両利きの経営【要約・書評】

西村洋平

両利きの経営【要約・書評】

どうも。


今回紹介する本は「両利きの経営」という本です。


なおなお

ん?両利き?

両利きの経営とはいまの事業を安定化させること、そして新しいイノベーションの両方を起こせる経営のことを指しています。


つまり、攻めにも守りも強くなる方法というわけです。


多くの大企業は安定性を求めるばかりにイノベーションを起こせない、中小企業はイノベーションは起こせるが安定化させられない…


本書はこのような矛盾を両立させるための指南書になります。


それではさっそく見ていきましょう。


本のタイトル

両利きの経営 「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く


著 チャールズ・A・オライリー、マイケル・L・タッシュマン


監訳 入山章栄


解説 冨山和彦


訳 渡辺典子


東洋経済新報社


本の要約・ポイント

本書のポイントは次の3点になります。


深化と探索が両利きの経営のキーワード

両利きになれる4つの状況

リーダーシップが両利きの経営を実現させる

今回の記事ではこの3点についてもう少し深く掘り下げていきたいと思います。


深化と探索が両利きの経営のキーワード


両利きの経営をするためには「深化」と「探索」の両方が必要になると本書では説明されています。


この2つの意味を簡単に説明しますと、深化とは既存の事業を安定化させることです。


そして探索は新規事業に力を入れることです。


なおなお

つまり、いまおこなっている事業を成熟させながら新しいことにも挑戦することが大切なのです!

しかし多くの企業はこの2つを両立できていません。


中小企業は当然のことながら成熟した事業を持っていないことが多いです。


しかし、イヤでも新しい事業に挑戦しなければならないという風土はあります。


反対に大企業では成熟した事業にしがみつきすぎて、新しいことに挑戦する風土が形成されにくいという傾向にあるのです。


なおなお

一昔前までは安定が何よりも大切だったのかもしれませんが、変化の早い現代ではイノベーションを起こさなければ大企業といえども衰退してしまいます。

ビジネスパーソンである私たち個人でも安定志向だと将来的にまずいのと同様に経営も安定志向だとこの先危うくなってしまうのです。


なので、経営でも既存の資産や組織を深化させながら、それらを利用して新しい資産や組織をつくっていかなければならないと本書では述べられています。


両利きの経営は口で言うことは簡単ですが、周りの企業がそうでないことからわかるように、実践するにはかなりの難易度です。


なので、次に両利きになれる状況について説明していきます。


既存の事業や組織を最大限生かしつつ、新しい事業や組織を形成することが大切


両利きになれる4つの状況


本書では両利きになれる状況として次の4つをあげています。


明確な戦略的意図

経営陣の保護や支援

対象を絞って統合された適切な組織アーキテクチャー

共通の組織アイデンティティ

本書ではこの4つが両利きの経営には不可欠だと述べています。


言葉だけで見ると難しく聞こえますが、


戦略

経営陣の支援

適切な組織構造

共通の価値観や考え方

この4つが重要です。


戦略がなければどうしたら良いのかわかりませんし、経営陣の理解がなければそもそも実行すらできません。


そして戦略通りに動ける組織がなければ目標を達成できませんし、組織の価値観や考え方がバラバラだと進むべき方向があいまいになってしまいます。


このように考えるとこの4つのポイントはとても重要そうに見えると思います。


なおなお

4つのポイントを具体的に詳しく書いてしまうとすごい文章量になってしまうので詳しいことが気になった方はぜひ本書を読んでみてください!

この4つのポイントを見て気づいた方もいるかもしれませんが両利きの経営を実現するには経営陣や組織のリーダーの存在が不可欠です。


なので最後にリーダーシップの大切さについて触れていきましょう。


戦略・リーダーの理解や支援・組織構造・組織の共通のアイデンティティが両利きの経営には不可欠


リーダーシップが両利きの経営のカギを握る


両利きの経営を一人の平社員が実現することは不可能に近いです。


まず、組織の腫れ物扱いさせて相手にされないと思います。


なのでどうしても両利きの経営を実現させるには経営者や組織のリーダーが両利きの経営を志す必要があります。


なおなお

先ほど紹介した4つの状況を見ればわかるように権限のない社員には限界があることがわかります。

そこで本書ではリーダーの役割として次のポイントを説明しています。


幹部チームを巻き込む

深化と探索の葛藤が生じるポイントを把握する

深化と探索の対立に向き合い、バランスをとる

深化には利益と規律を求め、探索には実験を推奨するという一貫して矛盾したリーダシップを発揮する

深化や探索の議論や意思決定に時間をかける

少し理解しにくいのは2番目だと思いますが、深化と探索をおこっているとどうしても対立してしまいます。


簡単に言えば攻めと守りを両立するわけですからどこかで対立が生じてしまうのです。


そこでその対立ポイントを把握したりして組織のバランスを取る必要があるのです。


また、既存事業を安定化させるためには利益や規律が必要ですが、反対に新規事業では多くの失敗を経験することになります。


そしてこの2つの相反する態度を両立することもリーダーには大切です。


役割がとても多くリーダーは大変そうですが、たとえみなさんがリーダーではなくてもリーダーを支援することは可能ですから積極的にリーダーを助けましょう。


もしあなたの企業でも両利きの経営を実現させたいなら責任者や経営者に本書をプレゼントするのもいいかもしれませんね。


リーダーは深化と探索を両立できるようなリーダシップを発揮しなければならない


まとめ あなたも両利きの経営を目指そう!


いかがだったでしょうか。


本書ではイノベーションを事業の成熟を両立させるという極めて難しい問題について切り込んでいます。


また、両利きの経営を実現させるのはリーダーの手腕にある程度かかっていることもわかりました。


大変難しい問題ですが、組織が一丸となれば両利きの経営を実現させる風土をつくることができると思います。


なのでぜひあなたの職場でも両利きの経営を実現させてください。


ということで今回は以上になります。


それでは、また!


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