習慣とは恐ろしいもの

 エッセイは夜に書くと決めている。自発的にそう決めたわけではない。なるべくして固定したルーティーンである。


 まず朝は一日のなかで最も時間がない。朝活など、夢のまた夢で、出勤時間に合わせて起きるのが精一杯だ。

 デキる人間は頭がすっきりしている朝に知的活動をするのだろう。凡人にはハードルが高い。高すぎる。


 昼間は一応、仕事をしている。暇なときは「エッセイで何書こうかな」とぼんやりしているが、基本周囲に同僚がいるので、書くのは極力控えている。実行すればスリリングな遊びではあるが、集中できないし、サボりがバレて居心地が悪くなるのも嫌だ。

 趣味で本業を失えば、本末転倒である。もうすでにサボっていることが上司にバレている可能性は、なきにしもあらずだが。全力で知らんぷりをしよう。


 そんなこんなで、ゆるっと時間を過ごしているうちに、陽はどっぷりと傾ている。


 やっと一日が終わる! 


 ルンルンで帰宅してから取り掛かると、リラックスしているせいか、書く作業がはかどるのだ。


 意識して習慣化したつもりはない。日常の流れに身をまかせていたら、続けられるようになった。

 質はあまり気にしていない。こだわり始めたら、書けなくなるのは目に見えているからだ。

 継続することに意味を見出そうとしている。




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