第55話 帝王とギルマス
俺は冒険者ギルドのマスターと話している。
勇者セイル絡みだから直ぐに会う事にした。
「また随分急な話だな、一体何があったんだ?」
「簡単に言うなら、セイル様のパーティーに同じ勇者ホーリーが加わった!」
「別に良いんじゃないか? ホーリーはもう戦えないんだろう? 同情したセイルが引き取ったのか?」
「それが、戦えます!」
「報告は受けている、教会も治療の匙を投げた筈だ」
「エリュクサーを使ったんだぜ..セイル様は..流石の帝王様も驚くだろう」
「エリュクサー..そんな物持っていたのか? 知っていれば国庫のお金を叩いても買ったのだが..本当の事なのか?」
「ああっ、何しろホーリーの下半身と上半身の半分の体を廃棄してくれと持ってきた..受付が死体を持ってきたと勘違いした位だ、あれだけ切り刻んで治せる方法はエリュクサーしかない」
「よくもまぁ秘薬の中の秘薬を使ったもんだ」
「話では最初は治せる宛は無かったらしい、セイルを信じられなかったホーリーは世話をして貰う為に奴隷になった..そこからスタートして治しきったんだ」
「それじゃ..治せたのは偶然なのか?」
「多分な? まぁ懐の厚い男..そういう事じゃないか?」
「エリュクサーが手に入らなかったのは残念であるが、勇者二人を抱える事は大歓迎だ」
「最大戦力が2人、国相手に戦えるな!」
「まぁ、セイルは良い奴だから悪い事はしないから安心だ」
「まぁ彼奴の恋人に手を出さなければ穏やかだからな?」
「それはどういう事だ?」
「帝王よ、何故彼奴が帝国に来たのか、詳しくは知らないが訳ありらしいぞ、そうじゃなくちゃ勇者とお針子が此処に来るか?」
「ああっ、とりあえず気を付けるとする」
「それが良い」
「そろそろ屋敷の方の準備も整うから、一緒にホーリーも呼び出して正式に逃亡を許すとしよう」
「恩の一つも売っておくのも良いかもな」
「この後、お前は時間はあるのか?」
「あるぜ」
「それじゃ、久々に街に繰り出すとするか?」
「帝王が良いのかよ!」
「たまには昔の仲間と飲みたい夜もあるんだぜ」
「付き合うぜ」
この後、2人は抜け出して夜の街に繰り出した。
帝王の逃げ出す癖は何時もの事なので大きな問題にはならなかった。
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