第70話 IF   悲劇没にしたエンディング (本編とは関係ないので 東吾のフアンは読まない方が良いです)

「変な夢を見たな...」


僕は頭が可笑しくなってしまったのか?


あの東吾が僕の親友なんて、何の冗談かな。


僕の全てを奪った人間なのに。


彼奴が来るまでは、僕は少なくとも人間として生活していた。


仲良し四人組の子とただ毎日過ごしていただけだ。


僕には勿体ない位綺麗で、可愛い女の子。


だけど、誰1人...元から僕には手が届かない高嶺の花。


白百合さんは確かに僕の幼馴染で仲は良いよ...だけど、小学校からいつも僕は恋の話を聞かされるだけで、付き合った事は一度もない。


金剛さんだってそうだ、、うちの親父の会社の社長令嬢だから付き合いがあって仲が良いだけだ。


僕だって身分違いは解るから、ただ話すだけの相手だ。


東条さんと仲の良いのは仕方ないだろう...だって同じ剣道部の仲間なんだから。


歩美ちゃんだってそうだ...母親どうし仲が良いから昔から付き合いがあるだけだ.


誰1人僕の彼女じゃ無いんだ。


なぁ、それなのになんで東吾、お前は僕を目の敵にするんだ。


あの子たちが僕を庇ったのが気に食わないのか?


そりゃ、顔見知りだから恋人でなくても庇う事位あるだろうよ。


今じゃもう、全部お前の取り巻きじゃないか?


どうせ手の早いお前の事だ...全員肉体関係位あるだろう?


もう僕は関係ないじゃないか。


わざわざ、白百合さんとしている所に僕を呼び出すかね。


そして


「気持ち悪いから見るな」


なんて言わすかね。


お前が僕を虐めの的にしたから、僕の机は落書きだらけだ。


死ねが何個かいてあるか解らない。


椅子は教室にいつも無い。


お前に好かれたいからな、東条さんは僕を気絶するほど竹刀で殴るんだ。


しかも退部届も受け取ってくれない。


叩かれすぎて、視力が片目は殆ど無いんだ。


歩美は歩美でお前に好かれたいから、この間なんか階段から僕を突き飛ばしたよ。


おかげで、片足皹が入って、今も痛いんだ。


金剛家にはお前の親父が圧力をかけたから、おれの親父は首になり今は無職だ。


まぁ、白百合さんはかなり庇ってくれたけど...お前が犯して物にしてからは僕とは口も利かないな。


俺はカッコよくも無いし金も無い...お前になんて勝てる物は何もない。


なのに、お前はなんで僕に構うんだ。


北條東吾...お前は僕から全てを奪った。


だから、僕はお前から...その美しさだけは奪う事にするよ。


お前の仲間に科学準備室に閉じ込められた時に、硫酸をパクッておいたんだ。


お前の権力があだになったな。


お前が持ち出した可能性も考えて...だれも追及していなかったぞ。


良かったよ。



「東吾くん」


「うるせーな、またお前か...白百合と取り込み中なのが解らないのか? 見せるのは1回だけだ」


「出て行って黒木くん...お願い」


「うん、解った...」


僕は硫酸を二人に振りかけた。


東吾には頭から振りかけたから、頭蓋骨が見えてきた。


醜く死ぬだろう。


喚いているが、無視だ。


白百合さんは顔の半分に掛かったけど...死にはしないだろう。


「黒木...貴様」


最後にそれを言うと、東吾は死んだ。


「黒木くん......」


息も絶え絶えに白百合さんが話し出す。


「私は、貴方が好きだから...守りたかったから..嫌いな奴に抱かれていたのに...なんで」


「うそだ」


「嘘じゃない、こんに事...された...それでも好きだよ」


「白百合さん...ゴメン..ごめんなさい」


僕はカーテンをはがすと、白百合さんを包んで、水場で顔を洗い...そのまま走って病院へ連れて行った。


命に別状は無い。 


ただ、顔の半分は完全に崩れていて修復は難しいらしい。


僕は、このまま警察に捕まる...と思ったら捕まらなかった。


白百合さんが、僕を庇って、東吾との最中にビンが落ちてきて硫酸を被ったと証言したからだ。


不思議な事にビンに指紋は残っていたけど、白百合さんを助ける為にどけたと解釈されたようだ。


「ビンに触った」と証言したのが良かったみたいだ。


僕は、通りかかった時に、白百合を見つけて助けた人...そういう事になった。


結局、北條東吾については深く調べられなかった。


多分、悪い事を沢山していたので北條財閥の看板に傷がつくのを恐れたのだろう。


僕は今日も病院を訪れる。


白百合さんは醜くなったけど、好きな気持ちは変わらない。


僕は白百合さんに告白した。


「ねぇ、白百合さん...大好きだよ」


「やっと、言ってくれたね、私も大好きだけど」


「顔の事なら気にしないで...僕だってカッコよくないし...どんなに醜くなっても関係ない」


「だけど、、私 化け物だよ」


「それをしたのは僕だ...ごめんね」


「いいの...好きでいてくれるなら...何でもいい」


「僕の瞳は腐っているから...白百合さんが世界で一番綺麗に見えるんだ」


「本当...ありがとう」


僕にとっては醜くなった白百合さんの笑顔が世界で一番綺麗に見えた。


この白百合さんを僕はもう二度と離さない。


そう心に決めた


(FIN)




これも幻のエンディング、アップして2時間もしないで消した物です。


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