第21話 魔界タクシー666

 コケコッコー!

 ゴンに男を任せて、一行は歩く。

「シタイン、調子はどうだ?」ハリー。

「めっちゃ、ええでー」シタイン。

 一行は歩く、歩く。デカン湖のほとりを西へ歩く。そして、川に出た。細い長い橋が架かっている。一行は立ち止まり、いろいろと考え出す。

「橋だ」すぺるん。

「ああ、橋だ」ハリー。

「橋いいいいいいい!」

「橋を渡っている時にモンスターに襲われたら、不利な戦いになるかもしれないな」ハリー。

「そうですね。橋を渡るのはやめましょうか」かおりん。

 一行は橋を素通りしようとする。すると、何やら声が聞こえてくる。

「キーーッ! やっと人間に出くわしたのに、無情にも素通りして行くのか」

 見ると、橋の上にぬいぐるみみたいな物が置いてある。近くには誰もいない。一行は再び素通りしようとする。

「キーーッ! やっぱ素通りかい」

 やはり声がする、橋の上から。どう考えても、そのぬいぐるみから。

「おい、何だよ。あのぬいぐるみがしゃべってるのか」すぺるん。

「まるでホラーだな」ハリー。

「ひいいいいいい!」

「うるさい!」殴るすぺるん。

「アザラシのぬいぐるみでしょうか。でも人間みたいな手足がありますね」かおりん。

「アザラシ面人間でしょうか」ハリー。

「ほっとこうぜ」すぺるん。

 一行は再び素通りしようとする。

「キーーッ! 待てこら!」

「おい、やっぱ、ぬいぐるみだぞ、しゃべってんのは」すぺるん。

「本当にぬいぐるみなのか?」ハリー。

 ハリーはぬいぐるみに近づいていく。そして拾い上げようとする。その時、突然ぬいぐるみが起き上がる。

「キーーッ! ひっかかったな、アホめが」ぬいぐるみ。

「ん? 何だ、ぬいぐるみじゃないのか」冷静なハリー。

「人間よ、俺様と勝負しろ」ぬいぐるみ。

「断る」ハリー。

 ハリーはあっさりと断り、一行は橋を素通りしようとする。

「待て待て待て! 待て!」ぬいぐるみ。

「待たん」ハリー。

「ぬいぐるみみたいなアザラシだな」すぺるん。

「おい、ちょっと待て! 俺様は悪魔だぞ!」ぬいぐるみ。

 この言葉に一行は反応した。

「悪魔?」ハリー。

「ああそうだ、俺様は魔界から来た悪魔だ」ぬいぐるみ。

「しゃべってる時点で、モンスターか悪魔か、どちらかよね」かおりん。

「本当に悪魔なのか?」すぺるん。

「魔界での序列は?」ハリー。

「序列? そんなことを知ってるのか人間め」ぬいぐるみ。

「何番だ?」ハリー。

「俺様は序列666番目の悪魔だ」ぬいぐるみ。

「本物っぽいな」ハリー。

 ハリーは興味津々だが、他のメンバーはそれなりにビクビクしている。なんせ、悪魔だと思われる奴が目の前にいるのだから。

「さあ、俺様と勝負しろ!」ぬいぐるみ。

「しない」ハリー。

 アザラシのぬいぐるみはズッコケた。

