2#サルの復讐
タヌキは、鼻が酷く被れて数倍に膨らんだサルを見てギョッとして起き上がった。
「ど、どうしたのおサルさん?!」
「おいおい、せっかく君を助けあげたのにお礼も無いのかよ?!」
サルの身体から、ウィーン!ウィーン!と微かなモーターの音がした。
「あ、ウサギのせいで泥舟が壊れて沈んでいったとこを助けてくれてありがとうございます!!」
タヌキは何度も何度もサルのまえでペコペコと土下座した。
「んもう・・・ウスに渾身の力で踏み付けられたせいで、脳以外が付随になったのを自ら機械の身体に魔改造しっていうのに。」
サルは不機嫌そうに、ウィーン、ウィーンと足腰のモーター音と共に座ると、
「俺はな、カニに復讐されたんだ。カニに渋柿を投げつけたらそのカニに直撃して死んじゃってさ。そのカニがたまたま親ガニでさあ。
カニの子が、ハチと栗とウスと共闘して俺に復讐してきて、機械の身体よ。」
サルはウィーン、ウィーンと機械音が鳴る腕を見せて苦笑いした。
「この俺の身体の機械は、俺が自ら組み込んだんだぜ。来るべきの為にな。
俺は平賀源内の家に忍び込んで、機械の構造の設計図を脳内にインプットしておいたんだ。
ほら、お前の身体も1部機械化したからよ。」
「ええっー!!」
タヌキが仰天して仰け反ると、背中からウィーン、ウィーンと機械の音がした。
「背中がだいぶ焼けただれて、壊死してたからな。
どうしたんだい。分かってるさ。
ウサギに背中に薪を担がされて、後から火を付けられたんだろ?」
「な、何で知ってるんだよ?!」
「知ってるさ。有名だもん。だって君の力を借りたいからさ。
なあ、どうだい?今からウサギへ復讐しないかい?俺もカニに復讐する為に、機械の身体にしたんだし。」
「き・か・いぃぃぃぃーーーー!!?」
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