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2024年10月26日 03:12 編集済
容姿が女の子っぽいがゆえに、育つ環境の難しさから、心因性吃音症を抱える澪。そして彼の声を唯一聞けるリス、かじちゃん。ふたりが織りなす小さな世界を覗き見しているようで、すこし背徳的でやさしい気持ちになりました。 また近年では2次障害が問題視されています。吃音症への理解のない教師の態度、彼を取り巻く過酷な環境を想像するに、彼は不登校等になってもおかしくない状況だと思います。しかしそれでも学校に行けたのは、かじちゃんが玄関を開けるとそこにいるからで。それは、彼にとっての小さくて大きい救いなんだなって、胸が温かくなりました。 かじちゃんによって「安心・安全の欲求(マズローの5段階欲求)」が満たされたことで、不思議と病気を乗り越えていく展開と、その後に待ち受ける切ない余白を残すラスト。私の中では、かじちゃんは妖精で、また別の子の止まった足を、いまも前に進ませてるんだって思うようにしてます。そうしないと悲しすぎて、生きていけません。それくらい私の心を揺らす素敵な小説でした。 三嶋さんの言葉から、この作品がカクヨム甲子園本命だったということを聞いた覚えがあります。ですから私も本気で考えたことを素直に伝えようと思います(気分を害されましたら、返信にてお伝えください。コメント削除致します)。 それは、この小説に眠らせるやさしさの種類についてです。この小説の向かう先は「澪が病気を乗り越えて、前を向く」という部分にあります。もちろんこれも、力強く良いエンドだと思いますし、やさしいものです。 ただ個人的好みで言えば、最後まで「乗り越えなくても、あなたは素敵で、そのままでいいんだよ」と囁いて欲しい気持ちがありました。乗り越えるんじゃなくて、そのままを受け入れてくれる小説の方が、弱さに寄り添ってくれるような気がするのです。 もし私だったら、途中のかじちゃんとは地面に枝で書いた文字でやり取りさせるかもしれません。かじちゃんもハートマークとかを描いたりして。そして発表も、声は出さず手書きのノートを見せて行うのです。みんな静かに注目して、発表は成功します。最後はかじちゃんのいなくなった季節でひとり、どんぐりを横目に、小説を書き始めるといったオチだったら。私のような弱い人間は、もう少しだけ救われるような気がしました。 もちろん私から見た景色の話なので、三嶋さんが乗り越える展開が好きであれば、自由に物語を紡いで欲しいと思います。ただ今回は作者が器用な才能のある三嶋さんでしたので、私の根っこにある価値観をお伝えしました。あくまで参考程度に、お互い執筆を楽しみましょう。 素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
秋冬さん、かじちゃんまで読んでいただき、ありがとうございます。そしてこんなにも丁寧なコメントをいただき、恐縮ですが、本当に嬉しく思います。そうです。この作品は私の本命作品でした。レビューもいただいているので名前を出してしまうと、当時ここのえ栞先生という方に作品を見ていただきながら、小説を書いていました。ファンタジー、童話(本作)、SFの3作を読んでいただいた中で、この作品は一番完成度が高いと言ってもらえたこともあり、私の中で思い出深い一作です。秋冬さんのご提案くださった、乗り越えないことのやさしさ、非常に参考になりました。ありがとうございます。声を使わずにかじちゃんと会話をするという展開も、私には思いつけなかった発想であり、たしかにそのように書くことが出来ればより温かみのある小説に仕上がったと存じます。私のことを信じてくださった上でこのような丁寧な文章を送っていただき、大変光栄です。秋冬さんからアドバイスを貰えたというだけで、さらに精進していこうという気持ちになれました。本当にありがとうございました。
2023年1月16日 09:19
三嶋悠希さま、「児童文学の里」へのご寄稿ありがとうございます。愛らしさと優しさが心に沁み渡って来るお話でした。気付いた点を幾つか。1.表現的に、澪の年齢がもっと低い方が合うような気がしました。2.季節や季節感の設定が少し気紛れな印象を受けました(「そして澪は三年生になりました。」(春)の直後に「ある冬の日」という文章があったり、柘榴とパンジーが同時に出てくる描写など)。3.「近くの木々に去っていってしまいました。」など、幾つか気になる文章がありました。
感想に加えて、アドバイスまでしていただき、ありがとうございます!! 精進します!