「いや待て、そこはするって答えるとこだろ!」ぬいぐるみ。

「どんな勝負だ?」ハリー。

「簡単な勝負だ」

 そう言って、アザラシのぬいぐるみは橋の上にテーブルを設置して、白と黒のツボざるとサイコロを取り出した。

「三本勝負。先に二勝したほうが勝ち。どうだ?」ぬいぐるみ。

「具体的にはどうやる?」ハリー。

「俺様がサイコロをこの白か黒のどちらかのツボ笊に入れて、逆さにして置く。お前はサイコロがどちらに入っているのかを当てるだけだ。それが一番目の勝負」ぬいぐるみ。

「もし俺が負けたらどうなる?」ハリー。

「俺様と従属契約を結ぶことになる」ぬいぐるみ。

「従属契約?」かおりん。

「悪魔が上で人間が下の従属契約だ。お前が俺様の奴隷になるということだ」ぬいぐるみ。

「じゃあ、俺が勝ったら、どうなる?」ハリー。

「俺様がお前の奴隷になるという従属契約が成立する」ぬいぐるみ。

「契約はどのように成立するんだ?」ハリー。

「勝負がついた時点で自動的に発動する」ぬいぐるみ。

 しばらく考えるハリー。

「二番目の勝負はどうやる?」ハリー。

「二番目の勝負は、お前がツボ笊とサイコロを使え。俺様がどちらのツボ笊にサイコロが入ってるのかを当てる」ぬいぐるみ。

 またしばらく考えるハリー。ぬいぐるみは、余裕な顔で言う。

「三番目の勝負は――」ぬいぐるみ

「三番目はない。俺が二回連続で勝つからな」ハリー。

「キーーッ! 二連続で勝つって?」ぬいぐるみ。

「勝負は確実に勝ち負けが決まるのだな。そして契約はお前の意志とは別に発動する。間違いないな?」ハリー。

「キーーッ! 間違いない」ぬいぐるみ。

「いいだろう、勝負してやる」ハリー。

 みんなが驚く。

「おい、ヤバいぞ、ハリー」すぺるん。

「負けたらどうするんですか」かおりん。

「ギャンブルはやめたほうがいいですぜい」金さん。

「説得力ないいいいいい!」

 コニタンの見事なツッコミ。

「大丈夫だ。勝てばいい」ハリー。

「いい度胸してるな」ぬいぐるみ。

 まず一番目の勝負が始まる。一行はテーブルの前で勝負を見守る。アザラシのぬいぐるみは、人間みたいな手で、巧みにツボ笊とサイコロを操り、テーブルの上に逆さに置いた。そして素早く二つのツボ笊をあちこちに移動させてシャッフルする。

「はい、どうだ? どっちに入っているのか当てろ」ぬいぐるみ。

「今、かき混ぜてるときに、白のツボ笊の中から ‘ カラッ ’ ていう音がしたよな」すぺるん。

「私も聞こえました。白いほうにサイコロが入ってますよ」かおりん。

「どっちだ? ≪ふふふ。サイコロが入っているのは黒のツボ笊だ。白のツボ笊には小さな氷を入れてある。その氷がツボ笊に当たる音が聞こえたんだ、間抜けどもが。俺様は水を操ることができる。白のツボ笊の中で水を発生させてもう氷を溶かしてあるし、水は蒸発させた。証拠は何も残らない。ふふふ≫」ぬいぐるみ。

