第5話
俺が何で?とほけぇとしてる間に扉が開いた。
俺は流れるようにさっきまで自分の家だと思いながら住んでいた扉の方に顔を向けた。俺まさか......不法侵入しちゃった???
頭の中では、逮捕、、前科、将来不安定。犯罪者。たくさん出てくる。
そんな中、その人は扉から正体を現し俺に顔を晒したのであった。
「ばれちゃ....しょうがないよねぇ......」
ホラーのようにでてきたそいつは俺の天敵、青山千里だった。
「............」
あまりの予想外な出来事に一瞬言葉が出なかった。
「久しぶりだね、あーちゃん......本物はやっぱりかっこいいなぁ」
「お前......なぜここに、、」
そう俺が言うと、千里は不適な笑みを浮かべた。
「そんなの........ずっっとあーちゃんと私は一緒だからだよ」
「は、はぁ?」
訳がわからない。さすがは千里だ、昔から俺の話はしっかり聞くが噛み合わない。言葉のキャッチボールが出来ないのが多々あった。
「私あーちゃんが一人暮らしするって聞いた時、本当に寂しかったんだよ?あーちゃんと一緒にいないと身体も頭も壊れそうになるの、だからずっと一緒にいたくて..........」
「いたくて?」
すると彼女は赤く染め上げた頬に手を当てた。
「付いてきたの。」
虫唾が走った。
。。。俺、逃げれてねぇぇじゃん?!
こいつついてきてるじゃん!?
え?、この1年やっとあいつから逃げれた!と勘違いしながら過ごしてたってこと?!そう言うこと!?。
「ちょ、ちょっと待て理解ができない」
「うん、いくらでも待つよ知りたいことがあれば何でも聞いて!なんで教えてあげる!」
待ってくれって意味じゃねーよ。
「まず、俺が一人暮らしするってのを誰から?」
「んっ、それはねプリントを先生の机に運んだ時に進路調査書を覗き込んだからだよ?」
俺には分かる。こいつ淡々と犯罪してそう。
目的のためには犯罪も厭わない的な。そんな感じしてる。
「もぅ犯罪なんてしないよぉ.......もし刑務所に行ったらあーちゃんに会えなくなるもん!」
あんた自身は別にいいんだ。あと心読まないでください。
「ヤーダ」
だから読むなって(怒)。
俺は眉間にシワを寄せがら、千里に呆れた。
「なんで怒るの?私あーちゃんになんか嫌なことしたかな?好きな人のことなんでも知りたいのはしょうがないことでしょ?」
コテンと首を傾げている千里。くっ、こいつは本当に........。
「だぁ!もうお前とは話が噛み合わないんだよ!てか早く行かしてくれ!」
もうこいつはどうだっていい。付録は今日だけだこいつの処理は帰ってからでもできる!。
「いいよ、あーちゃんにならいくらでもイかせて......ムッ!?」
やけにニヤついた顔に千里は俺に向かって両手を広げた。
俺は千里の言葉を聞いた瞬間にこいつの口を咄嗟に塞いだ。これはいかん俺のこれからの生活がかかっているからだ。
「おいっ!ここで下ネタを言うな?近所の人に勘違いされるだろ?だから黙れ?.....な?(圧」
「フン!フン!フン!」
口を抑えられながら高速で首を縦に振っている。
少しこいつには黙ってもらうために圧力をかけておかないとダメだ。
てか基本的に俺の頼み事みたいなのは従順に聞いてくれるからそう言うところでは使いやすい()。
頷いていたので、とりあえず口から手を離すと今度はお腹あたりに感触があった。
おいっ、本当に.......。
「早く行きから俺に抱きつくのはやめろって!」
腹と千里の腕の間に手を入れて外そうとしても中々離れない。一様野球部で、軟弱ではないとは思うがそんな俺でも力を入れてもびくともしない。
は?力強すぎだろこいつ。
その小さな腕でどうやってこんな馬鹿力だせるんだよ。
「ふふっ焦ってるあーちゃんも可愛い、これはね力じゃないよ。実はね解かれにくいハグの仕方があるんだよ!でもそれでもあーちゃんの方がちょっと弱いかなぁ」
「お前がッ強すぎるんだよッ」
てか、そんなハグの仕方ある訳ねーだろ!
力を本気で入れても、押し返される。
俺が抗っていてるとより力を入れられた。
「弱くても大好きだよぉぉぉ!!」
「だから黙れってぇぇぇ!」
こんな感じでめんどくさいから俺はこいつが苦手だ。
この後、時間を奪われた責任取りにこいつに小説を買わせて無事付録をゲットした。
こいつとの大事な話は後ほど二者面談しよう。
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