第醐話 七不思議一つ目『悟君』

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「あけろ」


「ああああぁあ!」


「どうした!?」


「あっ、あ、あい、アイツは?」


「アイツって?」


ハァハァ、なんだよあれありえねぇだろ。怖い、怖えよ。

とりあえず一息つくため、そばに置いてあった水を飲む。

ゴクッ、ふぅ。

とりあえず一息つけたが、どうしようか。

話してみようか、


「なぁ、みんな。少し、話がある」


「分かった」


「うん」


「勿論です」


それを聞いて話し始める。


「健一、お前。俺の家来る前に電話してきたよな、これは間違い無いか?」


「あぁ、それは間違いない二人も知ってるからな。それがどうした?」


「それなら良いんだ。次に、電話した直後にここに一人で来たか?」


「みんなで行くっていうのになんで一人で行くんだよ、しかもここから駅まで最低二十分はかかるから絶対に無理だ」


そうだよなぁ、そうなんだよ。

ありえねぇんだよ、あそこに健一がいる事自体。


「それがな健一、お前俺の家に来てたぞ。」


「は?」


「えっ?」


「嘘でしょ?」


俺の言葉に対して三人が反応する。


「嘘じゃない、本当だ」


「健一はここまで一人で来て、そして俺の家に入ろうとしてきてた。いや、あれは本当に健一だったんだろうか」


「もしかして、仮に偽健一さんだとするとその偽健一さん。漱さんの質問に的確に答えてきませんでしたか?」


「そうだ!」


「アイツよ、扉の前にいんのに、体の後ろだったのに。正確に当ててきたんだぜ?」


本当に、思い出すだけで震え出す。


「多分なんですけどそれ、『白羽絵高校七不思議』の一つ、『悟君』ではないかと」


は?


「なんだよそれ」


「あっ、それ俺も知ってる!てかこのノートに載ってた!」


そう言うと健一はノートの一頁目をめくって見せてくる。

そこにはこう書かれていた。


『悟君』


『悟君は新校舎、旧校舎両方に現れるとされる。悟君は生徒が一人でいる時、そして誰かと待ち合わさている時に現れる。その待ち合わせてる人の姿形や声に変化する。また相手の心を読むとされ、例え合言葉があろうと知られてしまう。』

『対処法は一つ、絶対に開けない事。これを破ったらどうなるかは分からない、しかしろくでもない事になるであろう、何故なら今までの悟君の噂は開けなくて助かっただけという話だけで、開けてみたという話はないのだから』


「まんまこいつじゃねぇかよ」


「でも『悟君』は学校の怪異だよ?」


そう、そこなのだ。何故我が家に来たのか、それが謎なのである。


「とりあえず助かっただけ良かったじゃない」


まぁ、そう思うしかないかぁ



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白羽絵高校七不思議 @sodecaxtuku

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