「白いほうに入っていると思うが、黒いほうにも何かが入っているな」ハリー。

「ハリー、白に入ってるぞ」すぺるん。

「私も白だと思います、ハリーさん」かおりん。

 この時、マントの中でシタインがゴソゴソと動いていた。

「どちらに入っているのかではなく、入っていないほうを選んでもいいか?」ハリー。

「入っていないほうだと? ああ、別にかまわないぞ」ぬいぐるみ。

「よし、黒のツボ笊には、サイコロは入っていない」ハリー。

「ファイナルアンサーか? ≪ふふふ。見事にひっかかりやがった。黒にサイコロが入ってんだよ。ふふふ≫」ぬいぐるみ。

「ファイナルアンサーだ」ハリー。

「キーーッ! 俺様の勝ちだー!」

 ぬいぐるみは黒のツボ笊を自信満々に叫びながら開ける。だが、喜びも束の間、というか一瞬。

「え? あれ?」唖然とするぬいぐるみ。

 黒のツボ笊を開けたそこには、サイコロはなかった。

「やったぞ、ハリー!」すぺるん。

「やったー!」かおりん。

「え? そんなバカな……あれ?」ぬいぐるみ。

「俺の勝ちだな」ハリー。

 アザラシのぬいぐるみは青紫色に光った。

「なるほど、契約に近づいたってことだな」ハリー。

「え、そんなバカな!」ぬいぐるみ。

 ぬいぐるみは白のツボ笊を開ける。しかし、そこにもサイコロはなかった。

「何だ? どういうことだ?」すぺるん。

「もう勝負はついてる」ハリー。

 ぬいぐるみはテーブルの周りを確認し出す。一行も同じく。しかし、サイコロは見当たらない。ところが、みんながテーブルの上に目をやると、何とそこにはサイコロが転がってるではないか。

「えーーーっ! なぜ???」ぬいぐるみ。

「あら、白のツボ笊の中にくっついてたのかしらね」かおりん。

「なぜだ……」ぬいぐるみ。

 嬉しがるコニタン一行と、落胆するアザラシのぬいぐるみ。

「おかしいぞ! お前、何をした! ん? 何だ? この匂い……おい、マントの中にいる奴! 出てこい!」ぬいぐるみ。

 みんな、ハリーの方を向く。マントの中からシタインがのそのそと顔を出す。

「あ、バレてしもたな」シタイン。

「何だとー!! お前、確か、犬の悪魔の腐乱犬死体!」ぬいぐるみ。

「何や、僕のこと知ってるんか。まあ、あんたよりも上の悪魔やしな、有名やな」シタイン。

「確か、物を腐らせる悪魔! サイコロを腐らせたな! イカサマだ!」ぬいぐるみ。

「何やな、あんたも水を操って、イカサマしとったやんか」シタイン。

「マジか!?」すぺるん。

「ああ、両方のツボ笊に何かが入っていた。何かしらの細工が行われたはずだ」ハリー。

「水? 水を操る悪魔?」かおりん。

「そやで。この悪魔は水を操りよるねん」シタイン。

「バラすな!」ぬいぐるみ。

「お互い、正体がバレたな。僕はもう悪魔の力は使わへんわ。そやから、あんたも使うなや」シタイン。

「キーーッ! クソッ!」憤激するぬいぐるみ。

「さて、俺がやる番だな」ハリー。

 ハリーはマントを脱ぎ、袖をまくって、ツボ笊とサイコロを取った。

「よっしゃ、ハリー、頑張れ!」すぺるん。

 ハリーは両手でツボ笊をクルクルと華麗に回したり、腕の上を転がしたりする。そしてツボ笊を上に投げて、落ちてくる時にその中にサイコロを投げ入れて、テーブルの上にツボ笊を叩きつけた。それから、白と黒のツボ笊を素早くシャッフルする。

「さあ、どっちだ?」ハリー。

 ぬいぐるみは真剣な表情でツボ笊を見つめる。

「キーーッ!」ぬいぐるみ。

「さあ、どっちだ?」ハリー。

「キーーッ! ≪確か、シャッフルしてる最中に黒のツボ笊から音がしたはずや。最後に黒のツボ笊を止めた時も音が聞こえた気がする≫」ぬいぐるみ。

 ハリーは、ぬいぐるみの視線を注視している。アザラシの視線を。

「さあ、どっちだ? どっちにサイコロが入っている? 黒のツボ笊か?」ハリー。

「考えてるから黙れ! ≪こいつ、俺の視線を観察してるのか≫」ぬいぐるみ。

「どっちだ? 黒のツボ笊でいいのか?」ハリー。

「黙れ! ≪こいつ、揺さぶりをかけてきやがる。クソ野郎が。確かに黒のツボ笊から音がした。黒だ。だが、こいつは黒を勧めてきやがる。ということは、ひっかけか。いや、音は確かに黒のツボ笊からした≫」ぬいぐるみ。

