第6話 交差

「あのさ!」

学校で、樹原が話しかけてきた。


「なに?」

雪から告白でもされたのだろうか?いつもより切羽詰まった顔をしている。


「私、雪が好きだったけど、ほかに気になる人ができちゃって…。」

「はっ?」


待て、樹原。このタイミングでそれは事件だ。

雪も絶対樹原が好きだから。まずいってそれは。


「この気持ち、どうすればいいの⁉︎」

「知るかあっ!」


自分でどうにかしてほしい。

「だから、君に話があるの!明日の放課後校舎裏に来て!」

「え、ちょっと待ってよ。」


走って去ろうとする樹原の手を思わず掴む。


「⁉︎ そ、そういうとこだから!」

もーっと言うと、私を振り切って行ってしまった…。



「ね、ねえ。」

急に後ろから、雪が抱きついてきた。

この子、ショッピングセンターの後から妙に距離が近いな。


「私も君に話したいことがある。」

雪はなんかいつもと違った顔をしていた。


「私も、明日の放課後校舎裏で待ってるから。」

じゃ、というと雪も行ってしまった。


なんか予定がダブルブッキングしてしまった。


それにしても、なんで校舎裏。流行ってるの?

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