第36話 剛腕のマモン
剛腕のマモンとは
四天王で随一の力の持ち主で単純な戦闘力なら魔王すら凌いでいると言われている。
不死身の体を持ち、完全に消滅しても数百年後には生き返ってくる。
勇者殺しの異名を持ち、勇者ケインと聖女リリを殺した挙句その死体を城門に吊るした事もある。
マモンが負けた相手は、勇者ジェイクと銀嶺の勇者だが..マモンは負けたとは思っていない。
それは2人とも虚をついて倒しているからだ。
自他ともに「正面から戦うなら絶対に負けない」そう言われる程に強い。
強さに絶対的な自信がある為群れを嫌いいつも単独行動をしている。
過去には城塞都市メルギドを半日掛らず皆殺しにした事は物語にすらなっている。
大の戦闘好きで決闘をこよなく好む。
特に正々堂々と決闘を挑む者や強い者には敵であっても一定の尊敬の念を持っている。
実際に只の猟師がマモンに挑み、マモンの片目と角を奪った事があった。
結局はマモンには通じなく負けたが、その目と角が癒える迄の間、酔う度に仲間に語っていた。
「勇者以上に勇ましい奴が居たんだぜ? 女神の目は節穴だ! 彼奴を勇者にすれば俺と良い戦いが出来たんだ」
この話を聞いた魔族の中で、猟師は騎士よりも強い..そんな誤報が広まった事がある。
そんなマモンに噂が入ってきた。
「サンダルサン帝国という国があり、そこは強き者が尊敬される国で、帝王自身も凄く強い。」
強き敵を求めるマモンには恰好の獲物の情報だった。
《おもしれぇな、そんな国なら強い奴が居るかもしれねぇ..まぁ期待外れだったら皆殺しにすれば良いだけだ》
マモンは帝国へと旅立って行った。
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