第20話 作戦会議
「亜神かぁ~」
もともとは実験として創られた世界だ。更に言うのであれば、世界が消されるのは恐らく自分が死んだあと、つまりは、全てのデータを集めた後だろう。だったらどうでもいいとは言えない。遊びまわる子供を見ていると特にだ。それに、全ての命が実験台で要らなくなったらポイッというのも腹立たしい。亜神になる事は確定だとして、仲間が欲しい。特に勇者の魔法とか。そこのところも魔王を倒してからじっくりと話し合いたい。
幸い魔王は籠城の姿勢を取っているらしい。一ヶ所にとどまってくれているならば魔王以外は改変魔法で殺せる。魔王は勇者に任せるとして、恐らく罠だらけの魔王城を壊せる人材が必要だ。そもそも、ゲームでは魔王城を壊す事などしなかったので、誰がそんな事をできるかは判断ができないが、シルレーナ嬢の能力を数十倍にすればいけるのではないかと思う。日本でも雑草がコンクリートを破って生えていたりするのだから。
「ということなので、シルレーナ嬢かそれに類する能力者が必要なのですが。」
シルレーナ嬢のお父様と交渉中だ。
「我が娘の安全性は確実か?」
圧のある質問だ。
「この命に代えましても。必ず一傷もつけないと約束いたしましょう。」
相応の覚悟を持って答える。
「わかった。後の判断は娘に任せるとしよう。」
「ありがとうございます。」
どうやら届いたようだ。
その後シルレーナ嬢とも話し合ったが、すんなりと協力してくれる事が決まった。二日後に勇者のいる最前線に向かう事になったので、それまでにデルフィル戦で使ったバフアイテムを自分とシルレーナ嬢と勇者と予備の分の計四人分と、更に追加でアクセサリーを準備する事にした。
「ネックレスを借りてもいいです?バフを掛けるので。」
「わかりました。どうぞ。」
能力3倍のバフを掛ける。先の命を懸けた戦いの中で改変魔法の練度が上がったので、バフの倍率を上げることができるようになったのだ。
「お返しします。」
その後二人で、改変魔法で勇者のもとへと瞬間移動した。
「リスト殿?フィルハーリ嬢?今何処から?」
「こんにちは。いまのは改変魔法の応用です。魔王戦に向けて話し合いたい事があって来ました。」
「わかりました。取り敢えずこちらへ。」
その後、途中で合流したベレッタ・アリステア嬢を加えて作戦会議をした。
作戦としては、初手で魔王以外を俺が殺すと同時に、シルレーナ嬢が魔王城の下から植物を生やし、城を破壊する。魔王を引きずり下ろした瞬間に俺は改変魔法を魔王にかけ続けて常に崩壊魔法を使わせ続ける。その間に勇者が魔王に突っ込む。アリステア嬢が合流したのは魔王軍撤退後なので、アリステア嬢はタイミングを見計らって不意打ちをしてもらう。これで魔王を殺せるはずだが、失敗しても改変魔法で帰って来ることができる。ちなみに、ドーピング薬は改変魔法で準備したもので大丈夫だ。陽動と瞬殺の前にドーピングを解除する隙など無いに等しい。
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ここまで読んで下さり、ありがとうございます。
もうどっちが魔王なのか分からないですね。(笑)
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