第50話 【最終話】 旅は続く

セレナ達の旅は、ただの旅だった。



俺たちは...魔族なんて恐れない。



だって魔族は既に仲間だ。



魔王なんて怖くない。



もう仲良くなることが決まっている。



ただただ、自分達が楽しむ様に旅してまわれば良い。



魔物?


狩れない、狩れない...だって仲間だからな。


ゴブリンにあっても、オークに会っても人目があるから跪かないが、憧れに近い目でこちらを見てくる。



ゴブリンに集落に案内され接待された...貧しいなかからもご馳走を出してくる。


申し訳ないから【退治した盗賊の人肉】を収納袋から出してあげた。


ミーシャやワイズは俺を気遣って食べない。


多分、ゴブリンも俺が良い思いしないだろうな、そう思ったのか倉庫に運んでいった。



歓迎が終わると、ゴブリンの長老が俺の手を引っ張っていった。


その先には人間の女9人が苗床になっていた。



「た.す.け.て」


「冒険者ですよね、助けて」



長老の目は笑っていた。


たぶん言葉にしたら「良かったら使って下さい」そういう目だ。


助けないのかって?


助けられないよな...だって歓迎してくれた相手から財産なんて盗めない。


最も長老は、あとでミーシャとワイズにどつかれていたけど。



オーガもワイバーンも皆が仲間みたいに接してくる。


だから、俺たちの旅は、ただの旅だ。


だって魔物は全部仲間なのだから...



自由の翼が自由を求めたように俺たちは自由気ままに旅をする。


きっと魔王に会う時は...素晴らしい歓迎をしてくれるに違いない。



「セレナ、美味しい物が食べたい」


「セレナ様、さぁ参りましょうか?」



この旅も、これから先も...ただ旅を楽しむだけだ。




                                           【FIN】

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