第5話 魔鏡の森・とりあえず、試し切りだ!!
魔鏡の森、それは魔物達が多く住まう、森だ。
100年前の大地震で発生した次元の穴、それがこの森に多く存在する。
今では魔鏡の森と言われ、一般人は立ち入り禁止させている。
この森には多くの魔物が住んでいるが、それだけではない。
ここにはランクSの魔物が10体存在している、ゆえに魔鏡の森と言われている。
そして俺はそんな森に不法侵入をする。
なぜこういう経緯に至ったのか、それは数日遡る。
ごく普通に蓮也と神白奈々と学園で過ごしていると、蓮也が気になる発言をした。
「そういえば、最近、魔鏡の森での事件のニュースが多いよな」
「確かにそうですね・・・」
魔鏡の森ってなに?そんな疑問が浮かんだ。
「もしかしたら、学園側から、部屋の出入りが禁止になったりして」
「それはないと思いますよ、自分の身は自分で守れと言いますし」
「それはそうかも」
ここ3日ぐらい経ち、蓮也と神白奈々はだいぶ仲良くなったらしい、まぁ相変わらず俺に対しての態度は全く別物だが、それより魔鏡の森か・・・あんまりここの周りの環境を調べてなかったな。
魔鏡の森に興味を持った俺は調べてみることにした。
調べていくうちに俺はあることを思いついた。
その結果、魔鏡の森へ行くことになった。
「よし、じゃあ、行くとするかな!!」
・・・隠者スキル・幻影・・・
幻影は幻を作ることができるスキル、自分の部屋にスキルを張って自分がいるように見せる。
これで何かあった時でも大丈夫だろう。
あとは、俺の姿だ、この姿でもし、魔鏡の森でバレたら、終わりだ、だから・・・
「あんまり、使いたくはなかったけど・・・」
俺が異世界で得たスキルはとても便利だが、唯一手に取得できなかったスキルがある、それが
・・・基本スキル・変態・・・
これは基本スキルで誰でも習得可能なのだが、勇者という職柄の影響で習得することができなかった。
だが、俺は魔王戦であるスキルを手に入れている。
・・・魔王スキル・魔王化・・・
かなり物騒な名前をしているが、これを使えば、見た目を魔王にできるというスキル。
今回はこれを使うことにした。
「よし!魔王スキル・魔王化!!」
すると自分の見た目が黒く塗り潰されていく、さっきまで着ていた服がいかにも魔王を感じさせる服装に、顔つきも大きく変わり、声を出すと声はそのままだった。
「おおっ!」
鏡を見るとまるで別人だった。
「なんか…かっこよくないか」
まぁそんなことは気にしないでおこう。
「ではいくぞ!!」
こうして俺は魔鏡の森へ向かった。
・・・基本スキル・飛翔・・・
空を飛んで、魔鏡の森へ向かう。
魔鏡の森へ行く目的、それは自分の持つスキルが魔物に効くのか、それを試すためだ。
学園生活初日の剣術の実技で相手に全くスキルが通じなかった。
もしかしたら、魔物にも効かない可能性がある、それにもし魔物にも効かなかったら、詰みだ。
ただでさえなるべく、人と戦わないようにしているに、魔物にも効かないとなると、俺は一日中、怯えて暮らさなくてはいけなくなる。
正直、学園生活は生きた心地がしなかった。
だって普通に決闘とか申し込んでくるし、あの剣術の実技の一件でなんかかなり俺の噂が立っているらしいし。
「学園長が止めに入るほどの死闘を繰り広げた男」とか、迷惑すぎる!!
