第3話 やっちまった
教室へ入るとみな静かに着席してプリントを見ている、さすがに中学の時とは違い大人だな、ってそう感じた。
窓際の1番後ろから二番目にひとつ空席がある。たぶんそこが私の席だろう。少しは運がいい日なのかな、さっきのプリントを交換してもらったことといい、目立つ中央じゃなくてよかったなあと少しホッとした。
先生が既に話を始めていたので、私はそうっとその席を目指すことにした。
しかし、数人の生徒が私に気づき振り返って見ている。
でも、あの人の姿はなさそう。それに、後ろ姿はみな同じに見えてしまい、もっとよく顔とか見ておけば良かったなと、今頃になって後悔している。
だから余計にあの人が気になり探していた。
やっぱり見つけられない。それが間違いだった。
よそ見をしながら歩いていたから、椅子の脚につま先をひっかけたらしく…
『 ガタン! ドタッバタッ!…「 イタッ!…」ドサッ… 』
おもいきり床にハグしてしまった…
低いお鼻がさらに低くなったかもしれない。
その上鼻血がピロって、半分くらい出ちゃってる気がする。
もうさいあく。
「 あ~あ!…やっちまった! 」
『 あ…はははは・・・ 』
みんなに笑われてるし…
恥ずかしいよ…グスン…
「 え?… 」
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