第20話

 春休み中、自動車教習所に通い、無事車の免許を取得し、両親はいらないと言ったけど、教習所の料金30万円の半分を、将来のバイトから出すことにした。


 千晴さんとは、3月に2回デートし、例の中華料理店に行きランチを食べ、その後愛し合った。

 3月中旬に会った時は、妊娠しやすい日ということで、しっかりコンドームを付け、下旬は、生理前の安全日ということで、中に射精させてもらった。

 ちなみに、2月28日に会った時3回射精したので、それ以降のデートは、暗黙の了解で3回射精するまで、二人とも頑張ることになった。


 4月に三年生になり、千晴さんからメールで、ゴールデンウィークのバイトについて依頼があり、快諾すると、ご両親は、私がバイトに来た時事情聴取を考えているとのこと。


 私にはちょっとした考えがあり、千晴さんには、

「きちんとご挨拶し、二人の交際を認めてもらいます」

 とメールを返した。


 今年のゴールデンウィークは、平日2日休みをとると、4月29日から5月8日まで、 10連休になるせいか、4月初旬の段階でほぼ満室とのこと。


 私は4月28日の夕方、駅まで千晴さんに迎えにきてもらい、5月8日の午前中駅に送って、もらうことになった。


 4月28日、駅に到着すると、千晴さんがホームで手を振って出迎えてくれた。

 改札を出て車に乗り込むと、恒例のハグとキス、

「もう、今日から旅館混んじゃってゆっくりできないの、ごめんね。」

 申し訳なさそうに言うと、

「千晴さんとゆっくりできないのは残念だけど、それはいいことだと思います。」

 と答え、さっそく千晴さんは車を出した。


 車中では互いに近況報告したけど、毎日メールで報告した内容なので、特に驚きはない。

 千晴さんが手を伸ばしてきて、私が指をからめ恋人つなぎをする。


「はぁ」

 と、千晴さんはため息をつき、

「合間をみて、家の部屋に遊びに来てね」

 と言ってくれた。


 旅館に到着し、裏口から入り、従業員休憩室兼食堂に行くと、案の定誰もいない。

 ちょうどお客様夕食の準備になっており、ものすごく忙しいためだ。


 私もさっそく着替え、食事に入られたお客様の部屋で布団を敷きを行い、従業員に会うと、

「また、お世話になります」

 と挨拶をすると、皆さん笑顔で、

「また、よろしく」

 と言ってくれたが、チーフからは、

「千晴ちゃん待ってたわよ」

 と意味深笑顔で冷やかされた。


 布団敷きが終わり、お客様の宴会が終わるまでは小休憩となり、従業員休憩室兼食堂で、出されたおにぎりを頬張っていた。


 お客様の夕食が終わった順に食器を厨房の洗口に持って行き、テーブルを拭く。

 一番遅いお客様でも夜9時には、宴会終了となるので、9時半頃には業務終了だ。


 入浴は、お風呂掃除による浴場の使用中止が、午前10時から12時になっていて、 午前10時ジャストになると、従業員が入浴し、11時頃から掃除を行う。


 5月2日は、祝日ではないので、お客様のチェックインは遅くなる傾向があり、 部屋の掃除やお風呂掃除が終わると、夕方の布団敷きまで時間が空くので休憩となる。


 千晴さんも、チェックアウトしたお客様が、お土産を購入されるのが一段落する10時過ぎから、やはり夕方まで空き時間になる。


 千晴さんからメールがあり、

「二人で脱出しましょう。お昼ごはんになったら教えてね。」

 とのこと。


 12時ちょうどにお昼ごはんを食べるため、従業員休憩室兼食堂に向かい、メールを打つと、すぐ返信が来た。

「12時30分に、家の車庫前に来てね。」


 私は、15分でご飯を食べ、チーフに、

「休憩入りまーす」

 と言い自室に入ると、作務衣を脱ぎ、いつものベージュのチノパンに、ブルーの長袖シャツ、すごくベーシックだと思う。


 12時30分きっかりに、千晴さんの自宅車庫前に行くと、千晴さんが車を出したばかりの、ようで、素早く乗り込んだ。

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