正直、人にする今、会いたくない。
てなわけでそんな不安を消すためにも魔物と一戦を交えたい。
と、そんなわけで・・・
「ここが魔鏡の森か…」
おびただしいほどの魔力がうごめいている。
「まさか、これ一個一個が魔物なのか?これはなかなか」
よく見ると馬鹿みたいに魔力が多い魔物も何体かいる。
しかし・・・
「魔力量だけで見るならそこまで強くはなさそうだな」
例えるなら中盤ぐらいに出てくる魔物ぐらいだ。
「よし、じゃああ、あいつにするか」
とりあえず、近くにいる、魔力が比較的小さい、魔物の方に向かった。
「と〜ちゃく!!!」
魔鏡の森の中へ入ると、目の前に魔物がいた。
「グルるるるるるるるうるるるるる」
オオカミのような毛並み、魔力が昂っているのを感じる、どうやら警戒しているようだな。
「それにしても、この魔物・・・どこかで見たことがあるような?」
そう首を傾げていると、突然、襲い掛かる。
俺は空中に飛び、簡単に回避する。
「お、やる気満々だね〜〜」
上を見上げて、いつでも襲い掛かりそうな、瞳を宿す。
「殺気がすごく伝わってくるよ〜さて!試してみますか!!」
俺は地面に足をつく。
「これで、対等だろう?【シャドーソード】」
自分の影から剣を作り出す。
「ぐるるるる」
獣はこちらを餌として睨みつける。
際立つ殺気、しかし、決して攻撃するタイミングを見せたりはしない。
「見た目のわりに頭はいいのかもな・・・けど、さっさと終わらせてやるよ」
これでスキルがきなかったら、飛翔でさっさと逃げよう。
・・・魔王専用剣術スキル・シャドウブレイド・・・
雲が空を覆うと灯りが消え、一気に暗くなる、そしてその瞬間、その暗闇に溶け込み、その魔物の背後をついた。
「終わりだ!!」
その言葉に反応したのか、一瞬で後ろを向き、俺と目線が合う。
すぐさま、反撃に出ようとするが・・・
「後ろを向いた瞬間がお前の敗北だ!!」
一度言ってみたかった!!
あれ?なんか俺、テンション高くないか?
後ろを向き、俺と目線が合おうと、魔物から目線が暗闇に覆われる。
・・・魔王専用反撃スキル・盲目・・・
スキルを発動中に使えるスキル、これはスキル発動中に相手完全に目が合えば、発動する。
一見簡単に見えるが、人間は必ず、周りに目を配るため、なかなか発動しないスキルだ。
そしてそのままシャドウブレイドが直撃する。
魔物は真っ二つに裂かれ、倒れる。
「ふぅ〜効いてよかった」
俺は魔物の死体に近づき、確認すると
「やっぱり、これベオウルフだ、どうしてこんなところにいるんだ?」
ベオウルフ、俺がいた異世界でよくお世話になった魔物の一体。
「うん?」
たくさんの魔力がこっちに向かってくるを感じる。
軽く数えただけで50体いる。
「そういえば、ベオウルフって群れを作る習性がある生き物だっけ・・・」
俺は剣を構える。
「準備運動にはちょうどいいな」
こうして、たくさんのベオウルフとの死闘が始まった。
「ふぅ〜流石に疲れた」
俺の下にはベオウルフの死体が山積みになっていた。
「よくもまぁ、これだけ倒せたものだな」
時間を確認するともう3時を過ぎていた。
「さすがに、朝には帰らないと、何言われるかわからないしな」
するとうっすらと後ろから殺気を感じた。
俺は咄嗟に右を向くと刃が視界に写り、反射的に避ける。
「あっぶな」
俺は大きく、後ろに飛び、相手との距離を空ける。
「避けれるのですね・・・」
銀髪のショートヘアが目に映り、次に服装のメイド服が目に映る。
「なかなか、その、大変良いご趣味していますね?」
「私を馬鹿にしていますか?」
「いや、そんなことは」
全く気付けなかった。
もしもう少し、反応が遅れていたら、死んでいた。
「ここに入るのは不法侵入ですよ」
「それはすいません、知らなかったってことには・・・」
「なりませんよ、大人しく、捕まってください」
「はははっ」
困った、女の子だからって油断したら本当に殺されそう…だって魔力量が今まであった人の中で一番多い、それにさっきから、目では見えているのに気配を感じられない。
相当、戦闘慣れもしているし、どうしたものかな。
冷たい目線もかなり緊張感を持たせてくる。
やばいな、ワクワクしてきたじゃないか。
「できれば、ここは見なかった事に・・・」
「そんなことできるとでも?」
「あ、はい…じゃあ、力づくで倒して、逃げるとしよう」
「きなさい」
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