第32話 カピバラ・キング
少し時間を
虹の都王国の王都 “能楽町” にある高級宿。宿は虹の都の治安部隊2千人に包囲されていた。中には虎プーとマゲ髪、そしてマゲ髪の部下が100名ほどいた。この時、すでに東森は虎プーに報告を終えて、スパイ活動のために他の場所にいた。東森は、虎プーたちが包囲されたことを知り、そのことを土の里王国へ伝えに行く。すでにコロスウイルスが一通り拡散しきって、これ以上蔓延する見込みが薄いということも。
宿の中にいる以外のマゲ髪の部下は町の中にごく普通に溶け込んでいた。彼らは、2千人の治安部隊を内側から
イマソガリ国王に率いられて意気揚々の土の里軍は総勢6千人。全員がラクダに乗ったラクダ部隊だ。虹の都の治安部隊はすぐに降伏することとなった。
虎プーとマゲ髪、ビクターとアインとカベルを連れて、イマソガリはすぐにジャポニカン王国へ向かうことにした。徒歩よりも早く移動できるラクダ部隊が進軍を開始する。
そして時間を戻そう。モンスターと戦闘を繰り広げる、虹の軍とキャンディー軍、それにジャポニカン軍と火の丘の侍たち。その戦場の後方、つまり、虹の軍とキャンディー軍の司令部が置かれている簡易テントの所へ、土の里軍がまもなく到着する。
この時、モンスターが虹の軍とキャンディー軍へ攻撃していることを確認したシュバルツは激怒していた。
「どうなってる! モンスターは我が軍とキャンディー軍には攻撃しないはずだ! アルチュール殿はどこだ!」シュバルツ。
「アルチュール殿は見当たりません」兵士。
「何!
「栗金団大総統も見当たりません!」兵士。
「何っ! 栗金団もいないだと! どういうことだ? アルチュールが騙しやがったのか?」シュバルツ。
「報告します! 後方より大軍が迫ってきます。ラクダ兵です。土の里王国軍だと思われます。その数、6千です!」兵士。
「何だと! 土の里軍に向ける戦力は我が虹の軍にはないぞ。キャンディー軍に行ってもらわねばならん。クソっ。栗金団を探せ!」シュバルツ。
「はっ!」兵士。
その時、栗金団はボッチデス湖の小島へと小舟を出していた。毛糸を連れて。
「お前も来い。ヒッヒッヒッ」栗金団。
「……」毛糸。
「アルチュールめが、俺を出し抜いたと思っておろうが、まあよいわ。あいつのおかげで手間が省けたわい。ヒッヒッヒッ……ヒーーーーッヒッヒッヒッ」栗金団。
ただでさえ悪意に満ちていた栗金団の目が、最早人間の目ではないような、青白い生気のない目になっていた。
「……あなた、栗金団じゃ……ない……」毛糸。
「ヒーーーーッヒッヒッヒッ」栗金団。
戦場では、兵士たちとモンスターどもが戦っている。
魔法使いと神官や僧侶がいるジャポニカン軍が有利に戦いを進めているが、徐々に兵士たちに疲れが見え始めていた。キャンディー軍は陣形が崩れて、統制が取れないような状態である。虹の軍も魔法使いと神官がいるため、キャンディー軍を助けるかたちで効率よく戦っている。ゴンとマモルは隊列に穴が開きそうなところに入って戦っている。
「メエエエエエーーーーーーーッ!」
ヤギの悪魔の鳴き声でモンスターが200体ほど現れた。羽のあるライオン、角のある虎、腕が6本の熊などの大型モンスターだ。すでに数百体のモンスターが、ヤギの悪魔によって呼び出されている。
「こう重量級のモンスターばかり呼ばれたらたまらんな」海老斬丸で戦うすぺるん。
すると、何やらキツい臭いが漂ってくる。
「臭え、何だ?」すぺるん。
「臭っ!」兵士たち。
兵士たちには、あまりの臭さにしゃがみ込む者も出てきた。しかし、兵士たち以上にこの臭いに耐えられないのがいたのだ。モンスターどもである。人間の数百倍とかの嗅覚のモンスターは奇声を上げたり、倒れて顔を押さえたり、目をつぶったりして、戦闘どころではなくなる。
