第4話 好き、

「え、その人ってどんな人?」

樹原が私に尋ねてくる。


「んー、アニオタな人。」

付き合うなら、趣味の合う人がいいしね。


樹原は、うーんと考えるとこう言った。


「じゃじゃ、同じクラスだったりして?」


「あー、まあそうだけど。」


そういうと、樹原は少し顔を赤くして私を見る。


「その子、メガネかけてる…?」

「あー。かけてるね。」


「そ、そっか!へえ、そっか…。じゃ、用事思い出したから!」

樹原は顔を真っ赤にして走り去っていった。


なんだったんだ、あれは…。

私が、クラスの海斗君が好きなのがバレバレだったろうな。


じゃ、私も帰りますか…。


席を立とうとすると、雪からLINEが来た。

なんだろう?


「ね、私好きな人がいるの。」


なんか、タイムリーな話題だなぁ。


「そうなんだ。応援するよ!」

友達の恋は応援したい。折角勇気を出して教えてくれたんだ。

ポチポチっと、その旨を書いて送る。


「で、もう気がついてるかもなんだけど」

雪から早くも返信がくる。


「好きな人、女の子なんだ。」

なるほど…?


てかさ、最近恋愛対象が女の子だと打ち明けられる率が異常に高い。

一日に二回のペースは異常だって…。


いや、十人に一人ペースで同性愛者はいるらしいけどさ。

それ、私が発掘してもさぁ…笑


「女の子を好きになるのも、いいと思うけど。」

実際私も二次元で好きなのは女の子です。


「急にさ、好きになっちゃうものなんだよ。同性だって。」

雪は、そんな言葉を送ってくる。


なんだか、その言葉に重みを感じた。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る