第11話

「ふぅ............できたぁ」


蒼の部屋から頂いた半袖Tシャツとスカートを着た千里は、自室のリフォームを完成させたのだった。



「お邪魔しまーす」


一昨日、隣の部屋の住人(蒼)のお部屋を視察した彼女は部屋に置かれていたすべての家具をリフトアップし完全に記憶した。そしてその家具の配置の設計図も書き終えたのだった。



その次の日つまり昨日は、千里は家具屋さんを訪ねたのだった。


「いらっしゃいませ」


大変失礼なことに、蒼の敵となり得る女性のことを千里は全面的に嫌っている。

なので、この店員の女性の挨拶にももちろん無視だ。

もし、あーちゃんがこの家具屋に来て女に惚れらるなんて言語道断だもんね。あーちゃんは優しいからその優しさに漬け込んで要らない物を買わされたりするに決まってるもん。(そんなことない)


だから、私以外の女は全員敵だよ。

もちろんあーちゃんの親戚以外ね。

親戚といえば、あーちゃんの血が入ってるなんて羨ましすぎるなぁ。

私にもあーちゃんの何かが欲しい、愛とか愛とか愛とか!もぅ関係なしにあーちゃんと合体しようかなぁ。そうしたらあーちゃんの家系図に私が........

考えただけで、鼻血が出そう。


とりあえずカーテンからカーペットまでリストに書いてあるものと同様のもの買って大きいものは店員さんに尋ねようかなぁ。もちろん男性の人だよ?。


私が惚れられるのは別にいいの、私は絶対に何があってもあーちゃんしか興味ないから。

あと、あーちゃんを守るって決めてから力は付けてきたんだからそこらへんの男に力で負けると思わない。


それからリストに無いものは別のところで、あるものだけここのお店で買うことにした。



「あーちゃんと同じって考えただけでもゾクゾクしそう(ボソボソ).........」


あぁ幸せ..........


「お、お客様?こちらに郵便番号と住所、お電話番号お願いします」


ダメダメ、あーちゃんのお嫁さんとしてしっかりしないと。変な妄想してたら変な人扱いされちゃった。

まぁいっか幸せだったし。


「あ、すいません。ありがとうございます」


ふぅ..........これで取り敢えず少しずつあーちゃんに近づくことができた。

言われた通り、住所とか書いて今日のところはこの店で終わりにした。


⭐︎


「ふぅ............遅くなっちゃったなぁ」


1時を超えた夜遅く、マンションのロビーで1人私は呟いていた。

夜ご飯を食べたり、銀行でお金の整理とかしてきて遅くなってしまった。


まぁいっか、遅くなった方があーちゃんに見つかる確率が下がるし。

あーちゃんはよく夜にコンビにに行ったりするんだけどコレも調査済み、12時を超えたらあーちゃんは外に出ない。

12時になったら怖くてお外でれないのかなぁ.........

そんな怖がりなあーちゃんもとても大好き。


ということで、今の時間はあーちゃんと会う確率は小さい。


(やばい、あーちゃん成分が不足してきて頭がぼんやりする。早く家に帰って昨日収穫したあーちゃんのパンツで癒されよっと)


自分の部屋の扉と横の部屋の扉を見てあーちゃんの横に住んでいるんだと改めて思うと、とても嬉しくなっちゃう。

家も隣同士だったし、結婚だって約束したのに急にあーちゃんが出て行くってなってびっくりしたんだから..........。


けど、今はこうやって隣にあーちゃんが住んでいる。もはや、同棲同然。あーちゃんと二人暮らしだね。

あーちゃんがどこかにいっちゃうなら、マンション一部屋くらい買ってでもついて行くからね。


いつか、照れ屋さんじゃなくなって正直になったあーちゃんと一軒家で幸せに暮らそうね♪


今日もそんなことが起きていると知らずに、


「敵強過ぎるてぇぇぇぇぇ!」

ゲームしていた蒼であった。
























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