第10話 今後について話し合うはず
功績を建てる必要が出来てしまった。とは言えやることは変わらない改変魔法を鍛えるだけだ。ゲームのストーリーが出来事として起こるので、魔王軍が湧いて出て来るのだ。改変魔法で前線の魔物を消せばいいのだ。え?改変じゃないから出来ない?ノンノン。アカシックレコード改変で死亡状態にすれば良いのだ。さながら、ザラ〇ーマの如く。ザ〇キでは甘いからね!魔法だから精神的ダメージも少ない。息の根を止めるから血も流れないしね!
功績の件は問題無い。問題はフィルハーリ嬢改めシルレーナ嬢との関係だ。いつ頃から交際していたか等を3日後に話し合う予定なのだが、めっっっちゃ緊張する。謁見の時にイケメンの自信を失った事もあり死活問題だ。
迎えた当日。なるようになるさ。
「ようこそおいで下さいました。シルレーナ嬢。」
「お出迎え感謝致しますわ。リストデル様。」
「今日のドレスも似合っています。あの時のネックレスを付けて頂いて嬉しい限りです。」
「まあ!ありがとうございます。」
歓迎の挨拶としては上々だろう。応接室への案内も滞りない。
「さて、まず自己紹介からしましょうか?あと、これからの事も考えてお互い話しやすい言葉で話そう。」
「そうね。じゃあまず私から。私は、シルレーナ・フィルハーリ。19歳で植物魔法を使えるわ。趣味は裁縫と読書ね。」
「植物魔法はどんな事が出来るんだ?」
「様々な植物を生成できるわ。何にでも根付いて特徴を継承する木とか。」
「それは凄いな。かなり汎用性が高そうだ。」
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「次は俺の番だな。リストデル・テルガート。16歳で改変魔法が使える。読書(ネット小説)が趣味だな。」
「改変魔法はどのような範囲で効力を発揮するのかしら?」
そう私が問うと彼はバツの悪そうな顔をしながら
「理論上はこの世界すべてかな。」
なんて言うから凄く驚いたわ。
「ただ、代償が重くてね。実用化出来るレベルじゃ到底ないんだよね。」
それはそうよね。そんな魔法が簡単に発動されたら困ってしまうわ。それにしても、噂とは全くあてにならないわね。好青年で人柄もよい彼には申し訳ない事をしたわ。
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諸々の設定も固まった時に彼女は驚きの事実を教えてもらった。
「ごめんなさい。実は貴方を試していました。」
「え?」
「王族の方々にも協力して頂いて、貴方を犯罪者にするかどうかのテストをしていました。本当にごめんなさい。」
そもそも、王家がメイドに箝口令を敷く事など造作もないのだ。謁見の時に噂が広まっていると勘違いさせ、責任をシルレーナ嬢との結婚という形で取る事にして、犯罪者路線を意識の中から消し安心させて本性を見るという事だった。確かにご都合主義な展開だと思ったがそんな罠が存在したとは。因みに、犯罪者路線に直行しなかったのは、皮肉にもシルレーナ嬢の裏切り役を見抜いた事が評価されたかららしい。王家に協力を依頼したかのような物言いだが実際は王家主導だろう。立場的にそうは言えないが。相変わらず損な役回りをさせられている。
「なるほど、そう言う事だったのか。では、今回の交際の話は無かった事になるんですね。」
「ええ。申し訳ありませんが。」
さらば、我が初恋。
まさか初恋が叶うとは、この時のリストデルは思いもしなかったのである。
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