2023年1月15日 15:37
吃音症の澪くんと、かわいらしいかじちゃんの温かいお話に心がぽかぽかしました。澪くんの成長が感じられる最後がとてもよかったです。そしてかじちゃんがかわいい! 温かくなった床でひと通り遊んだ後に眠たくなって眠ってしまうところににこにこしました。
キノ猫さん!??えぇぇぇええぇーー!!感想ありがとうございます!!!憧れのキノ猫さんに読んでいただけて本当に嬉しいです!!
2022年12月24日 22:49
優しくて穏やかなお話しでした。絵本で読みたいなぁなんて思ってしまいました。💐💐💐
めちゃくちゃ嬉しいです! 読んでいただいた上、感想までありがとうございます!!
編集済
容姿が女の子っぽいがゆえに、育つ環境の難しさから、心因性吃音症を抱える澪。そして彼の声を唯一聞けるリス、かじちゃん。ふたりが織りなす小さな世界を覗き見しているようで、すこし背徳的でやさしい気持ちになりました。
また近年では2次障害が問題視されています。吃音症への理解のない教師の態度、彼を取り巻く過酷な環境を想像するに、彼は不登校等になってもおかしくない状況だと思います。しかしそれでも学校に行けたのは、かじちゃんが玄関を開けるとそこにいるからで。それは、彼にとっての小さくて大きい救いなんだなって、胸が温かくなりました。
かじちゃんによって「安心・安全の欲求(マズローの5段階欲求)」が満たされたことで、不思議と病気を乗り越えていく展開と、その後に待ち受ける切ない余白を残すラスト。私の中では、かじちゃんは妖精で、また別の子の止まった足を、いまも前に進ませてるんだって思うようにしてます。そうしないと悲しすぎて、生きていけません。それくらい私の心を揺らす素敵な小説でした。
三嶋さんの言葉から、この作品がカクヨム甲子園本命だったということを聞いた覚えがあります。ですから私も本気で考えたことを素直に伝えようと思います(気分を害されましたら、返信にてお伝えください。コメント削除致します)。
それは、この小説に眠らせるやさしさの種類についてです。この小説の向かう先は「澪が病気を乗り越えて、前を向く」という部分にあります。もちろんこれも、力強く良いエンドだと思いますし、やさしいものです。
ただ個人的好みで言えば、最後まで「乗り越えなくても、あなたは素敵で、そのままでいいんだよ」と囁いて欲しい気持ちがありました。乗り越えるんじゃなくて、そのままを受け入れてくれる小説の方が、弱さに寄り添ってくれるような気がするのです。
もし私だったら、途中のかじちゃんとは地面に枝で書いた文字でやり取りさせるかもしれません。かじちゃんもハートマークとかを描いたりして。そして発表も、声は出さず手書きのノートを見せて行うのです。みんな静かに注目して、発表は成功します。最後はかじちゃんのいなくなった季節でひとり、どんぐりを横目に、小説を書き始めるといったオチだったら。私のような弱い人間は、もう少しだけ救われるような気がしました。
もちろん私から見た景色の話なので、三嶋さんが乗り越える展開が好きであれば、自由に物語を紡いで欲しいと思います。ただ今回は作者が器用な才能のある三嶋さんでしたので、私の根っこにある価値観をお伝えしました。あくまで参考程度に、お互い執筆を楽しみましょう。
素敵な作品をありがとうございました。
作者からの返信
秋冬さん、かじちゃんまで読んでいただき、ありがとうございます。そしてこんなにも丁寧なコメントをいただき、恐縮ですが、本当に嬉しく思います。
そうです。この作品は私の本命作品でした。レビューもいただいているので名前を出してしまうと、当時ここのえ栞先生という方に作品を見ていただきながら、小説を書いていました。ファンタジー、童話(本作)、SFの3作を読んでいただいた中で、この作品は一番完成度が高いと言ってもらえたこともあり、私の中で思い出深い一作です。
秋冬さんのご提案くださった、乗り越えないことのやさしさ、非常に参考になりました。ありがとうございます。声を使わずにかじちゃんと会話をするという展開も、私には思いつけなかった発想であり、たしかにそのように書くことが出来ればより温かみのある小説に仕上がったと存じます。
私のことを信じてくださった上でこのような丁寧な文章を送っていただき、大変光栄です。秋冬さんからアドバイスを貰えたというだけで、さらに精進していこうという気持ちになれました。本当にありがとうございました。