第57話 寂しくない
放課後、僕は白百合さん達と一緒に家に向かっている。
普通に歩いて帰ろうと思ったけど、、金剛さんがタクシーを呼んでいた。
リムジンは小百合さんが使っているらしい。
家に着くとすぐに白金さん達、三人のメイドさんが出迎えてくれた。
「「「お帰りなさいませ、ご主人様」」」
凄い、秋葉原のパチモンメイドとは違う。
それしか言えない。
「黒木くん、なんでメイドさんがいるのかな?」
「黒木様、この方達は北條のメイドさん達ですわね...雇われたのですか?」
「うん、成り行きで...でも北條家と兼任だよ」
「それでも、メイドさんがいるなんて凄いねお兄ちゃん」
「メイドさんより、この屋敷だ、凄く大きくないか?」
「うん、僕もそう思う」
「それではご主人様、お荷物をお持ちします」
「あっ園崎さん、ずるい」
「早い者勝ちですよ、古木さん」
「ではご主人様こちらへ」
そのまま家に入ると、、あれっ何で皆んな居るのかな。
「あっ黒木君お帰りなさい」
「貴子さん、もう遊びに来られたのですか?」
「引っ越しですよ...前のベットは入りそうも無いので買い換えました」
「えーと、、大丈夫なのですか?」
「執務はあくまで北條邸で行います、裏庭から行き来出来るようにしてあるので大丈夫ですよ」
「それなら、良いのですが」
「お兄ちゃん、お帰り」
「えっ 美優ちゃんも引っ越し?」
「うん、美優の場合は基本、部屋からでないしPCやWIFI環境があれば投資は出来るからお兄ちゃんの傍の分、此処の方が良いから」
「そう、ありがとう」
「ありがとう? 何でお兄ちゃんがありがとうっていうのかな? ありがとうは美優の方なのに」
「私も引っ越してきたよ、良いよね?」
「玲奈さんもですか?」
「駄目だった?」
「そんな事は無いです」
「そう、それなら良いや、私も美優と同じだから、基本何処でも良いんだ」
「私は基本の仕事が貴子様や美優様、玲奈さまと遊ぶことなんで、こっちの方が良いし、、お兄ちゃんもいますから...」
「奈々子ちゃんも...そうだね、その方が便利そう」
「私達、メイド三人は、お世話する人が此処に集まっていますので此処で寝起きする事にしました」
「白金さん達も居てくれるんだ?」
「「「はい」」」
「黒木くん...これはどういう事かな?」
「いやね...その皆んなに此処に住んでもらおうと思って...」
「まぁ...黒木くんじゃ仕方ないか」
「あれっ、里香遅かったじゃない」
「お母さま? まさかお母さまも此処に住まわれるのですか?」
「私の場合は出来るだけですね...仕事もあるから...だけど、此処に一番いる事が多くなりそうね、、息子と娘が住んでいるのだから」
「確かに、その方が便利ですわね」
「あっだけど、もうお兄ちゃんの部屋の近くは埋まっているんじゃないかな?」
「あっ、そうだな」
「あら、大丈夫ですよ、隣の部屋は空いてますよ」
「じゃぁ歩美がそこに」
「何をいっているんですの? そこは白百合さんに決まってますわ」
「あの、金剛さん、じゃんけんとかで無くて良いの?」
「白百合さん...私は第二彼女ですわ...そして貴方は第一彼女...そこは貴方の部屋ですわ」
「ありがとう、金剛さん」
「私は黒木様だけでなく、貴方も好きなのですわよ」
「うん、私も」
僕は何を寂しがっていたのだろう。
こんなにも沢山の人に大切にして貰えているのに。
もう1人じゃないんだ、、そんな簡単な事も忘れるなんて....
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