第9話 謁見

王家から呼び出しをくらった。

何か、嫌な予感がする。というのも、先のパーティーの件の説明だけならば、わざわざ呼び出す程の事でもないからだ。まあ、何であれ断ることなど出来はしないのだから行くしかない。

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「テルガード家子息リストデル・テルガードであります。

本日は、私めの為にお時間を割いていただき、恐悦至極に存じます。」

「うむ。楽にせよ。」

「寛大なお心遣い痛み入ります。」

「早速本題にはいるが、先のパーティーでフィルハーリ嬢を薬で眠らせ、部屋に連れ込んだらしな?」

「そ、それは、誤解があります!」

「ふむ?申してみよ。」

「私めは凶器の確保を優先しただけであり、決してやましい心などありませんでした。」

「テストであった事を知っていたにもかかわらずか?

そもそも、こちら側の意図に気が付いた事を伝えれば良かっただけのことではないのか?」

「じっ、実戦を想定して行動を、、」

「ベッドに押し倒したとも聞いていたが、果たして何の実戦を想定していたのかね?」

「、、、、、」

「まあよい。今回の件は、このままではフィルハーリ嬢ひてはフィルハーリ家の名誉を傷つけるものである事は分かっているよな?」

「このままでは、と申しますと?」

「うむ。リストデル・テルガードとシルレーナ・フィルハーリは以前から内密に交際しており。此度の件は愛の爆発であると。これであれば、名誉は辛うじて保たれる。」

「ですが、私めの世間からの評判は良くないので、、、」

「それは、今後挽回すれば良い。というかしろ。恋愛も出来なくなり、家の為に結婚するフィルハーリ嬢の為にもな。」

「何故そこまでフィルハーリ家に?」

「裏切り役を命じたからであるな。あと、拒否権は無いのでな?」

「、、、、承知致しました。」

「うむ。下がってよい。」

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聞いていた話と違う。イケメンなら何をしても許されるんじゃなかったの?イケメンなら無条件で愛されるんじゃなかったの?先のパーティーでフィルハーリ嬢がリストデルに惚れてそのまま幸せなスローライフをと考えていたのに!実態は家のための政略結婚で、その上汚名返上の為に功績を立てる必要があるなんて!

クズ上等の自分勝手最高ライフ計画がぁぁぁぁぁー!改変魔法で好き勝手しようと思ったのにぃぃぃぃぃぃー!結局二週目も凡庸な(?)真人間かよぉぉぉぉぉぉー!


行動には責任が付きまとうのであるからして残念ながら(?)当然の結果である。


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ここまで読んで下さり、ありがとうございます。




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