「一体何が起こっているのじゃ……」大臣。
「これは……この臭いは……
「この臭いのが、
「ああ、ベースが
その時、地面に転がったりしているモンスターどもが悲鳴を上げてくたばり出す。
「何だ、何が起こってんだ?」すぺるん。
「ん?」ハリー。
ハリーの視線の先で、何かに陽の光が反射してキラッと光った。それは右の方向へとゆっくりと移動している。
「あっはっはっはっ、そうか」ハリーはその光を反射して動く何かに近づいていく。
「おい、ハリー。危ないぞ」すぺるん。
すぺるんの心配をよそに、平然と小走りで近づいていくハリー。
「師匠ですね」ハリー。
ハリーが声をかけると、その何かはジャポニカン軍の方へと高速で移動し始める。
「うおっ、何だあれは」すぺるん。
それが近づいてきた時、それは鏡で四方を囲まれたものであることがわかった。そして、鏡が外れて、中から人が出てくる。
「やっぱり、師匠だ」ハリー。
「気づかれちまったかい」
中から出てきたのは、サングラスをかけた50代くらいの派手な格好をした厚化粧の女性だった。
「誰だ?」すぺるん。
「ミス・トリック師匠だ」ハリー。
「お前のマジックの師匠か!」すぺるん。
「お久しぶりです。師匠。風の谷でトラップを仕掛けたのも師匠ですよね。確か前に、香を使うマジックを研究すると言ってましたよね。でも、一体どうしてこんなことしてるんですか?」ハリー。
「あたいは虎プーの旦那に雇われて仕方なくやってんのさ」ミス・トリック。
「えっ? 虎プーさんに雇われて?」ハリー。
「そうさ。マジックの練習中に家と劇場が火事で燃えちまってね。金欠になったから、こんなハードな仕事して稼いでるんだよ」ミス・トリック。
「……それって、ハリーと同じ理由だよな……」すぺるん。
「ハリー、お前も、これを
ミス・トリックはハリーに大きな
「この撒菱でモンスターがやられてるのか」ハリー。
虹の軍とキャンディー軍の司令部。ここに土の里軍が間近に迫る。
「栗金団がいないだと!」シュバルツ。
「はい。どこにも見当たりません」兵士。
「なぜだ!?」シュバルツ。
怒りながら、焦りながら、状況のおかしさに疑念を募らせるシュバルツ。そこへ、自信満々にタンクトップ姿のブルースがやって来る。
「シュバルツ様、心配いりませんよ。私のコロスウイルスで土の里軍を戦闘不能にして差し上げましょう」ブルース。
「ブルースか。アルチュールはどこへ行ったのだ?」シュバルツ。
「お頭は悪魔を召喚しに行ったんです」ブルース。
「モンスターは我が軍にもキャンディー軍にも攻撃している。どうなってる!」シュバルツ。
「ちょっと計画に狂いが生じたみたいです。大丈夫ですよ。モンスターがジャポニカン軍を全滅してくれますよ」ブルース。
「貴様、本当だろうな?」シュバルツ。
「もちろんですよ、シュバルツ様。では、このコロスウイルスを撒き散らしにいきます」ブルース。
ブルースはそう言って、試験管を数本持ってテントから外に出ようとする。その時、側にいたキャンディー軍兵士が、試験管を目掛けて吹き矢で火矢を放った。
パリンッ! ボウッ!
試験管が割れて、燃え上がる。
「何だ!」ブルース。
シュバルツたちは吹き矢を吹いた兵士を見る。しかし、そこにいたのは、キャンディー軍の兵士ではなく、黒装束に身を包んだ男だった。
「お前、何者だ!」シュバルツ。
黒装束の男は白い粉を撒き散らしながら、素早くテントから出ていく。
「追え!」シュバルツ。
「はっ」兵士たち。
「はーっくしょん!」くしゃみするシュバルツ。
「ぶあっくしょん!」くしゃみをする兵士たち。
「何だこれは!
