第13限目「おじさんたち、仮面ラ〇ダーになりたい!」
「はい、暇だし、次の仮面ライダーのタイトル予想しよ」
「次はギー〇って決まってんだよヴォケ! ギ〇ツ楽しみだわヴォケ!」
「楽しみだったら『ヴォケ』とか言うな」
赤都葉と藍我がいつものように談笑する。それを聞いた他の面々が集まってくる。
「今のライダーってのはァ! 正義の戦いがねーんだよ! 令和ライダーだいたいライダー同士で戦ってるじゃねーか!」
「は? そんなの平成時代からやってるわよ。ライダーにわかは黙ってて」
どうやらここには仮面ライダーをいまだに視聴し続けるおじさんが多いようだ。
「そもそもさ、正義なんて色々な形があるんだよ。そして絶対悪なんてのもない。現代社会に絶対的な悪は存在しない。そして、ぶつかり合うのは正義と正義。そんなのを伝えたいんだよ」
「脚本家はそこまで考えてないと思うっスよ」
「うむ。途中でとっちらかって収集つかなくなるだけでござる」
悪の組織がなくなり平和が訪れれば正義のヒーローの存在意義がなくなるなんて話があるように、何かしらの対立組織を作って正義のヒーローもなんとか踏みとどまっているのかもしれない。
「じゃあ、自分が仮面ライダーになるとしたらどんな名前のライダーになりたい?」
「仮面ライダーセレブですわ~」
金城は自信満々にそして、高らかに宣言する。どうも金城という人間は尊大な自尊心をお持ちのようだ。
「うわ、何でも金で解決しそう」
「バイクのサイドカーに乗って登場しそう」
散々な言われようなセレブだったが、金城はすっかり自分の妄想の中に入って恍惚の笑みを浮かべていた。
「はい、まあ、セレブね。次は?」
「仮面ライダーアムル」
「うわ、普通になんかカッコいいのがムカつく」
「いや、ナムルみたいに思えてダサいかも」
「誰がナムルじゃヴォケ! 焼肉定食の添え物扱いすんな!」
「むしろナムルに謝れ」
アムルとえば紀元前に存在したアムール人くらいしか意味はない。だが、藍我の考えたアムルは仮面ライダー業界がネタ切れに陥った際、ギリギリありそうなネーミングと感じさせるだけのインパクトはあった。
「はい、次」
「仮面ライダーレンゲ 仮面ライダーボタン 仮面ライダーシャクヤク」
華美咲は3人のライダーを提案した。
「なるほど、ジェンダー配慮的なやつね。最近は女性でもライダーになれるようになったからね。逆に男でもプリ〇ュアになれるし」
「は? 男でもプ〇キュアになれんの!?!?」
何人かは驚いた表情を見せた。
「もう男女の垣根を取っ払うべきって世界全体が考えてるからな」
「だから俺たちもおじさんであり、美少女でありって感じなんだな」
「いやでも、文面だけだと読者は想像するしかないじゃん」
「バカ野郎、アニメ化すんだよ。俺たちがアニメ化すれば、読者は視聴者になって、美少女姿の俺たちを拝めるってわけ」
「理想高ッ! まだこの話、コメントの一つもないのに!?!?」
「自虐ネタやめるっス」
――ってことで、好きな美少女おじさんについてコメントよろしくっス。
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