三十話:地下迷宮+ちょろっと掲示板
地下迷宮。
正式な名称は【砂塵の地下迷宮】。
砂漠エリアにある全プレイヤー参加型の大規模ダンジョンだ。
「時間制限……二時間……?」
三時間ごとに入場が可能。
制限時間は二時間。 それで地下二百階層まであるらしいのだけど、無理じゃないか?
「うん。 だからクリアを目指す組と、ボス・宝箱狙いの組に分かれるね〜」
「そうなんだ」
「階段の近くにワープ装置があるから、途中のキーパーを倒してアイテムを手に入れるとそこでワープできるの」
ワープは大体5〜15階ほど先の階に飛ばしてくれるらしい。
それなら二時間でもいけるか。 キーパーを倒したPTだけでなく、全プレイヤーがその階のワープを使えるようになる。
「なんだぁ? 随分と今日は多いな?」
「狭間が無くなったからかしらね?」
現在は地下迷宮の地上部分。
崩れたピラミッドの待機場所には続々と、地下迷宮に参加するプレイヤーたちが集まってきていた。 『狭間の刻』は攻略され、狭間はダンジョンではなくフィールドとなった。 そのためギルドポイントやボーナス経験値が無くなってしまい、昔のような美味しい狩場ではなくなってしまったらしい。
「やぁ。 アルマさん、久しぶり」
「お! ワンダさん、おひさ〜♪」
いつぞやのバトルの時に早口解説をしてくれた眼鏡の青年が声をかけてきた。
ロングコートを羽織り、片手には分厚い本を持っている。 黒髪の青年はその眼鏡の奥から好奇の視線をシトリに向ける。
「コルルは進化させてないの?」
「ああ、いや、進化させたんですけどね?」
見た目変わってないけど。 一応進化してます。
「アルマさん。 地下迷宮が終わったら、バトルしていただけないでしょうか?」
「いや、その筋肉とではなく是非、私とお願いします」
「アルマ様! 俺とフレをお願いします!!」
「ええと……」
眼鏡の青年のPTメンバーがアルマに言い寄っている。 なかなか個性的なメンツだな。 筋肉とバーバリアンと三下みたい奴。 他にも数人いるようだ。
アルマは美人だしモテるよね。 それに胸は控えめだけど、スレンダーボディに最高のお尻。 ピッチリズボンが描く最高のラインに野郎どもは好奇の視線を送っている。
「ごめんね〜〜。 この後、彼・と用があるの〜〜♪」
「ちょっ!?」
アルマの控えめな胸が腕に!
野郎どもからの殺気が突き刺さる!!
天国と地獄。
「ふふ」と微笑むアルマは何を考えているのか。
「そろそろ時間だね」
青年の言葉と共に、地下迷宮への入口が開かれた。
それと共に待機していたPTは流れ込む。
光の渦の中へと、駆け込んでいく。
「宝箱狙いが多そうだね」
「あ、やっぱり?」
「うん。 光の宝玉。 それに詳細不明のアイテムもアプデ以降出始めているからね。 低階層でも出るらしいけど、やっぱり百五十階層以降のほうが出やすいみたいだよ? ボスからも何か出ると睨んでるんだけどね、なかなか倒せないから困ったものだよ」
「ワンダさん、俺たちも早く行かないとーー!」
説明好きな眼鏡の青年はPTメンバーに連れられ光の渦に連れ込まれていった。
「なんか凄い人ですね」
「ふふ、面白いよね?」
「おし、俺たちも行こうぜ!」
「行こう……」
鉄仮面のレフィーさんがやる気満々といった感じでバフを掛ける。
シュララと虎徹も参戦。 シトリも含めて五人と三体のPTで探索する。
ハピさんの移動速度上昇バフも重なり、準備は万端。
「散開……雑魚無視……宝箱見つけたら合図」
「宝箱はたちの悪いトラップがあるからな? 一人では開けるなよ、ノリオ」
「おっす」
地下迷宮は広い。
全てのプレイヤーが探索できるように広い作りになっている。
キーパーは中央、階段は真ん中奥にある。 それ以外は毎回ランダムにフィールドが作り替わるので攻略地図も存在しない。
「よーし、じゃ頑張って行こう!」
「「「おう!」」」
「おー……」
俺たちのPTも光の渦の中に駆け込んで行く。
◇◆◇
コルルオンライン掲示板
>雑談版
>>【強者求む!】闘技場スレ part260
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210:トマホーク
誰も闘技場こないな
211:兄者
狭間もマズくなったしどうする?
212:ゲジゲジ
新フィールドは行かないの?
213:トマホーク
キツイな
214:兄者
キツイ
215:ゲジゲジ
じゃ、ワンダさんが地下迷宮PT募集してるけど行かない?
216:トマホーク
ワンダが?
217:兄者
怪しいな? 何か企んでいるに違いない
218:ワンダ
別に企んでない
それに150階層からは経験値もかなり旨いみたいだよ?
219:トマホーク
ほう
220:兄者
それを先に言わぬか
221:ゲジゲジ
やばいな!
変なメンツが揃っていく!!
222:トマホーク
お前には言われたくない
223:兄者
うむ
224:ゲジゲジ
>>222−223
酷いっ!
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