 一行は固唾を呑んで見守っている。

「どっちだ? 黒でいんだな?」ハリー。

「キーーッ! ≪ここで黒を選んだ場合、俺はこいつの指示に従う形で正解を選ぶことになる。そうなると、次の勝負でこいつは精神的優位に立つことになる。まず一勝してるこいつは俺に正解させる余裕があるんだ。そうだ、間違いないぞ、こいつは俺にしきりに黒を勧めてきやがる。俺に白を選択させたいからだ≫」冷静さを徐々に失うぬいぐるみ。

 考えるぬいぐるみ。腕を組んで真剣に考える。アザラシが人間みたいな腕を人間みたいに組んで。

「黒でいいんだな?」ハリー。

「考えてるんだから、黙れ! ≪別の可能性も考えよう。白の可能性はあるのか。いや、ないな。黒だと言い続けて、その逆の白を選ばせるというギャンブルの初歩的な誘導だ。だから黒だ。黒にサイコロは入っている。よし、黒だ。く……、いや、待てよ。どちらのツボ笊にも入っていない可能性もあるな≫」ぬいぐるみ。

 ハリーは見下すような感じでぬいぐるみをじっと観察している。ぬいぐるみはそれに気づいているが、そんなことはどうでもいいくらいに真剣に考えている。

「≪こいつは一番目の勝負で、サイコロが入ってないほうを言った。それと同じことを俺にさせないために、しきりに黒を勧めているのかもしれない。だとしたら合点がいくな。サイコロが入っているとしたら、黒だ。しかし、どちらにも入っていないかもしれない。だったら、入っていないほうを選ぶことのほうが有利だ。白にはサイコロは絶対に入っていない≫」ぬいぐるみ。

「黒だな?」ハリー。

 何度も黒のツボ笊を勧めるハリー。

「俺も、サイコロが入っていないツボ笊を選ばせてもらうぞ」ぬいぐるみ。

「……ああ……かまわん」ハリー。

「≪ふふふ。こいつ今、声のトーンが変わって間が空いたぞ。動揺したな。俺がサイコロの入っていないほうを選ぶとは思わなかったからだ。自分の作戦が失敗したことで動揺しやがった。間違いない、白を選べば勝てる≫」ぬいぐるみ。

 ぬいぐるみは自信満々に白のツボ笊を指さす。

「白のツボ笊にはサイコロは入っていない」ぬいぐるみ。

「……ファイナルアンサー?」ハリー。

「≪ふふふ。やはり動揺してやがる≫ ファイナルアンサー!」ぬいぐるみ。

 ぬいぐるみのどや顔を見て、すぺるんたちは一気に心配になった。ハリーは両方のツボ笊を同時に開ける。

「えっ?」ぬいぐるみ。

 黒のツボ笊の中は空だった。ところが、白のツボ笊の中にはサイコロが入っていたのだ。

「えーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」叫ぶぬいぐるみ。

「やったぞ、ハリー!」すぺるん。

「やったー!」かおりん。

「やりやしたね」金さん。

「やったあああああ!」コニタン。

「ハリー、すごいで」シタイン。

 一行は大喜びだ。

「待て待て待て! どういうことだ! イカサマだ!」必死の形相で叫ぶアザラシのぬいぐるみ。

 ぬいぐるみは青色に光る。

「いやっ、待て! 待て! そんな!」顔を歪めて叫ぶぬいぐるみ。

 ピカッと輝きが一瞬増して、ぬいぐるみから光が消えた。

「……そんなバカな……契約が成立した……」ぬいぐるみ。

「やったで、ハリー。また悪魔を従えたな、すごいで」シタイン。

「ハリーさん。悪魔を二体も仲間にするなんて」かおりん。

 意気消沈なぬいぐるみ。

「教えてくれ、二番目の勝負、俺はなぜ負けた?」ぬいぐるみ。

「俺は小石の欠片かけらを黒のツボ笊の中に入れて振った。お前はそれに気を取られたんだ。ツボ笊を開けるまで、サイコロはどちらにも入ってなかった。開ける瞬間に、俺が素早く入れたんだ」ハリー。