兵士たちは追いかける。だが、すぐに、テントの周りに火が上がる。そして火は瞬く間に広がる。
落ちた試験管から霧状の何かが空気中を漂う。
「あっ、あっ、あっ……ウイルスが! 俺、特効薬飲んでねえ!」ブルース。
「クソっ!」すぐにテントから出ていくシュバルツ。
シュバルツは火の中をかいくぐり、服に火が燃え移ったまま走る。そしてボッチデス湖に飛び込んだ。ブルースも同じく、火だるまになりながらシュバルツを追いかけて、ボッチデス湖へ飛び込んだ。
司令部のテントは炎に包まれた。兵士たちが消火を始める。火が消えた頃には、土の里軍が到着していた。シュバルツも栗金団もいない状況で、虹の軍とキャンディー軍は戦うことができずに、ただ佇むしかなかった。
土の里軍の方へ先ほどの黒装束の男が駆け寄る。男は虎プーを見つけて
「おおっ、
「はっ、虎プー殿」
この黒装束の男、虎プーにスパイとして雇われている忍者の
「状況は、どうなっておる?」虎プー。
「はっ。北東の前線でモンスターの大群が現れ、現在、虹の軍、キャンディー軍、ジャポニカン軍、火の丘軍が共同でモンスターどもと戦っています」胡椒濃過。
「モンスターじゃと?」北東の方を見る虎プー。
「あれは、あの巨大なヤギみたいなのは……」マゲ髪。
「……恐れていたことが起きてしまったかもしれん」イマソガリ。
「どういうことじゃ?」虎プー。
「地獄の門が開かれて、魔界の三大悪魔が人間界に姿を現したのかもしれん」イマソガリ。
「……何ということだ」ビクター。
「ビクター、行きましょう」アイン。
「モンスター相手なら、私たちが行かなくては」カベル。
「ああ、行こう」ビクター。
ビクターたち三人はラクダに乗ったまま前線へと向かっていく。
イマソガリはただ呆然としている。
「胡椒濃過よ。他のスパイはどうしている?」虎プー。
「はっ。東森殿とミス・トリック殿は前線でモンスターと戦っています。毛糸殿は、少し前に、栗金団に連れていかれました。二人は船であの湖の小島へ向かったようです」胡椒濃過。
「そうか……海賊はどうしておるのじゃ?」虎プー。
「海賊の主要なクルーたちはすでにその小島へ渡っています。タンクトップのキモい科学者は先ほど、ウイルスを吸い込んで、虹の都のシュバルツ国王とともに火だるまになって湖へ飛び込みました」胡椒濃過。
「ふん、自滅しよるな」虎プー。
そこへ、虎プーを見つけたキャンディー軍兵士たちがやって来る。
「虎プーさんだ!」兵士たち
「ん? このたわけどもが! 栗金団などに従いよって!」虎プー。
「我々は軍人として、最高指揮官の命令を無視することなどできませんでした。しかし、栗金団大総統が見当たりません。なので、我々はあなたの命令に従います」敬礼する兵士たち。
「さすが虎プーさん。人気者ですね」マゲ髪。
「んー、よし。お前ら、モンスターと戦いに行け!」虎プー。
「はい!」士気が上がる兵士たち。
「イマソガリ国王、ボケっとしてる場合ではないぞ」虎プー。
虎プーに言われて我に返ったイマソガリは、勇ましく述べる。
「我々土の里軍は、お前たち虹の軍と戦う気はない! 戦う相手は、モンスターとその後ろにいる悪魔だ! お前たちも我らと共に戦え!」イマソガリ。
土の里軍は、うおおおおーーーー、と士気が上がる。それを見て、虹の軍も顔つきが変わる。そして、両軍は前線に向かう。
前線の右では全てのジャポニカン軍に疲れが出ていた。かおりんは魔法を唱える。
「精気魔法!」
