第8話
「んでだ...........」
「んふっ.......あーちゃんの部屋の匂い幸せぇ」
こいつ、俺が真剣に話そうとしても頭がいかれたのかめちゃくちゃ幸せそうな顔をしてふわふわしているのだ。全く持ってうざい。最悪だ。
「話し聞いてる?」
「ん?聞いてるよ、私があーちゃんの話を聞きそびれるわけがないでしょ!あーちゃんの言ったこと覚えとかないとムズムズするし.....とうちょぅ(ゴニョゴニョ)」
最後の方何か言ってるか分からなかったがどうせしょうもないことに決まってる。
「あっそぅ.........んでだ、お前は何故ついてきた?」
前も言ったがもしかしたら、、
「もぅ、おっちょこちょいなんだからぁ前も言ったじゃんあーちゃん成分がたらなくなって死にそうになったからだよ?」
ダメだこいつ。やっぱりダメだった。
「よく分からないがお前は地元へ帰れ」
確かに、見た目は可愛いと言ったら可愛い。
文句なんてない。ていうか、俺ごときが言えるような立場じゃないけど?そうだけど、こいつは違う。
話が噛み合わないし、なんて言ったって怖い。
そして俺のここにきた、新しい青春という新しい夢が叶わなくなってしまうからだ。
だから、こいつは要らん。
「それは.......無理かなぁあーちゃんも帰ってくれるってなら帰るよ?結婚報告しに行く?」
「行かない」
「もぅ......どうして帰って欲しいの?もしかして、浮気?!浮気なの?ねぇあーちゃん!」
あんたのその目も怖すぎるんだよ毎回!
俺のことをがっちりと捉えられているようで身震いがおきそうだ。
「そもそも俺はお前と付き合ってもいないし結婚もしてない。てかしたくない」
「うぅ......あーちゃんがツンツンすぎて悲しいよぉ泣」
感情の起伏が大きなやつだ。
本当に話が進まねぇ。。
「てか、なんで俺にそんなにこだわるんだよお前の周りとかかっこいいやついただろ。あの中学の時のサッカー部部長とかかっこよかったじゃん」
サッカー部部長、千里に告白したたくさんの男の1人だ。そしてその中の特にイケメンオブザイケメン。
「そんな人いたっけ?私あーちゃんしか見てなかったから分からないや」
確かにこいつ、告白の場に俺呼びやがって告白するやつの後ろに俺を置き、こいつは告白のするやつ見るふりしてずっと俺のこと見てたからな。
さすがにドン引きしたわサイコパスだろ。
しかも記憶にもないとなったらもう終わりだ。
「けど、お前めっちゃ告白されてたじゃん」
「まぁ、確かにそれはそうだけど。私あーちゃんのこと見てたでしょ?告白の時。だから、あーちゃんに告白されてるのを疑似体験してたの。声はちょっと気持ち悪かったけど、あーちゃんに告白されてるみたいでとても......最高だった」
キモ!?。こいつ俺のことみながらそんなこと思ってたのかよ。最低だな。ますます嫌いになりそうだわ。
ま、まぁええわ。今更だし、もう終わったことにケチつけてたら埒が開かない。とくにこいつのことになると尚更だ。
とりあえず話を変えよう。
「お前、そういえば1年もどうやって俺の隣に住んでたんだ?俺全く気付かなかったし、分からなかったぞ?」
「あぁ.....それはね?」
続く。
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