第13話 ユーディー

鳥たちが夏を運んでくる。


夏の風に、髪がからみ吹き飛ばされていく。空が私を呼んでいる。


もうさかのぼれない

もうさかのぼれない


あの時には。


あの人形は、何をしているのかな?


お前に自由意思などないのだ。


全ての運命は宇宙の最初から決まっているのだ。全ては自然法則のメカニズムにすぎない。私という神が決めているにすぎない。 


たとえ俺たちの運命が、お前の手で最初から決まっていたとしても、俺はそれに抗う。


哀れな人形め。お前は私の結果であり、あらゆる自然法則の結果に過ぎない。


お前はいったい俺のなんなんだ?お前は何を探しているんだ。


わたしの『子』だ。悲惨な戦争を、英雄の歌に変える琴。この世ではあらゆる残酷が犯されたのに、美しくそれを記録する、哀れな機械。人々の見た夢の結晶。さあ、手をとりたまえ。お前は私の手で人間になるのだ。もう一度世界を創り変えるために。ユーディー。

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