第2話 嫁が可愛いのは仕方ない
「いやー、推しが可愛いんだよね…!」
委員長の樹原が二次元推しを教室で愛でてた。
「あー。マジで嫁だわ。」
「…男の子の推しでも、嫁って言うん?」
樹原にはなんの気無しに聞いてみる。
「え、だって可愛いから。旦那って感じじゃないよねー。」
なるほど。可愛いからか。
オタク男子の思考とそんな変わらんな。良かった。話が合いそう。
「わかるかも!私も嫁がいるんだけど可愛すぎてもう無理。」
二次元こそ正義だわ…。
ガタッと席を立つ音がする。
音の方を振り向くと、学校の王子様、雪がいた。
「え…?嫁いるの…???」
「ふぇ?いるけども?3年前から。」
みんな一人はいるものだと思ってたが。
雪にはまだいないのだろうか?
「わ、私が君の最推しになりたかったな…。」
ぽそっと、そんなことを言う雪。かわいい。
「おー。」
でも、こんな時なんて言えばいいのかわからん。
おー、とか、感嘆符しか出てこないわ。
「大丈夫。雪も可愛いから推しだよ。」
これでいいんだろうか?
「一番になりたいんだけど…」
こんな展開、ラブコメアニメで見たことないからどうすればいいのかわからんマジで。
主人公にヘルプした。無理だった。
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