ろす感じがして運転しやすい。

 私の母の車は、全体的に狭く出来ていて、ちょっと昔の軽自動車という感じだったので、最初のうちは違和感を感じたけど、千晴さんの車の方が運転が楽だ。


 郊外の道を運転していくと、千晴さんが、

「旅館に着くまで、ちょっとだけ時間に余裕があるから、どこかゆっくりできる所に、行きたいなぁ。でも、ホテルいくほど時間はないけど、、、」

 とつぶやいた。


 この時の私は、車の中でいいから、どこかゆっくりできる場所のことを、

 言ってるんだなと閃いた。

「千晴さん、ゆっくりできる場所を教えてくれますか?」

 と聞くと、

「それじゃ、道案内するね」

 と答えてくれた。

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