アーズマキヨウのマオウ

も-もし。ちゃんと聞こえて-ますか。

すこし聞こえづらい?

ごめんね。今日はちょっと、聞こえ-らいかもしれない。

我慢してくれるとうれしいな。私-頑張るからさ。


魔王との戦いはどうだった?魔王は強かった?

無事に勝てた?

強かったけど、キミもドラゴンさんも無事な-だ。

ほら、約束したとおりでしょ。二人とも無事だって。


ドラゴンさんにはちゃんと気持ち伝えたみた-だね。

なん-って。キミとドラゴンさんを見ればすぐに分かったよ。

え?うーんと。もしかしてまだ気づいてな-の?

いや、なんでもないよ。

たまたまアーズマキヨウの近くにいた-ら、キミたちの戦い-見てたの。

納得した?…。ほんとうに納得したんだ。


-のね、最初に言っておくね。

やっぱり私は長い冒険に出るこ-にしたから、キミとの思念話も今日-さいご。

寂しいって。

ほんとうに寂しいのは私なんだよ。


キミはどうするの?

魔王も倒し-んだし、目的は達成し-わけでしょ。

まだ決めてな-か。それもそうだ-ね。魔王を倒したばっかりなわけだし。

でもやっぱりさ。

ドラゴンさんといつま-も幸せに暮らしましたとさ。ちゃんちゃん。だよね。

うん。私はそうなると思って-よ。

だって世界-ために戦った勇者のキミにバッドエンドは似合わ-いよ。

それにキミがハッピーエンドで終わらな-と私が報われないの。


今日がさいごになるから。私もキミみたい-に私の気持ちを伝え-おこうと思うの。

一回し-言わないからよく聞いてね。


私はキミの-とが、キミが--だったよ。


え?よく聞こ-なかった?嘘だよね…?

う-じゃない?ほんと-に聞こえなった?

勇気だしてもこれか。私って、私の運命って--だよ。ほんと-に。泣きた-なる。

うん?なんでもな-よ。な-でもない。

もう一回言ってほしい?そ-はダメ。最初に一回だけって決-たから。

これも運命。そういう、こういうもんなんだよ。

もう一度は言わな-けど、要約-ると、私はキミの幸せを願ってますってこと。


話は戻るけど、キミとドラゴン-んは両想いってことだ-ね?

それってキミたち-夫婦にはなるってことだ-ね?

さすがにそ-がスゴイことって分かって-よね?

だよね、分かるよね。

異種族の者同士-夫婦になるなんてね。

魔王も死ぬし、時代が変わっていく-を、ほんとうに実感するよ。痛いほど。


なに?私の恋も応援し-くれるの?

余計なお世話だよ。ほんとにおせっか-なんだから。

異種族間の恋愛が出来-から、叶わな-恋はない…?

キミのことだから、本気-言ってるだろうけど、そこまでいくと--こくだよ。

私の好きな人?もう。

私を怒らせ-いの。それとも泣か-たい?

私-恋愛は、さいごの恋-もう終わっ-の。だからこの話は終わりにして。


最初の--話のこと、キミは覚えている?

あの-き、私の近況のこと内緒にしたの、覚えて-る?

で、キミが冒険を続け-いれば教えてあげるって言ったから、教-るね。

途中-気付くと思ってたのにキミ-気付かな-から。

それ-も気付かないふり、してく-ていたのかな。

教えるのは一回だけだから、聞き逃しちゃダメだよ。


私はね、私は魔王をしてるの。

悪魔や魔物にとっての良い世界を目指して戦っている。

でも、それも今じゃ全て過去。

ちょうど今、ドラゴンを連れた勇者に倒されたから。

もうそのうち、命も魂も尽きるから。


ちゃんと聞こえ-みたいだね。キミの驚い-顔がこっち見てる。

その様子だと、ほんとう-私の正体に気付い-なかったんだね。

鈍感だね、やっ-り。

私が魔王って知って、私のこ-、嫌いになった?幻滅-た?

ね、何-反応し-よ。

首が縦じゃな-て、横-よかっ-よ。あん-んして、冒険にい-るよ。


-ねがい-あ-の。

も-思念を送-ちからも残っ-な-から、-ミが私のこと、--ならね。

わ-しの胸-に--宝玉に--しのこえが残--あ---、聞--欲し-。


バイバイ。

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