「やるな、ハリー」すぺるん。

「さすがプロの手品師ですね」かおりん。

「魔法使いです」ハリー。

「手品師だと?」ぬいぐるみ。

「魔法使いだ」ハリー。

「違う、手品師だろ!」すぺるん。

 呆然とするぬいぐるみ。

「お前、左手で白のツボ笊にサイコロを入れたんだろ? もし、俺が黒のツボ笊を選んでいたら、どうやってサイコロを入れたんだ?」ぬいぐるみ。

「俺は、お前に白のツボ笊を選ばせたんだよ。マジシャンズ・セレクトだ」ハリー。

「何だそれ?」すぺるん。

「相手を心理的に誘導して、自分で選択しているように錯覚させるマジシャンの技ですよ」かおりん。

「……そんな……」ぬいぐるみ。

「負けたんやから諦めや、アザラシの悪魔」シタイン。

「ああ契約は成立した。ハリー、お前が死ぬまで、俺はお前のしもべだ」ぬいぐるみ。

「ああ」ハリー。

「俺は、魔界で序列666番のゴマアザラシの悪魔、セサミンだ」ぬいぐるみ。

「ほう、セサミンか」ハリー。

「よろしくね、セサミンさん。私は妖精のかおりん」かおりん。

「よろしくやで、僕は序列61番目やし、あんたよりだいぶ上やな。僕はもうハリーのしもべやねん」シタイン。

「じゃ、よろしくな。俺はすぺるんだ」すぺるん。

「あっしはきんていう遊び人でさあ」金さん。

「コニタンンンンン!」

「従属契約か。俺とシタインも同じ契約なのか?」ハリー。

「そやで」シタイン。

「お前、どんな悪魔の力があるんだ?」ハリー。

「俺は水を自在に操れる」セサミン。

「私と似てますね」かおりん。

「俺は魔界ではタクシーをしていた。魔界タクシー666って呼ばれていてな、人気があったんだ」セサミン。

「魔界タクシー?」すぺるん。

「そうだ、タクシーだ」

 セサミンはそう言って、自分のお腹を膨らませた。そうすると、人間が入れるスペースが空いた。

「おう、そこに乗るのか?」すぺるん。

「そうだ、魔界では悪魔は小さくなったり姿を自由に変形できるからな。だからここに客を乗せて、タクシーやってたんだ」セサミン。

「でさ、お前、歩けるのか?」すぺるん。

「いや、一応、脚があるけど、基本は浮かんで移動する」セサミン。

「え? どういうこと?」すぺるん。

「水蒸気を利用して浮かぶんだ。こうやって」セサミン。

 地面から若干浮かんで見せたセサミン。

「微妙にすごいのかわからん」すぺるん。

「私は羽で飛んでますけど」かおりん。

「まあ、何でもいい。セサミン、馬車馬のように働いてもらうぞ」ハリー。

「ハリーさん、Sなんですね」かおりん。

「いや、お前が言うなよ……」すぺるん。

「しかし、シタインもセサミンも小さいよな。小さいから、魔界から来られたのか?」ハリー。

「そうやで、ハリー。魔界と人間界が近くなって、細い抜け道がごくまれに現れよるねん。僕はたまたまそれを見つけて、通って来たんやで」シタイン。

「俺も同じだ。魔界で走行してる時に偶然道を見つけたから、飛び込んだら、人間界に着いてしまった」セサミン。

「で、その道はどうなったの? まだあるのかしら?」かおりん。

「もうなくなってるで」シタイン。

「道は突発的に現れて、すぐに消えた」セサミン。

「そやから、魔界へ帰れへんねん。まあ、僕は帰る気ないけどな」シタイン。

「俺は魔界へ帰りたい……」セサミン。

「なるほど」かおりん。

「ふーん」すぺるん。

「セサミン、お前も小さいから、マントの中に隠れとけ」ハリー。


 何と、二体目の悪魔を仲間にしたハリー。従属契約だから、悪魔はハリーの奴隷だということ。なんか、気の毒だな。

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