Day11 「嫌なところはありすぎて絞れない」は免罪符〜自分の嫌いなところ〜

 自分で自分が嫌になるなぁと思うことが日に何度もある。

 仕事では冒険をしない、プライベートでも自身に投資しない。

 いわゆるケチである。

 現状維持以上のものを求めないから成長はしない。


 変わっているのは体重ぐらいである。


 努力せず流されるまま生きている自分が嫌だ。なんと簡単に言える愚痴なのだろうか。

「どうせ自分なんて何やっても上手くいかないんだ……」

 口当たりのよい生クリームみたいな言葉である。……クソポエマーな比喩だ。反省せねば。


「どうせチャレンジしても、凡人の自分に何かを成し遂げられるわけがない」

「人を惹きつける才能なんてない」

「あーだこーだ悩んでも何も産み出せない」


 呪文「努力しても無駄」は、人のやる気を削いでいく。おのれの身体にガソリンを撒いて火をつけるぐらい自暴自棄になれる魔法の言葉だ。

 卑下する言葉たちは、一見、控えめなようでいて、何かをしなくてもよい免罪符なのだな、と気が付いた。


「いやいや、特別な才能もないし、成功話聞いてるだけで満足よ」


 何にも執着せず逃げるのはとても楽だし、恥をかかなくてすむ。

 しかし、新型コロナウイルスが大流行し、日常が日常じゃなくなる事態を体験した。後遺症の話を聞いたら、やりたいことやっておかないと、後悔するんじゃね?と思い至ったりして。


 とりあえず、資格とってお給料安定させて、趣味としてやりたかった小説を書いてみて……としていたら「何かをしなくてもいい」免罪符はどこかに吹き飛んでいた。

 カッコいいこと言っていても、人間すぐに変わることはできない。今でも新しいことに手を出すのは怖いし、あまりハイリスクな挑戦はしたくない。

 それでも前よりはマシなんじゃないかと思えるくらいには、毎日動いているつもりだ。

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