第65話 僕の小さなお姉ちゃん

「絵夢お姉ちゃん、ちょっと良い?」


お姉ちゃん? そうか私の事だ、、まだ慣れないな。


「えっと黒木ちゃん、何かな」


お兄ちゃん以外で呼んだこと無いから照れるな。


「絵夢お姉ちゃんとしっかりと話してないから、一度話そうと思って」


「そう言えば、まだ話した事無かったね...うん良いよ」


「えーと、絵夢お姉ちゃん、苗字とか無いの」


「うん、実はないんだよ」


「無いの?」


「うん、それ処か戸籍も住民票もないかな」


「それって大変じゃないの?」


「大変だね...うん」


「他人事みたいに、だけど何でないの?」


「解らない、お父さんは知らないし、お母さんと旅を続けていたからかな」


「そう言えば、絵夢お姉ちゃんは24歳なんだよね」


「そうだよ...10歳位にしか見えないけど、、」


「聞きづらいけど、お母さんが死んだのは何歳の時?」


「確か、10歳の時かな?」


あれっ絵夢お姉ちゃんが10歳の時に死んだお母さんが80歳だったら、絵夢お姉ちゃんを生んだのは70歳という計算になるよね。


「それって絵夢お姉ちゃんを生んだのが70歳という事?」


「うん、そうだね」


この世界は男女比が大きく傾いている、70歳の老女に手を出す男がいるかな。


「お母さん70歳でも中学生にしか見えなかったから...姉妹に思われていたかな」


「あの、もしかして絵夢お姉ちゃんってエルフとか?」


「何を言っているのか解らないけど、人間だよ...ただ特異体質だってお母さんが言っていた」


「そうなんだ、まぁ良いか絵夢お姉ちゃんは絵夢お姉ちゃんだから」


「そうだね、うん」


「ところで黒木ちゃん、お話が終わったなら 遊ぼう」


「うん、何して遊ぼうか」


「鬼ゴッコ」


「そうだね、じゃぁ最初は僕が鬼で良いや」


「じゃぁ逃げるね、、わーい」


僕はこうして年下にしか見えない不思議なお姉ちゃんと遊んだ。



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