最終回「おじさんたち、終わります!」
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動機は不純だ。興味があったから。テストプレイだとか、先行配信だとか、初回限定だとか、人ってそんなのに憧れちゃうじゃん。実際俺はそんな軽いノリでエントリーしたら、神様のきまぐれってやつで、見事選ばれてしまった。
――ま、今後の人生、性別が変わったところで些事にすぎない。
面倒事は嫌いなんだけどさ、どうも惹かれちまったんだ。ただのごくごく普通の大学生だった俺は、黒髪の美少女、
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どうも、血の気が多いなってのは分かってる。だからこそ、俺はこの赤髪の美少女、
あの野球一本だった俺が、実は女になることに憧れていたことを知ったら……
――ま、んなこたどうだっていい。
書類選考も面接もこの威勢のいい挨拶と、白い歯で乗り切ったんだ。絶対にこの俺が、薬を手に入れて、美少女になってみせる!
※
休みの日ってみんなどうして過ごしているのだろうか。だらだら昼頃に起きて、労働の疲れを癒す。気に入らない上司に不満を溜めながら、むかつく議案に内心中指立てながら、漫然と生きてきた。こんな刺激的な企画、参加しないわけがないだろう。まさか、このボクが候補生として選出されるなんて夢にも思わなかった。
ボクは
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僕の予想では、おそらくポテンシャルの低い人間には大きな器が与えられている。僕のように研究室でせこせこと陰気に日々苔むすように生きている人間には華々しい外見が与えられたのだ。不釣り合いなギャップを楽しめ、という運営側の配慮、いやサービスだろう。僕はチャンスをいただけたのだ。
※
まったく、最初から不人気キャラクターが存在するなんて不平等だ。格差やハンディキャップがあるなんて、説明がなかった。
だが……
――これだから、ゲームは面白い。
おそらく、いや、確実に俺はこの参加者の中でこういった類のゲームに慣れている。なぜなら俺は、最強の無職だから。
※
「はぁ? なんだこれ? この独白ラッシュは一体なんなんだ……え? 最終回?」
「コメントゼロだったから打ち切りエンドってことね……」
「まぁ、作品に見切りつけるのも大切だからな」
「完結ブーストかかったら続編もあるとかないとか……」
「まあ、到底無理でござる……」
「あたしらの戦いはこれからだってか?」
「もっと色々なことする予定だったのにっス……」
「嘘だよな……嘘だと言えよォ! ヴォケ!」
「まるは、まあ楽しかったよ」
「わたくしもいい思い出になりましたわ~」
「ちょ、これホントに終わる流れじゃん」
「ま、仕方ないの」
「ってことで……じゃあ、また」
おじさんたちの戦いは終わらない。
誰かのエールがある限り、
この教室には、美少女の皮をかぶったおじさんしかいません。〜読者参加型小説!推しの美少女おじさんを応援して、出番を増やそう!〜 阿礼 泣素 @super_angel
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