第17話 休日の暮らし

2日目の休日、俺は疲れを癒すために、熟睡した。

とはいえ、流石に寝過ぎは体に悪いので、12時ごろには起きた。


「うぅぅ、ふぅ〜、よく寝た」


寝ぼけて、視界がぼやける、とりあえず、洗面台で顔を洗おう。

顔を洗い終わり、俺はソファに深く腰掛け、ぼーとする。

特にすることもなく、1時間ほど、その場から動こかなった。


「よし、散歩でもするか…よいしょっと」


ゆっくりと立ち上がり、着替える準備を始めた。

運動しやすい服に着替えて、外に出る。


「それにしてもいい天気だな…」


空を見上げると雲ひとつない快晴で、とても気持ちがいい。

しばらく、色々なところを散歩しているとやはり、剣術の訓練や魔術の訓練など、いろんな人がいた。

やはり、クラス対抗剣術勝負の影響だろうか?やけに剣を持っている生徒が多い気がする。


うん?あれは…先生?しかもうちのクラスの担当じゃないか、確か名前は……あれ?なんだっけ?

俺は公園のベンチに座る先生を見つけた。

どうやら、何かを見つめているらしい。

何を見ているのだろうか?

あっ!思い出した、思い出した、確か名前は近藤柳(こんどうりゅう)、近藤先生だ!

なんで忘れていたんだろう、不思議だ、俺が名前を忘れるなんて…


俺は近藤先生が見つめている方向に視線移すと、そこには麻那がいるではないですか。

あれは…麻那か、へぇ〜あいつも自主練しているんだな、すげぇ〜。

てか、近藤先生、生徒はダメですって、犯罪ですよ。


まぁけど、生徒と先生の禁断の恋はなかなかロマンがある、近藤先生、俺!応援してます!!

俺は何も見なかったことにして、その場を去った。

しばらく、歩いて、もう一つの公園のベンチに座った。


「ふぅ〜つかれた…」


天気もいいからか、調子がいい、気分がいい。

しばらく、日向ごっこをしていると、あることを思い出す。


「そういえば、この一枚の紙…」


俺は上着のポケットから一枚の紙を取り出した。

麻那からもらった紙、これには重要なことが書かれている。


「なるほどね、これは勝てないかもな」


この紙にはAクラスが出場するメンバー総勢10名が書かれている。

戦うかはわからないが、出場するメンバーが知ることができるのはすごくでかい。

そして麻那はしっかりと要注意の生徒も書き出してくれていた。


天道歳三(てんどうさいぞう)

柊結奈(ひいらぎゆな)

ゾーラ・アルデヒド

フィナ・アルマス


の4名が要注意らしい。


おそらく、麻那に匹敵する力を持っている。

流石に勝てないかもな、だってこいつら全員評価Sをもらっているだろう。

いやいや、ここまで格差があるもんなのか。

正直、予想以上にAクラスは異常だ。


「どうしたものか〜〜」


CクラスにS評価の生徒を相手にできる者はいない。

俺も流石に無理かな〜〜てか無理だ。

だが上手に負けることはできる。

それに麻那が気を付けてと言っていたし、相当な問題のある生徒なんだろう。

とはいえ、Cクラス内で発言力はないしな〜〜。


「まだ時間はあるし、そん時に考えるかな…それに…」


フィナ・アルマス…やっぱり、同級生だったか。

嫌な予感はしていたけど、やっぱり見間違いではなかった。

これは相当、厳しい戦いになりそうだな。

気づけば、太陽は沈みだし、夕方を迎えていた。


「そろそろ、帰るか…」


俺はそのまま寮に戻った。




星波麻那


私にとって剣とは心を写す刃である。

剣は私にとっての全てであり、この剣は人々のために振るわれるべきである。

だから、私はただ力のあるものが弱きものを痛めつける存在が許せない。


今のAクラスはひどいものだ。

天道歳三、柊結奈、ゾーラ・アルデヒド、この3人は弱きものを痛めつける問題児、今すぐにでも正したいところだが、あの3人は私の同じS評価受けた者、そう簡単には手を出せない。


唯一、問題を起こさないのがフィナ・アルマスだけだが、彼女は逆に何も関わらない。

決して、何が起きても関わりを持たない。

まぁ、それだけでも正直ありがたい。


とはいえ、あの3人に関しては本当に心配だ、特に6月1日にあるクラス対抗剣術勝負、この行事はクラス同士が団結して戦うトーナメント方式、彼らのことだ、弱者を痛めつけて楽しみだすに決まっている。

私は剣を構える。

迷いしかない剣、今もなお、気持ちが揺らいでいる。


「でりゃぁぁぁぁぁぁ!!」


彼女の前に立つ一本の木の棒を、音も立てず、ゆっくりと切り落とす。


「全然ダメ、こんな剣じゃあ、彼に勝てない…」


私は確かにS評価をもらった、けど私は納得していない、納得できない。

彼が私よりも下だなんて、納得できない。


「そういえば、最近剣王様、見ないな」


たまに剣を見てくれるんだけど、ここ1ヶ月、見にくることがなくなった。

何かあったのでしょうか。


「いいえ、今は今ある課題に向き合うべき」


私は迷いを残したまま引き続き、剣術の鍛錬に励んだ。

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