第16話

 今日、2月28日は千晴さんとデート、電車から降りると、かなり寒く、私が住んでいる海側と、旅館のある山側では、気温にけっこう差があるらしい。


 午前9時頃駅に列車が駅に入ると、千晴さんが大きく手を振っているのが、電車の窓かれ見え、ホームに降りると、

「もう、久しぶり。愛してるよ、ダーリン」

 と笑顔で言い、私も、

「千晴さん、私の大事な奥様、お待たせしました」

 と、執事ばりに応答し礼をした。


 その時の千晴さんは、グリーンのマフラーに、ワインレッドのダッフルコート、ベージュのスカート、黒のロングブーツといった服装で、自分のマフラーを取り、私の首に巻いてくれた。


 彫りが深く、笑顔が眩しい表情、加えてモデルのようなスタイルなので、電車から降りホームを歩いていく人達が、千晴さんのことを見ていく、そんな女性を彼女にできは私は、ちょっと誇らしい気分になった。


 千晴さんと手をつなぎ改札を出ると、いつもの駐車場に行き、車に乗り込む。 すかさず、千晴さんからキスがあり、私も応えながら抱き締め、

「逢いたかったよ。いつも千晴さんのこと考えてた。」

 と言うと、

「私も、いつも勇樹さんのこと思ってたよ。今日はいっぱい楽しもうね」

 と言った。


 そして、私は、既にメールで千晴さんに伝えているけど、改めて、

「私の両親からは、千晴さんのご両親と同じようなことを言われたけど、私の考え、変わらない。千晴さんと結婚し、二人で旅館を経営し、できればもっと繁盛させたい。」

 と言った。


 千晴さんは、

「ありがとう。とっても嬉しい。私も勇樹さんの妻として、将来の女将として頑張ります。」

 と言い、再び抱きつきキスをしてきた。


 その後、車を出しきょうの予定を千晴さんが話し始めた。

「ちょっと身体を動かしたい気分なので、ボーリングをします。異議ありますか?」

 と、茶目っ気たっぷりに聞いてきた。


 「私も同じ思いです。実は10月から、アルバイトで身体を動かしてきたせいか、身体を動かしたくなって、体育館で筋トレしてます。その威力を見せてあげよう」

 と、やはり茶目っ気を入れ答えた。


 車はボーリング場に入り、シューズを借り、ボーリングを始めた。 

私は、筋トレやっていると言った手前、見栄をはりちょっと重い玉を借りたが、ほとどやったことがないので、ガターと言うそうだが、ほとんどのボールが脇に逸れまくり、スコアはさんざんだ。


 ゲームの途中だったけど、千晴さんは、

「あれ、勇樹君、ボーリングやったことないの?」

 と聞いてくる。

「うん、まだ今日で3回目、さっぱりだよ」

 と、ショボーンとした感じで言った。


千晴さんは、

「ガターが多いということは、ボールに変な回転がかかっていると思う。たぶん、ころがす時に、手首を変にねじってるんじゃない?」

私は、

「そうかもね。誰にも教えてもらったこともないし。自己流だから」

と言うと、千晴さんは、

「ボールを転がす時は、握手をするように手を差し出すと、いいんだよ」

と言い、自らボールの転がした方を実演してくれた。


 どうも、今まで自分は手を無意識に回転させ投げていたらしい。

 私は、千晴さんに教わったボールの転がし方でやってみると、ガターにならずボールは、滑るようにピンに向かい、残念ながらストライクにならなかったけど、8本ほど倒れた。


 千晴さんと私がストライクをとると、ハイタッチを交わしつつ、2ゲームやって、 2ゲーム目でも、さすがに千晴さんに勝てなかったけど、過去最高のスコアで、ボーリングを終了した。


 ボーリングの後は、少し汗をかいたので、施設内のお風呂に入いった後、昼食を食べることにし、車で千晴さんお勧めのお店に向かった。

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