第8話   悲しすぎない?

「 大和くんは誰に対しても優しく接してくれる人…だから亜美沢さんのことを気づかってくれたのもごく当たり前のことだから 」


「 そ、そうだよね 」


でも もしかしたらって思いたい。


私だけに優しくてくれたのかな、だったらいいのにな…


なんて、そんなことを思ったりしながら、新山さんにあいづちをしたつもりだった。


でも、目がカッ!っと見開き、細い眉がつりあがると彼女は急に立ち止まった。


「 新山さん?… 」


「 勘違いしないでよ!初めて会ったあなたになんか、大和くんまったく興味ないんだから! 今日みたいに彼に迷惑かけるのやめてよね! 」


新山さんはそう言い残すと、私の帰る反対の方へ姿を消した。


ただ…


それが言いたかっただけ?


アパートまでの帰り道、すごく足取りが重く感じる。


頭の中でさっきの新山さんの言葉が、何回も何回もさまよい続けている。


同時にひとりになった孤独感と寂しい気持ちが渦巻く。


大和くんとはもう…何も…


無いかもしれない。


けれど


私は…

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