赤い水滴が空から降ってきて兵士たちに精力と根気がみなぎる。
「うおっ、元気がもとに戻ったみたいだ。おい、かおりん、今の魔法もっと使ってくれよ」すぺるん。
「精気魔法の効果があるのは、一日に数回です。だから何度も使えません」かおりん。
「数回というよりは、三回が限度じゃろうな」大臣。
「何だ、そうなのか」すぺるん。
ハリーは香の臭いを防ぐための気付け薬をみんなに渡して鼻の下に塗らせた。そして、マントから鉄製のポールを出して、何かを組み立て始めた。
「よっしゃ、行くぞ!」すぺるん。
気合を入れてかかるすぺるんの上を越えて何かが飛んでいく。
「スカンクの
前線の真ん中では、侍たちが戦闘している。重量系のモンスターを相手にするには、ハンマーやフレイルのほうが有効だが、刀でよく頑張っていた。しかし、時間とともに、疲労が溜まっていく。
前線の左では、虹の軍とキャンディー軍が戦闘している。モンスターが襲ってくるという予想外の状態で戦闘しているキャンディー軍は、苦戦している。ゴンとマモルはハチャメチャな強さでモンスターを倒していくが、倒しても倒しても増えていくモンスターども。精神的に弱っていく虹の軍とキャンディー軍兵士たち。
だが、ここへ、先ほどの土の里軍とかが合流する。そして一気にモンスターどもを押し返す。
戦闘はしばらく続く。モンスターは5百、7百、千体と増えていく。ほとんどの神官や僧侶のマジックパワーは切れかけている。魔法使いのマジックパワーも同じく。増え続けるモンスター相手に
この大混戦が行われている中、ジャポニカン王国王宮の方から、砂埃が上がっている。何かがたくさん近づいてくるのだ。
「……何じゃ……」大臣。
「おい、何だあれ、人間じゃねえよな……」すぺるん。
「……モンスターか……」国王。
「カピバラの大群?」望遠鏡で見るハリー。
「カピバラが人を乗せて走って来ます」かおりん。
「何じゃと」大臣。
カピバラの大群はミャー族が走るよりも速くジャポニカン軍の所へ走って来る。
「ホントだ、人が乗ってるぞ。何百人、いや、何千人も!」ハリー。
そうしてる内に、カピバラの大群はジャポニカン軍の所までやって来た。先頭のカピバラに乗っているのは、4Kの一人マジョリンヌだ。
「おお、マジョリンヌか」大臣。
「久しぶりだねえ」マジョリンヌ。
「あっ、おばはんか」すぺるん。
「誰がおばはんだ! ぶっ倒すよ!」マジョリンヌ。
「緑の鎧、水の森の援軍か」国王。
「ああそうさ。あたしがバッピーに乗ってここに向かってたら、他のカピバラがたくさん集まってきてねえ。こいつ、カピバラの王様らしいんだよ」マジョリンヌ。
「え、お前、バッピーか。見分けがつかない。そういや、他のよりもデカいな」ハリー。
「メエエエーーーーー」バッピー。
「ホントだ、バッピーの鳴き声だ」ハリー。
「ヤギの悪魔と紛らわしい……」かおりん。
「そしたらねえ、水の森の部隊がゆっくりと歩いてるのに出くわしたのさ」マジョリンヌ。
カピバラをかき分けて、奥の方から水の森の国王代理のカクボウが出てきた。
「ノダオブナガ国王、遅くなって申し訳ありません。水の森の部隊、5千人、到着しました」カクボウ。
「カクボウ殿、ご苦労であった。頼もしい援軍じゃ」国王。
「カピバラの大群に出会わなければ、もっと遅れていました」カクボウ。
「あたしのおかげだね」マジョリンヌ。
鼻高々なマジョリンヌにも皆が安堵の笑みを浮かべた。最高の魔法使いの一人が来たからだ。
「おや、ビョビョ殿か?」国王。
