第14話 再び魔鏡の森へ、レッツ・ゴーー!!

時が過ぎるの早いものだ、気づけば週の最後、金曜日を迎えていた。

全ての授業が終わり、クラス全員がその場に残り、クラス対抗剣術勝負の出場メンバーを決める話し合しを始めた。


「みんな、しっかりといるね、じゃあ、この紙を見てほしい」


渡されたのが、出場するメンバーの一覧だった。

10人出場できる枠から、15人が選出された。

その中にはもちろん、俺と奈々は入っていた、だが…


「俺が入ってない…」

「まぁ、あれよ、ドンマイ!!」

「なんでだ〜〜!!」

「こうなることは予想できただろう、だって、このクラスって結構剣術の評価高い奴多いから」


確かB評価だけでも10人以上いたはずだし、B評価受けたやつはまぁほぼ運で決まる。


「安心しろ、俺は降りるつもりだし、そん時は蓮也に譲ってやるよ」

「はぁ、そんなで出たくないし!!大きなお世話だ!!」

「意地張っちゃって、可愛くないよ」

「うるせぇ!!くそ〜〜〜」


しかし、15人とはなかなか多いな、A評価を受けたやつは強制で出場だろうな。


「ねぇ、伯くんは本当に出ないの?」

「できれば出たくないんだが、あの空気を見てろ」


俺は青山拓とそれを囲むメンバーに指を差す。

キラキラとして空気に、仲間なんだから助け合うのは当たり前、クラスメイトとして一緒に頑張ろう、みたいな空気を巻いている。


「あれは…断るの気まずくない?」

「ああ、正直、あそこには関わりたくない」


それに俺が出ても迷惑なだけだし、ただでさえ、スキルが効かないのに、どうやって勝つんだよ、無理ゲーだぜマジで。

まぁスキルを使わなければいいけど、それだと俺、ほぼ何もできない人間になっちまうんだよな。

いい感じに戦って負ければいいのか?いや、そういうのって大体うまくいかないんだよ。


「まだ、決めてる最中だろうし、出場メンバーに入っていれば、出るよ」

「やった〜!!一緒に頑張ろうね!!」

「いや、まだ出ると決まってないだろう?」

「いやいや、評価Aを受けてる生徒を選ばないわけないじゃん」

「それは、そうかもだけど…」


そして気づけば、終わったよと声が聞こえた。

張り出された紙を見るとまぁ、もちろん、俺の名前が張り出された。

もちろん、奈々もメンバーに入っている。


「お前ら、絶対勝てよな」

「任せておいてよ!!A ,B,Dクラスもみんなボコボコにしてあげる!!」

「自信ありすぎだろう…」


とはいえ、俺らCクラスは正直、平均よりも成績が高い、Bクラスに入っていてもおかしくないレベルだ。

だから、戦いで注意しなければならないのはやはり、Aクラス、そしてその中でも注意しなければならないのはやはり、星波麻那だろう。

風の噂だが、1年生で一番強いと言われている、1番の難敵だ。


「先生から聞いた話だと、トーナメント形式で戦うらしい、最初の対戦相手のクラスは当時にならないとわからないらしいから、出場が決まったメンバーは油断せず、剣術の訓練に励んでほしい」


みんなが輝かしい目で青山拓を見つめる。

あいつも大変そうだ。

こうして出場メンバーは決まり、話し合いは終わった。

そして今日は久しぶりに一人で帰り途中である。

蓮也は用事があると急いで帰り、奈々は先生に呼ばれて「先に帰ってていいよ」と言われたので。


「一人で帰るのも久しぶりか」


しかし、最初はあんなに戸惑っていたのに今ではこの世界に順応しつつある自分が恐ろしい。

けどやはり、心のどこかでこの世界を否定している自分がいる。

とはいえ、本当に謎だらけすぎて、俺もどうしたらいいかわからない。

やることとしたら、何か知っているかもしれない、王の人たちに話を聞いてみるとか、もしくはそれに近い偉い人に話を聞くとか、まぁ今の立場じゃ、絶対に無理だ。

そんな中、目の前に一人、同じ制服を着る女の子が立ちふさがる。


「久しぶりだね、入学式以来かな?」

「麻那?」

「その通り、少し話しない?」


こうして俺と麻那は公園に立ち寄り久しぶりにお話をした。


「今回の行事参加するんだよね?」

「まぁな…」

「でしたら、気おつけてください」

「気を付ける?何を?」

「主に私たちのクラスと戦うときは…」

「なんかあったのか?」

「はい…最近、私達のクラスが大暴れでして、特に注目を浴びている人たちが、それに今年のAクラスは異常なほどに評価が高い人たちが多くて…」


麻那はおもった以上に深刻そうな顔をしている。

それによくみると目の下のクマなど相当疲れているようだ。

これは相当Aクラスが荒れているな。


「もちろん、だからなんですかって感じなんですけどね、いくらすごくても私のいうことは一様ちゃんと聞いてくれますし…一様、、、」


これはAクラスをまとめるのは大変そうだな。


「とにかく、Aクラスと戦う時は気おつけてください、何をするかわからないので」

「ああ、わかった」

「では、私はこれで、久しぶりに話せて楽しかったよ」


そう言って、麻那は去っていった。


「?なんだこれ…」


俺が座っていたベンチのすぐ隣に一枚の紙を見つける。

俺はその紙を拾って書かれている内容を確認する。


「これは…」


なるほど、やはりAクラス最強と噂されることはあるな。

全く、恐ろしいやつだが、俺のことを信用しすぎじゃないか?

だが、クラス対抗剣術勝負、少し楽しみになってきたよ。



そして休日が始まった。

休日の夜、俺は魔鏡の森に訪れていた。

もちろん、魔王化して正体を隠している。


「よし、ここならすぐに見つけ出せそうだ」


ここに来た理由は簡単だ、例のあの子を探すためだ。

スキルが効いた子、何か知っているかもしれない。

本当はもっと早くに確かめに行きたかったけど、課題とかあってなかなか来れなかった。

だがやっと暇になったので来たのだ。


「それにしても本当に広いな」


見渡した限り、木でいっぱいだ、それに魔力の塊もたくさん。

前きたよりも魔物が多い気がするし、出やすい時期でもあるのだろうか。


・・・魔王スキル・覇気・・・


これで弱い魔物なら、近寄ってくることはまずない。

一部、強い魔物がいるが、関わらない限り、襲ってくることもない。


「のんびり待ちますか…」


しばらくすると、一つ、大きな魔力の塊がこちらに近づいてくるのを感じた。


「あれかな?」


するとその大きな魔力の塊は突然、なくなった。


「何をしているのですか?不法侵入様」


後ろから声が聞こえた。


「ずっとお前を待っていたんだよ」

「私を?変態さんですか?」

「おいおい、俺は変態ではないぞ」

「この可憐な可愛い美少女に惚れてしまうのは仕方がないことですが…」

「お前…自意識過剰だろう」

「事実ですよ、で待っていたということは一体何が目的で…」

「話が早くて助かるよ…」

「少し待ちなさい、話を聞く前にまず、私と戦いなさい、勝てば話を聞いてあげます」


どうやら、前のことを根に持っているらしい。

しかし、勝てば話を聞いてくれるのは逆に都合がいい。


「なるほど、じゃあ、ひと勝負行こうか」

「ええ、ボコボコにしてやります」


こうして二人の戦いが突然始まった。

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