第22話 面会

「ようこそいらっしゃいました。リストデル様」

「お出迎えありがとうございます。シルレーナ嬢」

亜神の事を話す覚悟を持って来た。ただ、俺がどうこうと言っても説得力に欠けるので、神様が何かの演出をしてくれるらしい。神様の方から持ち掛けてくれた話なので、悪い予感しかしないが。

「さて、この話を受けてくれたという事は、好意的な印象を少しでももってもらっているという事でいいのかな?」

「ええ」

「なら話しておかなければいけない事があって、、、、」

「亜神のことよね?」

「ん?」

何で知っているのだろうか?いや、神の仕業だろうが。

「私としても考える時間が欲しいから、取り敢えず恋人という事でいいかしら?」

「あ、ああ。わかった。」

それから、神と接触した時のことなどの話をしてその日はお開きになった。


次は勇者だ。案外質素な勇者宅に着くと、部屋にいるとのことなので案内してもらう。

「リストデル様をお連れしました。」

「どうぞ。入って下さい。」

「こんにちは。アル殿」

「ええ、こんにちは。リスト殿。今回はどの様な用件です?」

「今後の人生に関わる大きな提案をさせて頂きたく、参った次第です。」

「今後の人生に関わる事ですか。ベレッタを呼んでも?」

「ええ、むしろ聞いて貰った方が良いかもしれません。」

俺は入室したアリステア嬢と挨拶を交わしながらこう切り出した。

「貴方達は神を信じますか?」

「「信じています。」」

次の瞬間辺り一面が真っ白になった。まるで見計らった様に。


神から「神を騙って勧誘しろ」との命令が脳内に入ってきた。「何でです?」と聞き返すも「面白そうだから」という答えしか返って来なかった。まともな返答を期待した俺がバカだった。

「私は亜神の一柱です。他の神より位は低いですが一応神です。貴方達の世界の管理者が不足していまって、務まる者をスカウトしている最中でしてね。亜神になりませんか?」

二人は茫然としている。そんな二人に追い打ちをかけるように、自分の背後から光が溢れだした。ここまでされると、逆に吹っ切れる。

「勿論無理強いするつもりはありません。急な事で驚いているでしょうし、いつかお返事を下さい。」

柔和な笑顔でそう語りかける。慈悲深アピールだ。

「「謹んでお受けいたします。」」

「そう畏まってもらっても困ります。対等な関係になるのですから。(堕ちたな)」


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ここまで読んで下さり、ありがとうございます。




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