第49話 回答編2 邪神や魔族は...

「お赦し下さい、ホトス様」


「馬鹿だな、ラゴラ、僕がこういう事で赦さない神だと知っているでしょう?」


僕は、邪神であるラゴラと話している。


馬鹿な奴だ、女神に唆されて僕と敵対するなんて。


本当なら消滅させても良いんだけどね、今回は此奴から欲しい物があるから、赦してやろうと思っている。


「ヒィ...消滅だけは」


「良いよ、赦してやろう?」


「本当ですか?」


「ああっ、だがお前の肝を貰うからな、それで今回は手打ちで良い」


「き、肝は...それは..」


肝には神としての力が宿っている。


更に神であればやがて再生されるが、使える能力が再生されるまでの年月弱くなる。


その反面、それを取り込んだ者は【神となる】


簡単に言えば【不老不死】【もてる】【能力がとんでもなく跳ね上がる】が最低手に入る。



不老不死...これが神になる最低条件


もてる...神は一部の神を除き自分を信仰する者に愛されるし美しく見える。魅了等と違い種の本能として愛されている。


能力がとんでもなく跳ね上がる...神の領域の力が手に入る、例外を除き勇者や魔王より遙かに強い。



「嫌なら消滅にするよ?」


「解かりました...邪神である私の肝をあげる価値のある男なのですか?」


「お前なに言っているの?お前が謀反を起こしたから俺は封印されたんだよな? それを解いてくれたのがセレナくんだ、お前なに上からみているのかな? 僕のなかで序列はお前より上だよ? あと、僕が特別に勇者にしちゃったよ」


「ゆゆゆ...勇者、魔神である貴方様が、勇者にした?」


「うん、面白いよね! しかもとっておきの用心棒つき、まぁあのパーティーで戦うなら、肝が無くても魔王じゃ無くお前も討伐されるかもな?」


「あのホトス様...私は魔族の神です、その私の天敵に、肝を渡せというのですか?」


「あはははっ、なにを言うのかな? 実際は守る事は無いと思うけどさぁ~ 人間側の神はこの僕だよ? 今からお前消滅させようかな?」


「肝は渡します...それで、その後はどうすれば良いのですか? このままじゃ、魔族も魔王も滅ぼされて終わりという事じゃないですよね」


「あはははっ、それでさぁ~めんどくさいから、皆で遊ばない?」


「遊びですか?」


「そう、遊び」




簡単にいうと人間だけ仲間外れにして遊ぶと言う事だった。


邪神側は 邪神、魔王や四天王にとって【都合の悪い者】を勇者に処分して貰う。


人類側は 僕やセレナに【都合の悪い者】を処分して貰う。


適当に戦いながら、【やらせ】の戦いを繰り広げる。


そして、魔王と勇者が戦う時は「世界の半分を勇者にやるから仲間にならんか?」そういう話で世界を半分こにして終わり。




「それで良いのですか?」


「今現在、この世界はもう僕のもんじゃない? 人間側の神は僕だし、魔族側の神は従属神のお前なんだから」


「そう、ですね」


「僕って手に入れた物に興味ないんだよね...お前の肝をあげてさぁ、暫くセレナくんに人間の人生楽しんでもらったら、お前連れて宇宙にでもいこうかと思っているくらいだ」


「またですか? 私は安定した生活が送りたいのですが...」


「お前は邪神だよね...一生ついて行く、そう言ったじゃない?」


「あっ...はい」


「そうだね、だから魔王を含む魔族全員に伝えておいて【今度の勇者は敵じゃ無く将来は邪神になるかも知れない存在】だって。


「解りました」


「それじゃ、早く肝を頂戴」


ラゴラは手に力を入れるとお腹に突き刺した、そしてそのまま押し込み肝を取り出した。


「ハァハァ~お持ちください」








【魔王.魔族SIDE、数日後】



邪神から神託を貰い、魔族は大きく揺れ動いていた。


「それは本当でございますか? ラゴラ様」


神託ではなく顕現で邪神様が現れた、そして横には謎の人物がいた。


「君が今の魔王かい? 僕はホトス、まぁ君達が仕えているラゴラを従えている存在だ」


「ホトス様...まさか魔神様ですか?」


「へぇー魔王だと流石に知っているんだね、なら話が早いね」


ホトスは邪神ラゴラと話していた計画を話した。


結果、魔族は全面的にこの計画に乗る事にした。



その結果、


「皆で、勇者見に行かない?」


「そうだな、そこ迄の存在なら俺も見たいわ」


「なら、折角だから軍団揃えて挨拶がてら見に行こう」



【数日後】



聖教国を今、数万に及ぶ魔族が囲っている。


空は空飛ぶ魔物が覆い尽くし、城から見える範囲を魔物が覆いつくしていた。


これを見たら誰もが、この世の終わりに思うだろう。



こんな事が起きたが...これはただ【セレナを見たい魔族が、遊びがてら出かけただけだ】


勿論、戦う気は元から無い....何故ならセレナこそがいずれ自分達が仕える相手なのだから。


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