ビョビョも奥の方から現れた。
「国王様、ビョビョです。風の谷の民も助太刀に来ました」ビョビョ。
ビョビョの後ろに数百名の屈強な男たちがいる。皆、大人しそうだが、丸太を軽々と抱えて、鍛え抜かれた筋肉は並大抵ではない。喜ぶジャポニカン兵士たちの横で、サンドロ大臣は懐疑的だ。
「大臣様、ビョビョさんに悪意なんて全くありません。信じて大丈夫ですよ」耳打ちするかおりん。
「……うむ、わかった」大臣。
「わてらもおるで」アホ雉。
アホ雉がバカ犬と一緒にカピバラに乗って端の方からやって来た。
「おお、バカ犬! アホ雉!」すぺるん。
「すぺるんか、お前と共にまた戦えるのはうれしい」ガントレットを装着するバカ犬。
「俺は今は刀で戦ってるけどな」すぺるん。
「男なら、拳で戦え! 行くぞ!」カピバラから降りてバカ犬は前線へ走る。
「おう!」すぺるんも前線へ走る。
「単細胞な奴らやな」アホ雉。
「全軍、配置につけ!」カクボウ。
水の森部隊はカピバラから降りて、武器と防具を整え、整列する。
ノダオブナガが皆に伝える。
「地獄の門が開かれ、魔界の三大悪魔であるヤギの悪魔が現れた! ヤギの悪魔は
「何と、すでに悪魔が現れたのですか!」カクボウ。
「そんな……」ビョビョ。
「ホンマかいな」アホ雉。
動揺する水の森部隊と風の谷の民を、ノダオブナガは奮い立たせる。
「虹の都の軍も、キャンディー帝国軍も、今は我々と共にモンスターと戦っておる! 我らの敵は、モンスターであり、あそこに見えるヤギの悪魔だ! 皆で協力して戦おうではないか!」国王。
「おおおおおおおーーーーーーーーーーっ!!!」兵士たち。
水の森部隊は前線へ向かう。その横を、バッピーが駆けていく。その後ろに他のカピバラたちがついて行く。
「えっ? バッピー! そっちは香の臭いのする方だ!」ハリー。
ハリーの心配をよそに、嗅覚に優れたカピバラたちは香の臭いを避けて、前線の左の方へ走って行く。そして時速50キロの速さでモンスターに体当たり。数千頭のカピバラが次から次へとモンスター目掛けて体当たりを繰り返して倒していく。
「えっ……カピバラ、強すぎじゃね?」国王。
「速いし、デカいし、賢いし。さすがカピバラだねえ」マジョリンヌ。
みんな、カピバラの戦い方を見て驚いている。カピバラたちは素早い動きで攻撃をひょいひょいかわしながら、重量系のモンスターに体当りして倒しまくっている。この時、カピバラの戦闘に集中しているみんなの後ろ側、カピバラたちがいた場所に、一人の男がひっそりと立っていることに誰も気づいていなかった。正確に言えば、一緒に来たバカ犬やアホ雉やビョビョたちは、この男のことを忘れていただけなのだが。マジョリンヌがこの男の存在を思い出して、振り返る。
「そうそう、忘れてたねえ。この男を最初に紹介しないといけなかったよねえ」マジョリンヌ。
「ん? おおっ」大臣。
「おお、まさか、お主が」国王。
「ふぉふぉふぉ。久しぶりだのう、ノダオブナガに、サンドロよ」
そこには、紫のローブを
「久しぶりじゃ。メイジよ」国王。
「ああ、数年ぶりかのう、メイジ」大臣。
「ふぉふぉふぉ」
この男、ゴータマ神殿のメイジ大神官である。
「悪魔が現れよったか……オノノの予想より少し早かったのう」メイジ。
ついに姿を現したメイジ大神官。どんな活躍を見せてくれるのか。乞うご期待!
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