第47話 旅立ち
聖教国を今、数万に及ぶ魔族が囲っている。
空は空飛ぶ魔物が覆い尽くし、城から見える範囲を魔物が覆いつくしていた。
これを見たら誰もが、この世の終わりに思うだろう。
「勇者様...この世の終わりです、お逃げください」
「随分と優しい事を言うのだな...」
まさかランディウスがこんな事を言うとは思わなかった。
「多分、この国は終わります、ですが貴方がいれば希望は残ります、だから我らが道を切り開きますから...」
「そうか? 随分変わったな、そう言われたら、俺は勇者だ、守ってやらない訳にいかないな、なら行こうか?」
「そうですね? 勇者であるセレナ様に対する忠誠良いわね、まぁ過小評価は馬鹿なのかなと思うけどね」
「ミーシャも頑張ってみるかな」
「あの、それはどういう事でしょうか?」
「魔族の数万位、どうにかしてやるそう言う事だ」
そのまま俺たちは普通に街を歩き正門の方に歩いていった。
「勇者様...」
「おおっ勇者様だ」
「神の愛し子様に聖魔様もいるぞ」
現金な奴らだ、散々ミーシャを見下した癖に、勇者パーティーで三職だと解った途端にこれだ。
最早、ミーシャはこの世界で馬鹿に等されないだろう...だって聖魔は賢者と同等のジョブ。
そう教会が認めたのだから。
「おっちゃん、このリンゴくれるか?」
銀貨を渡そうと思ったら要らないそうだ。
「代金は要りませんから、好きなだけお持ちください」
「そうか? 悪いな」
俺はリンゴを3つ取って2つを放り投げた。
ミーシャとワイズはそれを受取り齧り始めた。
俺たちにとって魔王軍は怖くない。
笑顔で戦場に向った。
【門の外.戦場にて】
「見渡すばかりの魔族だな」
「まぁ、どうにかなると思うわ! 私天才ですから」
「これ本当に大丈夫かな?」
確かに凄そうだけど、まぁ大丈夫そうだ。
見た感じ、幹部まで居そうだけど問題無いな。
「初戦だから、試しに俺一人で戦って見ても良いかな?」
「構いませんわ、凛々しい姿を此処でみてるわね」
「それじゃ、ミーシャも見ているよ」
余り怖くない。
今の俺達は魔族なんて怖くない。
「貴様が新しい勇者か?」
「そうだ、今迄とは違う、神 ホトス様がこの世に遣わした勇者セレナだ」
「そうか? 神 ホトスが遣わした勇者かーーーーっ 面白い我が相手になろう、我が名は四天王が一人 マーモンである」
確かに強そうだが、今の俺は恐れる必要は無い。
「行くぞマーモン」
俺はブラックソードを抜き斬りかかる。
この剣は凄いな...抜いた瞬間から力が漲る。
「待て、その剣はブラックソード、ならばここは一旦引くとしよう...追撃を掛けないと約束するならこのまま何も襲わず帰るとする、どうだ」
「俺は平和が好きだ、そちらが襲って来ないと言うのであれば俺は手を出さない」
魔族の軍勢はそのまま数時間かけ去っていった。
魔族が立ち去ると俺たちは聖教国の教会に帰ってきた。
戦っても居ないのに凱旋ムードとなり...俺たちを称える声がこだました...
数日後
まだ教皇は決まっていない。
だが、聖教国で聖剣を手に入れ、祝賀会が行われた。
そして、俺たちは魔王討伐の旅に出る事になった。
勇者の俺
神の愛し子のワイズ
聖魔のミーシャ
人類の守護者で要だ。
今、俺たちの旅は始まったばかりだ。
俺たちは...魔族なんて恐れない。
魔王なんて怖くない。
伝説にあった【自由の翼】の様に自由気ままに生きる。
【FIN】...なんてね
※ 次回より数話 謎解き篇がスタートします。
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