第5話 勘違い
待て、雪の好きな人って、樹原だったら都合が良くないか?
電車に揺られ、帰宅しながらぼんやり考える。
私は、樹原の恋も雪の恋も応援しないといけない。
でも、この二人の恋がどちらも叶うことは難しい。
しかし、ひとつだけ方法がある。
樹原の好きな人が雪だったらいいんだよ!
「やば、天才かよ…。」
これは雪に聞くしかないな!
☆
「えっと、話って、なに?」
次の日、私は雪をショッピングセンターに呼び出した。
スタバの新作を飲みながら、雪に向かい合って席に座る。
「雪の好きな人って、誰?」
私は、単刀直入に聞いてみる。
「…⁉︎」
雪は珍しく硬い表情を崩して、びっくりした様な顔をする。
「え、な、なな…」
なんで?と言いたいのだろうか?
慌てすぎて、「な」しか言えてない。
それにしても、雪は正直イケメンだ。
側から見たら、完全にデートだろうな。私たち。
なんなら、雪が顔りんごなので、バカップルである。
「その人って、アニオタだったりして…?」
「な、なななな…⁉︎」
どうしよう、雪がナ星人になっちゃったよ。
でも、アニオタって、樹原とおんなじだよね?
「わかった!雪の好きな人!」
「ほえっ⁉︎え、な、え?」
雪ったら、照れちゃって可愛いなあ。
「多分その子も雪と同じ気持ちだよ!絶対!」
思わず雪の手を掴むと、雪は急に泣き出してしまった。
「…ほんと?」
うあーっと、泣いてしまうので、店中の人が私たちを見る。
樹原と両思いで嬉しいのはわかるけど…。
流石に店を出た。
その時、手は握ったままだったけど友達ならこれも普通だよね?
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