第24話 騎士二人の末路
ジェイク達が馬を走らせていると、ゆっくりと馬を走らせているジュークサルを見つけた
「ジュークサル、貴様何を考えている」
「ジェイク様、まさか見送りに来て下さったのですか?」
間違えてはいけない。
ここで真実を伝えたら、更に逃げる可能性もある。
「ああっ、急に辞めたと聞いてな、それで暇な騎士だけで追い駆けてきたんだ、騎士の統括は俺だ...俺に伝えないで去るのは頂けないな」
これで良い。
「そうでしたね、それではきちんと挨拶をさせて頂きます」
ジュークサルは馬を降りた。
俺は仲間と一緒にジュークサルを取り囲んだ。
「ジェイク様? 皆でどうしたんだ?」
「ジュークサル、お前は騎士だ、騎士は身分は低いが王国では貴族、それなのに、国から逃亡した」
「ちょっと待て、俺はちゃんと手紙を添えて調書を書いた」
本当に馬鹿な奴だ。
「お前、親から騎士の地位を受け継いだ時に剣を掲げて王に忠誠を誓っただろうが! 騎士は死ぬか年老いて引退して引き継ぐ以外基本は辞められない」
「なら、俺はどうなるんだ!」
ジュークサルは顔を青ざめながら怒鳴るように叫んだ。
「抜剣...王への忠誠を忘れ帝国に行くなど言語道断」
ジュークサルは剣を抜こうとしたがジェイクに敵う筈もなくあっさりと斬り殺された。
「後始末を頼む」
ジュークサルの遺体は首を斬り落とされ、体は茂みに捨てられた。
首は樽に入れられ塩漬けとなった。
この首は王へと届けられる。
「これで一人はすんだ、まだもう一人居る...行くぞ」
「「「はっ」」」
ここに来るまでにヌマーズに会わなかった。
時系列で言うなら、先にヌマーズに会う筈だ。
そう考えたなら、追い越してしまった可能性が高い。
そして、形跡が無かった事から獣道を逃げている可能性もある。
流石に、そこにをこの人数で探す事は出来ない。
「ちっ、仕方ないヌマーズは諦めて帰ろう」
「「「はっ」」」
【ヌマーズSIDE】
「旅の御方どうかされましたのかの?」
「ああっちょっと王都で揉めて帝国に行く所だ」
「この先は数日、休む場所はありませんぞ...良ければ村で休んでいきなされ」
ヌマーズは妻や息子を奴隷にした事等もあり精神的に疲れていた。
もし、通常の彼ならこの可笑しさに気がついた筈だ。
「それでは、お言葉に甘えるとしよう」
そう答えていた。
普通に考えればヌマーズに関わる訳は無い。
【王都でもめた】
この時点で犯罪者である可能性もあるのだ。
それを引き留める奇特な者等いる筈もない。
「着きました、此処が私どもの村ですじゃ」
「獣道から入るにしちゃ、しっかりとした村だな」
小さな家が6件程だが、一応村に見える。
「本当の小さな村で恥ずかしい」
「いや、お世話になる身だ気にしないでくれ」
此処なら、街道から外れている、追手が来る可能性は低い。
更に来たなら一本道だからすぐわかるし、そうなったら山へ逃げ込めば良い。
「それじゃ、そこの家は人が住んで居ないから使って下され、まぁ一応は掃除はしてあるでな、飯は後で届けさせる、まぁ銅貨2枚もくれればいいだ」
ヌマーズは袋から銅貨を2枚老人に渡した。
《金貨を持っているだ..これは》
暫くして、食事が運び込まれた。
「ほう、これで銅貨2枚は安いな...酒迄あるのか」
「はい、滅多にお客さんが来ないんで、その代わり明日で構わないんで王都の話とか聞かせて下さい」
「解った...それ位お安い御用だ」
村の少年に自分の息子を重ねたヌマーズは了承した。
それから暫くして..
「うぐっうがぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ はぁはぁ」
ヌマーズは死んだ...
「長老、死んだようですぜ」
「さっき袋から金貨が見えたからの...大収穫じゃ」
「乗っていた馬も剣もなかなかですぜ」
「さてと、皆で集まって取り分を決めるかの」
「「「「「おーーーーーっ」」」」」
獣道にある様な場所の村に真面な人間が住んで居る訳が無い。
ここは、盗賊たちが偽装して住んでいる村だった。
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