第34話 狩りまくる
そろそろ、セイルが帰ってくる。
美味しいご飯も作ったし、しっかりとお風呂に入った。
そして今日は、「胸元が大きく開いて胸が見えてしまうシャツ」を着ている。
下着は普通の物...これ位が丁度良いと思う。
相手がセイルなら裸でも良いんだけどね..「清楚で恥ずかしがっている」
そのイメージは壊せないから...仕方無いよね。
「ただいまーユリア」
「お帰りーセイル...今日はどうだった?」
「今日もバグベアーを狩ったんだけど、狩りすぎてもう禁止されちゃった」
「狩りすぎたって、まさか今日も100近く狩ったの?」
「うん、その位は狩ったと思う」
《村で沢山の人で追い払うバグベアーを100...勇者って凄い..》
「セイル、もう充分なお金もあるから、少しは楽しても良いんじゃない?」
「僕もそう思うよ、今日ので充分お金も溜まったから明日からは少し楽をするつもり」
「暫く休んでも良いんじゃないかな?」
「それは駄目だよ、だけど明日からは早く帰るようにするよ」
「休まないと体壊しちゃうよ?」
「だけど、僕は休む癖をつけちゃうと働かなくなりそうで怖いんだ、だけどそうだね、週に2日間位は休もうかな」
「働き者のセイルが?」
「ユリア...それ勘違いだから、ユリアが居るから僕は頑張っているだけだよ? 多分自分1人なら食べれるだけ稼いでダラダラしている」
「そうなの? だけど村じゃ凄く働いていたじゃない?」
《可笑しいな?、私は働き者のセイルしか知らない》
「村に居る時は、将来農業しながらユリアとユリアの両親の面倒を見なくちゃならないんだからそりゃ頑張るよ」
《良く考えてみたら、セイルも余り外に出て遊ぶタイプの男の子じゃ無かったな》
「あの、もしかして私の為だったりするの?」
「それ以外に僕が頑張る意味はないよ!」
《セイルってよく考えたら、贅沢もしないし、服や物にもこだわりが無い..そうか全部、私の為!》
「あの、その..うん凄く嬉しい、ありがとう!」
《嫌だ、顔がついニヤけてしまう...多分私、顔が真っ赤になっていると思う》
「どういたしまして!」
よく考えて見れば、セイルって私以外の物で執着している物って無かった気がする。
自分の大好きな人が自分の事が大好きなんて..それ以上は無い..
折角、こんな服着ているんだから、わざと屈んだりしてセイルが喜びそうなポーズをとった。
ただ、私の二つの武器は小さく弱かった。
それでもセイルが偶に赤くなるのが凄く嬉しい。
「ねぇユリア、2人にはこれから永い時間があるんだからゆっくりしよう」
「そうだね、一生分の時間があるもんね」
《だけど、私は凄く贅沢なんだよ今日の愛が100なら明日は110欲しくなる、砂漠の中で水を飲んでいる、そんな感じなんだよ...好きになってくれたら更にもっと多くの愛が欲しくなる..多分この気持ちは満たされる事は無いのかも知れない》
セイルも同じなのかも知れない..そう思うと凄く嬉しくて仕方ない。
ご飯を食べてセイルの腕枕で寝た。
多分、今日は何時も以上に眠れない。
「おはよう、ユリア」
「おはよう..セイルって嘘、私寝過ごしちゃったの?」
「これからはゆっくり寝てて良いんじゃないかな? お金にも余裕が出来たから朝食はカフェで食べない?」
「だけど、それじゃ..」
「此処は村じゃないし、2人の時間を楽しみながら色々経験して行こうよ」
「そうだね..うんそれ凄く良いね」
こんな夢みたいな生活本当に信じられないよ。
セイルと一緒にパンケーキを食べに行った。
これも、村に居たらまず食べられない物だ..
セイルは自分は怠け者みたいな事を言っていたけど違うと思う。
だって、もう遊んで暮らせるだけのお金があるのに働くんだから。
「行ってきます! 今日は早く帰るよ!」
「行ってらっしゃい」
ユリアと別れて今日も直接森に向った。
お金については今日の討伐の査定の時に貰えば良いだろう。
今日は特に獲物は決めていない..ゴブリンでもオークでもオーガでも片っ端から狩って行くつもりだ。
そして、午後には帰ろうと思う。
感知した相手は片っ端から狩っていく。
最初に出会ったのはゴブリンの群れだった。
討伐部位は右耳..だけど面倒くさいから首を切り落とし片っ端から放り込む。
今回は、「ギルダーカマキリ」の能力を前面に出して戦う。
間違いなく、一番使い勝手が良い筈だ。
これは虫の勇者の影響かギルダーカマキリの影響か..凄く高揚する。
狩るのが楽しくてしようがない。
「あははははっ..簡単だ」
次に出会ったのはオーガだった。
大きさは2mを越える大きさ、ギルドでの賞金金額はバグベアーより低い。
筋肉が固くて斬りにくいと言うが..鎌であっさり斬れた。
素早さもバグベアーより遅い..相手にならないな。
これも簡単だった..20位の群れがあったが簡単に倒せた。
ゴブリンとの違いは、一旦足を斬り、その後首を跳ねるか、最初から懐に入り込み胴体を切断するか..少しだけ手間が掛る、それだけだ。
その後に感知した先で見つけたのはオークの群れだった。
オークはオーガより簡単だった。
オークの肉は結構買取が高いらしいので殺した先から全部放り込む。
ジャイアントキャタピーに出会った。
《何なんだ、あの虫は..見た事が無い》
相手が虫の魔物だから意思疎通が出来る。
「僕は虫の勇者だ、それで聞きたい..お前達、邪神を信仰する者は敵なのか?」
《いや..邪神様も魔王軍も虫神を相手にしていない、大した能力を持っていないからな、それに魔王様が復活しない限り自由にして良いと言われている》
「それじゃ、戦う必要は無いのか!」
《お前が何の虫かは解らない...だが禍々しい奴と俺達は戦う気はない》
ジャイアントキャタピーは怪力と糸を吐くだけだ、そう考えたら同じ能力を既に持っている。
「そうか、それじゃ行かして貰う」
虫の魔物から力を貰っても仕方ない気がする。
危険を冒す位なら同じ能力を持つ虫から貰った方が良い。
それに、邪神を信仰している以上仲間とも言い切れない。
結局、今日狩れたのはゴブリンとオークとオーガだった。
もう、収納袋一杯に詰め込んだから今日はこれで良いだろう。
次は、オークやゴブリンの巣を襲ってキング種を狩ってみても良いかも知れない。
何よりこの二種類は女の敵だからユリアの安全の為に滅ぼした方が良いかも知れない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます