第18話 迷いの種
「ハァ!」
横なぎに一閃。魔王軍四天王の三人をぶっ飛ばす。奴らを守る肉壁も無い。ここまで苦労させられたが、兵站の心配も無い以上全力でヤルだけだ。
「勇者アルロード・ティスト―ゼの名において今日、、、、、、貴様らを殺す。」
名乗る事を条件にバフを発動させる。更に、殺せなかった場合のペナルティを設定し、バフの効果を高める。その内容は自身の能力を2乗させる物だ。これは特別なバフで全てのバフが発動した後に2乗のバフが掛かる。
「創造魔法発動!」
重ねて、バフを掛ける。今回のものは自身の能力を50倍にするものだ。リスト殿からもらったイヤリングで1.5倍のバフもかかっている。合計75倍のバフに2乗だ。
「理の束縛発動!」
創造魔法で自分が見ている物は動いてはならないという理を打ち立てる。
「ここまでだな。」
一人一人首を切って確実に殺した。
「それにしてもリスト殿には感謝しなければ。」
1.5倍バフのアクセサリーなど聞いた事がなかったため調べたところ、現代の魔法学では不可能との事。貧乏実家で手に入らないだけだと思っていたが。それに、リスト殿の魔法は改変魔法とのことで、その効果の現実改変からインスピレーションを得て創造魔法がバフだけの魔法ではない事を理解できた。
「何!四天王がやられただと!?」
「その様です。魔王様。」
「籠城だ。城を兎に角要塞化しろ。」
「承知致しました。魔王様。」
こうして、魔王城はゲームストーリーより遥かに攻略難易度が上がった。
「あれ?ここは?」
シルレーナ嬢に相談して、その後は病院で読書していたはずだが。寝落ちでもしただろうか?どちらにせよ、神様空間に来た事は変わらない。
「久しぶりじゃの。」
「お久しぶりです。今回はどの様な用件で?」
「話が早くて助かるわい。お主亜神にならないかの?」
「??????」
どうやら異世界転生の目的の一つである世界の管理をやらせるために不老不死にしようと言うことらしい。ちなみに今回は拒否権がある。というのも実験場として創った世界なので消すこともやぶさかでないらしい。
「まあ、急に言われても迷うじゃろうしゆっくり考えてくれればよい。あと、お主が指定した人物で亜神になる事を容認している人は何人でも亜神にしてやるわい。一人では寂しいじゃろうしの~」
「そ、そんな急に言われましても、、、、」
「ま、そういう事じゃからよろしくたのむぞ~」
「嘘だろ。」
やっと一歩前進できそうなところにそんな重い話をしないでほしい。命の重さを実感したばかりの時に、皆の命を自分の一存で消してしまう選択なんて取れようはずが無い。そこも見越して今回のタイミングなのだからズルいと言わざるを得ない。
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