第6話 Sランク黒山羊・次回!!主人公がデート!!

俺と謎の女の子との戦いは続いた。


「やばいな…」


いくら隙をついても、反応してくる、反射神経、それに気配の無さ、苦手だ。

唯一、幸いな事に彼女にはスキルが効く事がわかった。

もし、スキルが効かなかった、もう死んでいるかもしれない。

とはいえ、彼女の隙を突くどころか、逆に俺が追い込まれている気がする。


「その程度ですか?」

「こいつ…」


しかも一々煽るような言葉を、、わざとなのか?ちっ、、イライラするぜ。


「まだまだこれからですよ?」


また俺の背後を突いた。


「そうくると思ったよ!!」


・・・魔王専用剣術スキル・覇王斬・・・

後ろに思いっきり斬撃を繰り出した。

しかし、彼女はあっさりと避ける。


「なかなかな威力ですね、しかし、力任せ過ぎますよ」


そして彼女は視線を戻すとそこに彼の姿はなかった。


「?一体どこに、、、」


彼女は周りを見渡す、しかし彼の姿、影すらなかった。

・・・魔王専用魔法・天地反転・・・

地面が大きく揺れる。

彼女はすぐに下を向くと、何かを察したのか、空に向かってジャンプする。

地震が治ると、地面から得体の知れない魔物が姿を現す。


「これは…まさか、、、」


暗闇の中で圧倒的魔力を放つ、Sランクの魔物・・・


「黒山羊…なるほど、なかなか度胸があるではないですか」


彼女はある方向を見る。


「バレたか、、」


俺が今回使用した魔法は魔王専用魔法・天地反転。

とても強力な魔法なのだが、なぜこれを使用したのか、それはもちろん、地面に埋まっているある魔物を起こすためだ。

このままでは戦い長期化し、負けると思った俺は、下に眠る大きな魔力の塊を起こす判断をした。

しかし、どうやって起こすか?そこで俺はこの地全体を少しだけずらすことで衝撃を与え、起こす。

そして結果、しっかりと起きたってわけだ。


「驚きました、まさか、こんなだいそれた魔術を使えるなんて」


さっきの攻撃はおそらく、フェイクだったのでしょう、全てはあの魔物を起こすための誘導、ですか…

そして私は今彼を認識できますが…

彼女は魔物の方向を向く。


「どうやら、標的は私のようですね…、いいでしょう、今回は私の負けのようですね、侵入者さま、次お会いしたときにはしっかりと捕まえた差し上げましょう」


そう言って魔物の方に向かう彼女であった。

その頃彼は…


「助かった…やっぱり、魔王化してると、使えるスキルにも制限がかかってなかなかキツかったぜ」


魔王化すると本来使えるスキルがほとんど使えず、基本スキルと魔王専用スキルしか使えなくなる。

まぁ、一部例外はあるにはあるが、それでもやはり不便だ。

それにきっと俺にも問題がある。

慣れてない魔王化のせいで、性能面と技量が合っていない。


「もう少し、特訓が必要だな」


それにしても彼女は一体何者だったんだろうか、スキルは一様効いていたから、魔物なのだろうか?

しかし、見た目は完全に人だった。

スキルが効く人間と効かない人間、何か違いでもあるのだろうか?

わからん…まぁ、考えてもしょうがないか。


「帰ろう…」


そういえば、あの地面に埋まっていた魔物ってなんだったんだろう?魔力はすごく大きかったけど、まぁっいいか、どうせ、彼女が倒しちゃうでしょう。

そう思いながら、家に帰った。


「家だ〜〜〜〜」


俺はすぐに魔王化を解除して、ベットにダイブした。


「幻影解除っと」


久々の戦いだったのか、眠気に襲われる。


「ヤベェ、眠いな…」


なかなかスキルを使う場面などなかったからか、疲れがきたのだろう。

彼はそのままゆっくりと目を閉じた。




謎の女の子


「なかなか、手こずらせますね、たかが獣が…」


瀕死の黒山羊の姿、普通ならこの光景を見たら誰もが驚くだろう。

彼女は空を見上げる。


「もう、朝ですか、早いですね」


こんなにも朝が早くくる感覚を感じたのは何年振りでしょうか。

久しぶりの強敵に少し、熱くなり過ぎた。


「彼とはもう一度会えるでしょうか…」


それにしてもあの姿、魔族でしょうか?それにしては少し優し過ぎた気もしますが、それに最後の魔術、あれは大規模な魔術だった。

きっと最初っから黒山羊を呼び覚ますことが目的だったのでしょう。


「結局、彼の実力を図ることもできませんでした…それに、、、」


彼女にはある疑問が浮かんでした。

それは彼に直面したとき、私の手は震え、冷や汗をかいていた。

こんな経験は初めてだった。


「新たな王の誕生…それそれで少し面白そう…あっいけないいけない、昔の癖で…何かを求めてもいい事なんてないのに、、、」


空を見つめ続ける、その横顔は少し寂しさを感じさせる。

それでも心のどこかでは求めてしまっている。


「帰りましょう、まだ任務も残っていますし…」


残った死体を剣で粉々にして、帰っていった。





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